2026年7月11日・12日に東京ビッグサイトで開催された「東京キャンピングカーショー2026」で、日産『NV350キャラバン』をベースにした新型バンコン「エレガンツァ(Eleganzza)」が初公開されました。手がけたのは、日産の車両を知り尽くした日産ピーズフィールドクラフトと、新潟でハンドクラフトのクルマづくりを続ける加藤モーター(katomotor)のコラボレーション。ショー会場での初披露と同時に販売もスタートしています。
このエレガンツァ、最大の特徴は「リビング」「常設ベッド」「カーゴ」という3つのスペースをそれぞれ独立させたレイアウトにあります。多くのバンコンが抱える「寝るたびにベッドを組み立て、朝はまた片付ける」という手間を根本から解消しようという発想です。発表されたばかりで詳しい解説記事がまだ少ない今のうちに、公表されている情報をもとに、エレガンツァがどんなクルマなのか、どこが新しいのかを整理しておきましょう。
エレガンツァとは|東京キャンピングカーショー2026で初公開・即販売開始
エレガンツァは、日産ピーズフィールドクラフトと加藤モーターが共同開発した新型バンコン(バンコンバージョン=商用バンを架装したキャンピングカー)です。2026年7月11日〜12日に東京ビッグサイトで開かれた「東京キャンピングカーショー2026」でお披露目され、同日から販売が始まりました。
ベースとなるのは日産の定番商用バン『NV350キャラバン』。仕事の道具として全国で走り回るキャラバンを土台に、天然木の家具や高断熱の施工を組み合わせ、日常の足としても旅の拠点としても使える一台に仕立てられています。「発表と同時に販売開始」というスピード感からも、コンセプトカーではなく、実際に注文して手に入れられる市販モデルとして送り出されていることがわかります。
まだ公式の詳しいカタログやオプション一覧、価格帯が広く出回る前のタイミングなので、この記事では現時点で公表されている確実な情報を中心に、エレガンツァの立ち位置と魅力を読み解いていきます。
ベース車両|NV350キャラバン スーパーロングを選んだ理由

エレガンツァのベースには、日産『NV350キャラバン』のスーパーロングボディ(標準幅・ハイルーフ)が採用されています。公表されているボディサイズは次のとおりです。
- ベース車両: 日産 NV350キャラバン(スーパーロングボディ・標準幅・ハイルーフ)
- 全長: 5,080mm
- 全高: 2,285mm
ポイントは、キャラバンのラインナップの中でもっとも長い「スーパーロング」を選んでいること。全長5,080mmという長さを居住空間にまわすことで、大人が車内で立って移動できるほどの開放感を確保したとされています。ハイルーフとの組み合わせで天井が高く、着替えや調理、荷物の出し入れといった「立ってする動作」が窮屈になりにくいのは、日々使ううえで想像以上に効いてくる部分です。
一方で、全幅は「標準幅」に抑えられています。ワイドボディではなく標準幅を選ぶことで、車庫や街中の駐車場、細い道での取り回しといった日常使いのしやすさを残している格好です。「キャンピングカーは大きすぎて普段乗れない」という悩みを持つ人にとって、標準幅ハイルーフのバンコンは現実的な選択肢になります。全高2,285mmは立体駐車場の多く(一般的な高さ制限2.1m前後)には入りませんが、これはハイルーフのバンコン全般に共通する制約で、事前に駐車場所を確認しておきたいところです。
最大の特徴|「リビング・ベッド・カーゴ」の3独立レイアウト

エレガンツァを語るうえで欠かせないのが、車内を3つの独立空間に分けたレイアウトです。
- リビングスペース: くつろぎ・食事・作業のための空間
- 常設ベッドスペース: 展開・片付け不要で常に使える寝床
- カーゴスペース: 道具や荷物を積むための空間
この3つがそれぞれ独立していることが、他の多くのバンコンとの大きな違いです。
なぜ「独立」がうれしいのか
一般的なバンコンの多くは、限られた車内を効率よく使うために、日中は座席・テーブル(ダイネット)として使い、就寝時にはシートを倒して板を渡し、マットを敷いてベッドに組み替える「変形式」を採用しています。省スペースで合理的な仕組みですが、裏を返せば「寝るたびに展開し、起きたら片付ける」という作業が毎回発生します。旅先で疲れて帰ってきたときや、深夜のトイレ休憩のあとにベッドを組み直す手間は、車中泊を重ねるほど負担に感じやすいポイントです。
エレガンツァはベッドを常設にすることで、この手間をなくしました。ダイネット(リビング)を展開したり片付けたりせずに、思い立ったらすぐ横になれる——公表資料でも「ダイネットを展開・片付けせずに、すぐ就寝できる実用的なレイアウト」とうたわれています。リビングでくつろいだままベッドは寝床としてスタンバイし、後方のカーゴには道具を積みっぱなしにできる。生活・睡眠・積載の役割が固定されているぶん、使うたびに車内を組み替えるストレスから解放されるわけです。
トレードオフも理解しておく
独立レイアウトはメリットばかりではありません。各スペースの役割を固定するということは、変形式のように「同じ床面積を昼はリビング、夜はベッドに二役で使う」効率を手放すことでもあります。そのぶん就寝人数や荷室容量は、変形式のフルフラットタイプと比べて構成次第で変わってきます。何人で寝るのか、どれだけ荷物を積むのかは、購入前に実車で確認したいポイントです。逆に言えば、「毎晩の設営・撤収をとにかく減らしたい」「夫婦やソロで、快適な常設ベッドがほしい」という使い方には、この独立レイアウトが強くハマります。
手仕上げの天然木家具と雪国・新潟の断熱施工

エレガンツァのもう一つの見どころが、内装のつくり込みです。
室内には、加藤モーターの職人が手作りで仕上げた天然木の家具が配されています。加藤モーターは1956年創業、新潟県燕市を拠点にハンドクラフトのものづくりを続けてきた作り手で、既製パネルを組み合わせただけでは出せない質感や、木の温もりを活かした空間づくりが持ち味です。バンコンは商用バンがベースゆえに「無機質になりがち」という声もありますが、天然木家具はそうした印象を大きく変えてくれます。
さらに、雪国・新潟で培われた断熱施工が採り入れられている点も特徴です。厳しい冬を過ごす地域で鍛えられた断熱技術により、「夏は涼しく冬は暖かい」一年中快適な室内環境を目指すとされています。車中泊の快適性は、実は装備の豪華さよりも「断熱・遮熱がしっかりしているか」で大きく左右されます。夏の車内にこもる熱、冬の底冷えは、断熱の弱いクルマほど深刻になりがちです。四季を通じて使うことを想定するなら、断熱への作り込みは見逃せない価値になります。
開発したのは誰か|日産ピーズフィールドクラフト × 加藤モーター
エレガンツァは、キャラクターの異なる2社のコラボレーションで生まれました。
- 日産ピーズフィールドクラフト: 日産系のキャンピングカービルダー。日産車をベースにしたキャンピングカーづくりに長く携わってきた作り手で、ベース車両であるキャラバンの素性を知り尽くしている点が強み。
- 加藤モーター(katomotor): 1956年創業、新潟・燕を拠点にハンドクラフトにこだわるクルマづくりを続ける作り手。天然木家具の製作や断熱施工など、内装のクラフト面を担う。
「ベース車両を熟知したビルダー」と「手仕事の内装づくりに長けた作り手」の組み合わせは、エレガンツァのコンセプトそのものを体現しています。キャラバンの実用性・信頼性という土台の上に、職人の手仕事による居住性を載せる——役割分担が明快なコラボと言えます。
正規ディーラーのアフターサポートという安心
キャンピングカーは購入して終わりではなく、長く付き合う相棒です。だからこそ、買ったあとのメンテナンスや万一の故障への備えは、車両そのものと同じくらい重要になります。
エレガンツァは、ベースが日産の量販車であるキャラバンだという強みを活かし、日産正規ディーラーによるアフターサポート体制が整えられているとされています。特殊なベース車を使ったキャンピングカーの場合、「どこで点検・修理を受けられるのか」が悩みになりがちですが、全国に販売網を持つ日産のキャラバンがベースであれば、走行系のメンテナンスで頼れる先を見つけやすいのは大きな安心材料です。長く安心して乗り続けたい人にとって、この点は見逃せないメリットになります。
エレガンツァはどんな人に向いている?
ここまでの情報を踏まえると、エレガンツァは次のような人に向いていると考えられます。
- 毎回のベッド設営・撤収をなくしたい人: 常設ベッドの独立レイアウトなら、思い立ったらすぐ横になれる。
- 普段使いと車中泊を1台で両立したい人: 標準幅ボディで街乗り・駐車の取り回しがしやすく、日常の足としても使える。
- 内装の質感にこだわりたい人: 職人が手仕上げした天然木家具で、無機質になりがちなバンコンとは違う空間を求める人に。
- 四季を通じて快適に使いたい人: 雪国の断熱施工で、夏・冬どちらのシーズンも車中泊を楽しみたい人に。
- 買ったあとの安心を重視する人: 日産キャラバンベース+正規ディーラーのサポートで、長く付き合いたい人に。
逆に、「大人数で寝たい」「とにかく荷室を最大化したい」といったニーズは、独立レイアウトの構成と相性を実車で確かめる必要があります。
気になる価格・購入方法
2026年7月時点で、エレガンツァの車両価格は公式に広く公表されていません。東京キャンピングカーショー2026での初披露と同時に販売が始まっているため、詳しい価格やオプション構成、納期などは、開発元である日産ピーズフィールドクラフトや加藤モーターへの問い合わせで確認するのが確実です。
バンコンは、ベース車両のグレード(2WD/4WD、ディーゼル/ガソリンなど)やオプション装備によって最終的な価格が大きく変わります。気になる場合は、公式に最新情報が出るのを待ちつつ、展示イベントや商談の場で実車を確認し、自分の使い方に合った構成で見積もりを取るのがおすすめです。本記事の内容は発表時点で公表されている情報にもとづくもので、最終的な仕様・価格は必ず公式の一次情報で確認してください。
エレガンツァに関するよくある質問(FAQ)
Q. エレガンツァのベース車両は何ですか?
A. 日産『NV350キャラバン』のスーパーロングボディ(標準幅・ハイルーフ)です。全長5,080mm、全高2,285mmのボディを活かしています。
Q. 「独立レイアウト」とは具体的にどういう意味ですか?
A. 車内を「リビング」「常設ベッド」「カーゴ」の3つの空間に分け、それぞれの役割を固定していることを指します。就寝のたびにダイネットをベッドへ組み替える必要がなく、常にベッドが使える状態になっているのが特徴です。
Q. どこのメーカーがつくっていますか?
A. 日産系ビルダーの日産ピーズフィールドクラフトと、新潟・燕の加藤モーター(1956年創業)の共同開発です。
Q. いつ・どこで発表されましたか?
A. 2026年7月11日〜12日に東京ビッグサイトで開催された「東京キャンピングカーショー2026」で初公開され、同日から販売が始まっています。
Q. 価格はいくらですか?
A. 2026年7月時点で車両価格は広く公表されていません。詳細は開発元への問い合わせで確認するのが確実です。
Q. 買ったあとのメンテナンスは受けられますか?
A. ベースが日産キャラバンのため、日産正規ディーラーによるアフターサポート体制が整えられているとされています。走行系のメンテナンスで頼れる先を見つけやすいのが強みです。
まとめ|「毎日の手間を減らす」発想が光る新型バンコン
東京キャンピングカーショー2026で初公開された日産キャラバンベースの新型バンコン「エレガンツァ」は、リビング・ベッド・カーゴを独立させたレイアウトによって、車中泊の「毎回の設営・撤収」という悩みを正面から解消しにきた一台です。NV350キャラバン スーパーロングの開放感、加藤モーターの職人が手仕上げした天然木家具、雪国・新潟で培われた断熱施工、そして日産正規ディーラーのアフターサポート——実用性と快適性、そして買ったあとの安心をバランスよくまとめています。
発表されたばかりで公式の詳細情報はこれから充実していくフェーズです。気になる方は、価格やオプションなどの最新情報を公式の一次情報で追いかけつつ、機会があれば実車でこの独立レイアウトの使い勝手を体感してみてください。「毎晩の手間を減らしたい」という車中泊派にとって、エレガンツァは要チェックの新モデルと言えるでしょう。