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山梨県鳴沢村。黒い外壁の建物の隣に、銀色のキャンピングトレーラーが置かれている。2026年8月16日、富士山野営道具店を取材した。棚に並ぶのは日本のつくり手の道具。店主が言う「宝物を探すように店舗を見てもらいたい」が、そのまま店の歩き方になっていた。RVパークも同じ敷地にある。
宝物を探すように、棚を見る
扱うのはアウトドアのセレクト品だ。取材に応じてくれた店の方によれば、日本のブランドにこだわって選んでいるという。割合はおよそ8割から9割。残りに海外のものが少し混じる。
どこの誰がつくったものかを、一点ずつ把握して置いている。取材に応じてくれた方の話しぶりから、そのこだわりが伝わってきた。
仕入れは足で作られている。マネージャーが展示会やキャンプフェスに顔を出す。つくり手と関係を築き、ガレージブランドから引いてくる。
小さなロットの品が多い。だから選ぶ人の好みが、そのまま棚に出る。基準は「面白いもの」。取材ではそう聞いた。
棚が名の通った看板だけで埋まらない理由が、ここにある。知らない名前が混じる。手に取り、値札を見て、また戻す。その往復に時間を使わせる店だ。
宝物という言葉は、大げさな比喩に聞こえるかもしれない。実際に歩くと、順路のない棚の並びがその言葉に合っていた。目当てを買って帰る買い物とは、時間の使い方が違う。
合板の棚に、日本のつくり手が並ぶ
店内は天井が高い。梁がむき出しで、倉庫のような造りだ。壁一面に合板の角棚が続く。ひと区画ずつ道具が置かれ、白い値札が下がる。
中央にはキャスター付きのハンガーラック。Tシャツが並ぶ。その奥に黒いテントが張られたまま置かれ、手前にチェアが一脚。ステンレスの焚き火台とグリル、オリーブ色のハット。右手の棚にはクーラーバッグやギアケース。

什器も合板の箱を積んだものだった。段の高さが揃っていない。そのぶん、下の段をのぞき込む動きが生まれる。
吊り下げ式の黒いメッシュラックが天井から下りている。奥にはステンレスの薪ストーブと鉄鍋。左手にLEDランタン。手前の小さな黒板には、色違いがあることと3,800円の文字。売り場の説明が、印刷物ではなく手書きで置かれている。

大量に積んで売る棚ではない。一点ずつ間を空けて置く。その間隔が、歩く速度を落とす。
鉄の道具が、値札と一緒に置かれている
木のテーブルの上に、金属の道具がまとめて並んでいた。
焼き色の付いた丸い鉄板。中央に向かって色が濃くなり、火が入った跡がそのまま残る。値札は12,800円。隣にハンドル付きの半円形の鉄板。ハンドルは細い金属を曲げたもので、留め具が鉄板に打たれている。
手前には黒い革のカバー。真鍮のホックが二つ光る。青みがかった鉄板のケースには13,000円の値札。奥に虫よけのボトルと、白い鉢の多肉植物。

価格は2026年8月16日の現地表示。同じ品が同じ値で並び続ける保証はない。小さなロットの品が中心と聞いた棚だから、なおさらだ。
見ていて気づくのは、道具の一つひとつに作った人の手つきが残っていること。溶接の跡、曲げの角度、留め具の位置。工場から均一に出てきた顔をしていない。宝物を探す、という言葉の実体はここにあった。
銀色のトレーラーが、水まわりになる
同じ敷地に、RVパークが常設されている。
目印は銀色のキャンピングトレーラー。無塗装のアルミが日を返し、側面に赤と黒のロゴと店名が入る。屋根には空調のユニット。背後は針葉樹の林で、駐車面は木目調のタイル張りだ。

店の方によれば、トイレとシャワールームはこのトレーラーの中にあり、宿泊者へ貸し出しているという。水まわりは建物の外にまとめられている。
運営元の公式案内では、トイレは車室から約20メートル。洋式で男女別、ウォシュレット付き。入口が施錠されているときは、予約時のQRコードが要る。シャワーは利用時間内に限られる。
車室は4つ。枠は縦7.0メートル、横3.5メートル。トレーラーの持ち込みは受け付けていない。火は電気のみ。ペットはリードを使えば同伴できる。
取材で歩いた印象として残ったのは、静けさだった。周囲は林で、敷地の音が遠い。買い物を終えてそのまま夜を待てる場所は、そう多くない。
なお、夜間の様子は今回確認していない。取材は日中のみ。
寄る前に知っておきたいこと
住所は山梨県南都留郡鳴沢村字大棟ノ木2508。中央自動車道の河口湖ICから、店舗公式の案内で10分。RVパーク運営元の案内では約15分と表記が分かれる。時間には余裕を見ておきたい。
| 項目 | 内容(2026年8月16日時点の公式表示) |
|---|---|
| 店舗営業時間 | 月曜〜金曜 10:00〜19:00/土日祝 6:30〜18:00・年中無休 |
| 店舗電話 | 0555-73-8117 |
| RVパーク車室数 | 4車室(縦7.0m×横3.5m・トレーラー不可) |
| 利用時間 | 15:00〜翌日11:00 |
| 料金 | 全日4,800円(税込)から。休前日や繁忙期は変動 |
| 予約 | ネット予約のみ。当日23時まで |
| 設備 | トイレ(洋式・男女別・ウォシュレット有)、シャワー、ゴミ処理可 |
店舗の営業時間は季節で動くと公式に明記がある。RVパークの料金も予約ページで変わる。出発前にもう一度見ておきたい。
最寄りの温浴施設として、運営元は「富士眺望の湯ゆらり」を案内している。買い物、風呂、車中泊。一日の組み立てが作りやすい立地だ。
こういう人は寄る価値がある
決めた品を買いに行く店ではない。棚を端から見て、知らない名前を拾いたい人に向く。
富士山の麓を走る日、買い物のあとにそのまま泊まれる。静かな敷地で、車室は4つ。その日の一台になれる余地がある。




