真夏の車中泊で最初に取り組むべき暑さ対策は、エアコンでも扇風機でもありません。窓から入る熱を、車内に入れる前に跳ね返すことです。順番を間違えて冷却から手を付けると、いくら電力を使っても車内はなかなか涼しくなりません。
その「入口の防衛ライン」を担うのがサンシェードです。ただし、ここで正直にお伝えしなければならないことがあります。サンシェードを付けただけでは、真夏の車内は涼しくなりません。 JAFの実測テストでは、サンシェードを装着しても車内最高温度は50℃に達しました。対策なしの白いボディの車(52℃)と比べて、わずか2℃の差です。
「じゃあ意味がないのか」というと、まったくそうではありません。サンシェードには明確に効く場面と、単独では効かない場面があります。この記事では、まずJAFの公開データをもとに「サンシェードは何に効いて、何に効かないのか」を数字で整理し、そのうえで遮光→換気→冷却という正しい順番を提示します。そして本題である、100均・ホームセンターの材料を使った遮光・断熱サンシェードの自作方法を、素材選び・型取りの手順・夏と冬で変わる使い方・法規上の注意点まで一通り解説します。
なお、換気側(網戸・メッシュカーテン)については姉妹記事「車中泊の網戸を自作する完全ガイド|100均メッシュで夏の虫よけ×換気を両立する作り方と注意点」で、場所選びと電源の観点は「車中泊の暑さ対策はRVパークが近道|電源×場所選びで夏の夜を快適にする完全ガイド」で扱っています。本記事は「窓の遮光・断熱レイヤー」に特化した内容です。
まず数字から:サンシェードは何に効いて、何に効かないのか
JAFユーザーテストの実測値
JAF(日本自動車連盟)が実施した「真夏の車内温度」ユーザーテストは、外気温35℃・晴天のもと、正午から4時間にわたって車内温度を測定したものです。結果は以下のとおりです。
| 条件 | 車内最高温度 | ダッシュボード最高温度 |
|---|---|---|
| 対策なし(黒いボディ) | 57℃ | 79℃ |
| 対策なし(白いボディ) | 52℃ | 74℃ |
| サンシェード装着 | 50℃ | 52℃ |
| 窓開け(3cm) | 45℃ | 75℃ |
| エアコン作動 | 27℃ | 61℃ |
出典:真夏の車内温度(JAFユーザーテスト)|JAF(2012年8月実施、埼玉県戸田市・彩湖道満グリーンパーク駐車場)
この表から読み取れることは、はっきりしています。
サンシェードが劇的に効くのは「ダッシュボードの表面温度」です。 対策なしの白いボディで74℃だったダッシュボードが、サンシェード装着で52℃まで下がっています。その差は22℃。これは直射日光がダッシュボードに当たらなくなったことによる効果で、疑いようがありません。
一方、車内の空気温度への効果は限定的です。 52℃が50℃になっただけ。窓開け3cm(45℃)のほうが、空気温度を下げるという一点においてはサンシェードより効いています。
この数字をどう解釈するか
一見するとサンシェードに失望する数字ですが、解釈を間違えないでください。ポイントは3つあります。
1つ目:このテストは「エンジン停止・締め切り・炎天下4時間駐車」という極端な条件である
車中泊で問題になるのは、多くの場合「日が落ちてから朝まで」の時間帯です。日中の炎天下駐車とは条件が違います。それでも日中に蓄えた熱は夜まで残るため、「昼のうちにどれだけ熱を入れないか」が夜の快適さを左右します。サンシェードは、この蓄熱を抑える役割を担っています。
2つ目:「表面温度が下がる」ことには独立した価値がある
ダッシュボード74℃と52℃では、車内に放出される輻射熱(じわじわとした熱の放射)の量がまったく違います。高温になった内装は、それ自体が巨大な暖房器具のように熱を出し続けます。表面温度を抑えることは、夜間に放出される熱の総量を減らすことに直結します。また、ダッシュボードやハンドル、シートの樹脂・革の劣化を抑えるという実利もあります。
3つ目:サンシェードは「単独で使う道具」ではない
これが最も重要です。JAFのテストは各対策を単独で行った比較です。実際の車中泊では、遮光と換気を組み合わせます。シェードで熱の入口を塞ぎ、同時に換気で溜まった熱を逃がす。 この組み合わせでこそ、それぞれの弱点が補い合います。
結論:遮光→換気→冷却の順番で積む
車中泊の暑さ対策は、次の順番で積み上げるのが定石です。
- 遮光(サンシェード) — 熱を入れない。電力ゼロ。最優先。
- 換気(網戸+窓開け、ベンチレーター、扇風機) — 入ってしまった熱を逃がす。少ない電力で効く。
- 冷却(ポータブルクーラー、車載エアコン) — 残った熱を強制的に下げる。電力を大量に使う。
この順番が重要なのは、1と2を飛ばして3だけやると、冷やしても冷やしても外から熱が入り続けるため、電力を無駄に消費するからです。ポータブル電源の容量には限りがあります。遮光は「電気を使わずに冷却の効率を上げる投資」だと考えてください。逆に言えば、遮光だけで完結させようとすると、JAFのデータが示すとおり50℃の車内が待っています。
なぜ自作するのか:市販品との比較
サンシェードは市販品も豊富にあります。それでも自作が支持されるのには理由があります。
自作のメリット
コストが圧倒的に安い。車種専用設計の市販サンシェードセットは、全窓分で1万円台〜3万円程度になることが珍しくありません。一方、自作なら銀マットとプラダンで全窓分を2,000〜4,000円程度に抑えられるケースが多くあります。
窓の形にぴったり合わせられる。これが機能面で最大の利点です。汎用品は「だいたいのサイズ」で作られているため、窓枠との間に隙間が残ります。遮光・断熱において隙間は致命的です。数ミリの隙間から差し込む直射日光は、想像以上に強い熱と光をもたらします。実寸で型取りする自作なら、この隙間を最小化できます。
車種専用品が存在しない車でも作れる。マイナー車種、旧型車、独自の架装を施したキャンピングカーでは、そもそも専用品が売られていないことがあります。
気軽に作り直せる。材料が安いので、汚れたりカビが生えたり形が合わなくなったりしても、割り切って作り直せます。
市販品のメリット
一方で市販品にも明確な強みがあります。手間がかからず、仕上がりが安定していること。縁の処理や収納性、耐久性は工業製品のほうが優れます。とくに複層構造の高機能シェードや、遮光率・遮熱性能をメーカーが数値で保証している製品は、自作では再現が難しい領域です。
判断の目安としては、こう考えるとよいでしょう。フロントガラス(面積が大きく曲面で、型取りが難しい)は市販品を買い、サイド・リアの平面に近い窓は自作する——というハイブリッドが、コストと手間のバランスとして現実的です。
素材選び:遮光・断熱サンシェードの3つの選択肢

自作サンシェードの性能は、ほぼ素材で決まります。主要な選択肢を整理します。
素材1:銀マット(アルミ蒸着レジャーマット)
100円ショップやホームセンターで手に入る、最も定番の素材です。
仕組み:アルミ蒸着面が日射(赤外線)を反射し、発泡ポリエチレンの層が空気を含んで熱の伝導を遅らせます。つまり反射と断熱の両方を1枚で担える素材です。
メリット:安い。軽い。ハサミやカッターで簡単に切れる。丸めて収納できる。
デメリット:薄いものはコシがなく、窓にはめてもへたって落ちやすい。表面のアルミ層が擦れて剥がれることがある。
選ぶときのポイント:厚みを妥協しないこと。100円ショップの薄手品(1〜2mm)は断熱性もコシも不足しがちです。ホームセンターで売られている4mm以上、できれば8mm前後の厚手品を選ぶと、断熱性能も自立性も大きく向上します。数百円の差で満足度が変わる部分です。
両面アルミか、片面アルミか:両面アルミタイプなら、夏と冬で裏返して使えます(後述)。
素材2:プラダン(プラスチックダンボール)
ポリプロピレン製の中空ボードです。
仕組み:中空構造の空気層が断熱層として働きます。それ自体に反射性能はありません。
メリット:コシがある。窓枠にはめ込むだけで自立するため、吸盤なしで固定できます。水濡れに強く、カビにくい。
デメリット:反射性能がないため、単体では遮熱効果が銀マットに劣ります。丸められないので、収納にかさばります。白や半透明のものは光を透過するため、遮光目的なら黒や濃色を選ぶ必要があります。
素材3:複合構造(プラダン+銀マット)——本命
遮光・断熱性能を最優先するなら、この組み合わせが最も合理的です。
プラダンを骨格(コシ・はめ込み固定)とし、その車外側の面に銀マットやアルミシートを貼る。こうすると、
- 車外側のアルミ層が日射を反射(熱を車内に入れない)
- プラダンの中空層が伝わってきた熱を遮る(断熱)
- プラダンのコシが窓枠へのはめ込み固定を可能にし、隙間を減らす
という三役が同時に成立します。材料費はプラダン1枚(ホームセンターで数百円)+銀マットで、それでも市販の専用品よりはるかに安く済みます。
接着の注意点:プラダンの素材であるポリプロピレン(PP)は、一般的な両面テープが極端に付きにくい素材です。「PP・PE対応」「難接着材対応」と明記された強力両面テープを使ってください。ここをケチると、真夏の車内の高温で剥がれます。
素材4:専用の遮熱・断熱材
ホームセンターやカー用品店で扱われている、建材・自動車用の遮熱シート(アルミ蒸着+発泡層の複合材など)を使う方法もあります。性能は高い傾向にありますが、価格は上がります。予算に余裕があり、長く使いたい場合の選択肢です。
補助材料
- 型取り用:透明・半透明のビニール袋(45〜70Lのゴミ袋)、油性マーカー、霧吹き、マスキングテープ
- 加工用:カッター(刃は多めに折って使う)、大きめのハサミ、金属定規、カッターマット
- 仕上げ用:縁取りテープ(布テープ、ビニールテープ、または縁貼り用のヘリテープ)
- 固定用(はめ込みで足りない場合):吸盤、ハトメ、面ファスナー、強力マグネット
型取りの手順:ここで精度が決まる

自作サンシェードの成否は、型取りの精度が9割です。ここを丁寧にやれば後の作業は楽になり、隙間の少ない高性能なシェードができます。
手順1:ビニール袋を1枚のシートに開く
ゴミ袋の底と片側面をハサミで切り開き、大きな1枚のフィルムにします。窓より一回り大きいサイズが必要です。
手順2:窓ガラスを霧吹きで濡らす
車内側から、対象の窓ガラス全面に霧吹きで水を吹きます。たっぷり濡らして構いません。
手順3:ビニールを貼り付け、空気を抜く
濡らしたガラスにビニールシートを当てると、水の表面張力でぴたりと張り付きます。手のひらで中心から外側へ向かって撫で、空気と余分な水を追い出します。シワが残っていると型がずれるので、ここは丁寧に。動いてしまう場合はマスキングテープで数か所仮止めします。
手順4:窓枠の輪郭を油性マーカーでなぞる
窓枠のゴムモール(ウェザーストリップ)の内側の縁に沿って、油性マーカーで線を引きます。このとき、どちらの窓か・どちらが上か・車内側か車外側かを必ずビニールに書き込んでください。左右対称の窓は後で必ず混乱します。地味ですが、これを怠ると作り直しになります。
手順5:型紙を切り出す
ビニールを剥がし、平らな場所に広げて、引いた線に沿って切ります。
手順6:素材に写して切る
型紙を素材(プラダンや銀マット)の上に置き、輪郭を写します。ここでサイズの調整方針を決めます。
- はめ込み式(プラダン系)にするなら:型紙どおり、あるいは1〜2mm程度小さめに。大きすぎると入りません。素材の弾性を利用して押し込む場合は、型紙どおりか、ほんのわずか大きめが効きます。
- 吸盤式・押し当て式(銀マット系)にするなら:5mm程度大きめに切ると、窓枠に押し込んだときに端が立ち上がって隙間を塞げます。
最初の1枚は大きめに切って、現物合わせで少しずつ削るのが確実です。切りすぎた分は戻せません。
手順7:現物合わせで微調整
実際に窓にはめ、当たる部分を少しずつカットします。1回で決めようとせず、「はめる→当たる箇所を確認→2〜3mm削る→もう一度はめる」を繰り返します。この往復の回数が仕上がりの質になります。
手順8:縁を処理する
切りっぱなしの断面は、内装を傷つけたり、素材が裂ける起点になったりします。ビニールテープや布テープで縁を巻いておくと、耐久性と見た目が一段上がります。プラダンの角は少し丸めておくと安全です。
夏の使い方の鉄則:アルミ面を「車外側」に向ける

自作サンシェードで最も間違えられやすく、そして最も効果に直結するのがこれです。
夏は、アルミ(反射)面を車外側=太陽の側に向けてください。
理由は単純です。反射面の役割は、熱が車内に入る前に跳ね返すことだからです。アルミ面を車内側に向けてしまうと、日射エネルギーはいったん素材に吸収されてから、その熱が車内側に放射されます。入口で止めるはずのものが、車内に熱源を持ち込むことになりかねません。
冬は逆です。車内の暖かさ(人体や暖房が出す輻射熱)を外に逃がしたくないので、アルミ面を車内側に向けると、熱を室内に反射して戻せます。
つまり、両面アルミの素材、または裏返して使える構造にしておくと、夏冬で使い分けられて合理的です。自作するなら、この点を設計段階で織り込んでおきましょう。
もうひとつ、サンシェードは本来「車外側」に取り付けたほうが熱力学的には有利です。窓ガラスそのものを日射から守れるからです。ただし車外設置は、風で飛ばされる・盗難のリスク・走行前後の着脱の手間があるため、車中泊の現実的な運用では車内側設置が主流です。この点は「車内側は妥協である」と理解したうえで、隙間をなくす精度で補うのが現実解です。
隙間対策:ここで性能差がつく
遮光・断熱の性能は、面積の99%を塞いでも、残り1%の隙間で台無しになります。とくに「遮光」——朝日で叩き起こされない、外から中が見えない——という観点では、隙間の有無が決定的です。
チェックすべき隙間
- 窓枠との縁:現物合わせの精度で詰める。どうしても残る箇所は、隙間テープ(すきま風防止用のスポンジテープ)を貼って埋める。
- ドアの窓枠上部のカーブ:型取りで最も狂いやすい箇所。念入りに。
- スライドドアのレール周辺:構造上、完全には塞ぎにくい。
- フロントガラス周辺のピラーとの取り合い:ここは市販の専用品が優秀。
遮光を重視するなら、素材の「透け」も確認してください。半透明のプラダンや薄手の銀マットは、明るい朝日の下では意外に光を通します。プラダンなら黒や濃色、銀マットなら厚手のもの、あるいは黒い布や遮光カーテン生地を車内側に貼り足すと、遮光性が上がります。
法規上の注意点:走行中は絶対に使わない
これは安全と法令遵守の両面で、必ず守ってください。
運転席・助手席の側面ガラス、およびフロントガラスにサンシェードを取り付けた状態での走行は、道路交通法違反となります。 道路交通法第55条第2項は、運転者の視野を妨げる状態での運転を禁じており、違反すると「乗車積載方法違反」として反則金(普通車6,000円)と違反点数1点が科されます。
出典:サンシェード等を付けた状態での運転は交通違反です!|富山県警察
また、道路運送車両の保安基準第29条では、フロントガラスおよび運転者席より前方の側面ガラスについて、可視光線透過率70%以上が求められています(運転者席より後方の部分は対象外)。
整理するとこうなります。
- 前席(フロント・運転席・助手席)のシェード:駐停車中に使うもの。走行前に必ず外す。
- 後席・リアの窓:運転者の視野を妨げない部分であるため、走行中の装着自体が直ちに違反となるものではありません。ただし後方視界を確保する義務は変わらないため、ルームミラーやドアミラーでの後方確認に支障が出ないか、自分の車で必ず確認してください。判断に迷う場合は装着せずに走るのが安全です。
自作品は市販品より「はめ込みが甘くて走行中に落ちてくる」リスクもあります。走行中に視界を遮る位置に落下すれば重大な事故になりかねません。原則、走行前にすべて外す運用が確実です。
保管とメンテナンス:カビと変形を防ぐ
自作サンシェードは、使い方より「しまい方」で寿命が決まります。
濡れたまましまわない。夜間の結露や雨で窓が濡れると、シェードの車内側に水分が付きます。そのまま重ねて収納すると、カビの温床になります。撤収時にサッと拭くか、乾かしてからしまう習慣をつけてください。とくに銀マットの発泡層は一度カビると落としにくい素材です。
プラダンは折らない。折り目を付けると、そこから割れます。平置きで保管するのが基本ですが、車内スペースが限られる場合は、ベッドマットの下やシート背面に立てて収納すると場所を取りません。
炎天下の車内に放置しない。両面テープの接着力は高温で低下します。長期間、真夏の車内に置きっぱなしにすると、アルミ層が剥離することがあります。
枚数と順番を管理する。全窓分を作ると6〜10枚になります。各シェードに窓の名前(「右リア」「左スライド」など)を油性ペンで書いておくと、暗い中での設置が劇的に楽になります。地味ですが、実運用では効きます。
よくある質問
Q. 全部の窓を作るのは大変です。優先順位はありますか?
A. 就寝スペースの窓と、日射が当たる側の窓が最優先です。遮光(外光を遮って眠る)と目隠し(プライバシー)の両方が効く場所だからです。次に面積の大きいフロントガラス(ここは市販品が現実的)。まずは寝る場所まわりから始めて、必要に応じて足していくのが挫折しないコツです。
Q. 銀マットとプラダン、1つだけ選ぶなら?
A. 厚手(4mm以上)の銀マットです。安く、切りやすく、丸めて収納でき、反射と断熱の両方を担えます。ただしコシがないため、吸盤や、窓枠に押し込む前提の「大きめカット」で固定を工夫する必要があります。作業のしやすさを優先するならこちらです。
Q. サンシェードだけで夏の車中泊は乗り切れますか?
A. 乗り切れません。 JAFのデータが示すとおり、サンシェード単独での車内空気温度の低下は限定的です。遮光は「熱を入れない」役割であって、「入った熱を出す」「残った熱を下げる」役割は換気と冷却が担います。遮光→換気→冷却の3層で組み立ててください。標高の高い場所や海沿いなど、そもそも涼しい場所を選ぶことも、電力を使わない強力な対策です。
Q. 予算はどのくらいかかりますか?
A. 素材と枚数によりますが、厚手銀マットのみの構成で全窓2,000〜3,000円程度、プラダン+銀マットの複合構成でも数千円程度に収まるケースが多いようです。車種・窓の枚数・素材のグレードで変動するため、まずは1枚試作して、そのコストから逆算するのが確実です。
Q. 不器用でも作れますか?
A. 型取りさえ丁寧にやれば、あとは「線に沿って切る」だけです。難しいのは技術ではなく根気(現物合わせの往復)です。1枚目に時間をかけて手順を体で覚えれば、2枚目以降は驚くほど速くなります。
まとめ:遮光は「電気を使わない冷却」への投資
最後に要点を整理します。
- JAFの実測では、サンシェード装着時の車内最高温度は50℃(対策なし・白ボディで52℃)。車内空気温度への単独効果は限定的。
- 一方、ダッシュボード表面温度は74℃→52℃と22℃低下。輻射熱の抑制と内装の保護には明確に効く。
- したがってサンシェードは単独完結の道具ではなく、遮光→換気→冷却の第1層として使う。遮光を省くと、冷却に使う電力を無駄に消費する。
- 自作の利点はコストと、窓にぴったり合わせられること。遮光・断熱では隙間が性能を殺すため、実寸型取りの精度が最大の武器になる。
- 素材は、厚手(4mm以上)の銀マットが入門の最適解。性能を突き詰めるならプラダン+銀マットの複合(接着はPP対応の強力両面テープ必須)。
- 夏はアルミ面を車外側へ、冬は車内側へ。両面使える設計にしておくと通年で使える。
- 前席のシェードは駐停車中専用。装着したままの走行は道路交通法第55条第2項違反(反則金6,000円・1点)。
- 濡れたまましまわない。カビが自作シェードの最大の敵。
サンシェードの自作は、数千円と半日の手間で、夏の車中泊の土台をつくる作業です。派手な効果を約束するものではありませんが、ポータブル電源の残量と睡眠の質を、静かに、確実に底上げしてくれます。この夏の1泊目の前に、まずは寝る場所の窓1枚から始めてみてください。
参考・出典
- 真夏の車内温度(JAFユーザーテスト)|JAF
- 車内の環境(車内温度/紫外線/空調)(JAFユーザーテスト)|JAF
- サンシェード等を付けた状態での運転は交通違反です!|富山県警察
- 運転席・助手席のサンシェードは道交法違反!?|ウェザーニュース
- 【DIY】ハイクオリティーな車中泊用シェードの作り方|Hondaキャンプ
- 遮熱・断熱材を使った車のサンシェード(日よけ)自作方法|DIYラボ
※本記事の温度データはJAFが2012年8月に実施したユーザーテストの公開値です。車種・ボディカラー・駐車環境により実際の温度は変動します。材料の価格は目安であり、購入時期・店舗により異なります。