キャンピングカー専門店のトイファクトリーが、トヨタ・ハイエースをベースにしたキャンピングカー 「ZARA(ザラ)」を約10年ぶりに復活させました。2026年7月11日(土)・12日(日)に東京ビッグサイトで開催された「東京キャンピングカーショー2026」で初公開され、同イベントに合わせて販売がスタートしています。

ZARAは2011年に登場し、ハイエースのワイドミドルボディをベースにした「ワゴンキャンパー」としてファミリー層の支持を集めたモデルです。しかし保安基準の改正を受けて2016年10月末に販売を終了。以来、中古市場でも指名買いが続く”伝説のモデル”でした。

ただ、今回の新型ZARAは「10年前と同じクルマが戻ってきた」わけではありません。ナンバー区分も、乗車定員も、電装の考え方も、初代とはまったく別物です。ここを理解しないまま「あのZARAが帰ってきた」と受け取ると、実車を見たときに戸惑うことになります。

この記事では、2026年8月7日時点で公表されている一次情報(トイファクトリー公式サイト・プレスリリース・関連メーカー公式)をもとに、新型ZARAのスペックと価格構造初代ZARAとの世代比較ハイエース供給問題との関係、そして「このサイズは本当に扱いやすいのか」という現実的な検証までをまとめます。購入検討の一次資料として活用してください。

> ※本記事は2026年8月7日時点の公表情報に基づきます。価格・仕様・装備・納期は変更される可能性があります。実際の購入・契約にあたっては、必ずトイファクトリーの公式サイト・担当営業および正規販売店の最新情報をご確認ください。

この記事の速報ポイント(3行まとめ)

  • 新型ZARAは2026年7月11日、東京キャンピングカーショー2026で初公開・販売開始。標準架装費は4,680,000円(税込)〜で、車両代は別途(2026年8月時点の公式表示)。
  • ベース車はハイエース バン スーパーGL「ロング・ワイド・ミドルルーフ」。8ナンバー・乗車5名/就寝2名(オプションで最大4名)。初代の「3ナンバー・10人乗りワゴンキャンパー」とは設計思想からして別物。
  • 最大の目玉はアルパイン製「DCクーラーECOシステム」の標準装備。1,408Whの専用バッテリーを含むパッケージで、エンジン停止中の冷房を前提にした構成になっている。

新型ZARA 基本スペック早見表

まず、公表されている数値を1か所にまとめます。以下はいずれも2026年8月7日時点でトイファクトリー公式サイト(ラインナップページ・ニュースページ)およびプレスリリースに掲載されている公表値です。

項目内容
モデル名ZARA(ザラ)
ビルダー株式会社トイファクトリー(岐阜県可児市瀬田800-1)
ベース車両トヨタ ハイエース バン スーパーGL ロング・ワイド・ミドルルーフ
ベース車グレード展開スーパーGL/スーパーGL DARK PRIME Ⅱ/スーパーGL アースカラーパッケージ
全長×全幅×全高4,840mm × 1,880mm × 2,105mm
全高(MAXXFAN搭載時)2,250mm
室内高1,390mm
乗車定員5名(セカンドシート3名掛け)
就寝定員2名(オプション追加マットで最大4名)
エンジン2.7L ガソリン/2.8L ディーゼル
トランスミッション6AT
駆動方式2WD/4WD
登録区分8ナンバー(キャンピング車)
必要免許普通免許
ハンドル
標準架装費4,680,000円(税込)〜 ※車両代別
発表日2026年7月9日(公式ニュース)/7月10日(プレスリリース)
発売・初公開2026年7月11日(土)・12日(日)東京キャンピングカーショー2026

> 出典:トイファクトリー公式ラインナップページ「ZARA」/公式ニュース「【新型速報】伝説のハイエースキャンピングカー『ZARA』現代仕様で新登場!」/PR TIMESプレスリリース(2026年7月10日)。数値はいずれも2026年8月7日時点の公表値。

ベッドサイズ

ベッドサイズ(最大時)就寝
リヤ上段ベッドL1,760mm × W1,260mm大人2名
リヤ下段ベッドL2,210mm × W1,200mm大人2名

> 注:プレスリリースでは2段ベッド構成時の数値として「上段 最大1,260×1,620mm/下段 最大2,260×1,200mm」という別表記も確認できます。マットの組み方によって実寸が変わる設計と考えられるため、正確な寸法は実車または販売店で要確認です。本記事では公式ラインナップページの表記を主として掲載しています。

標準装備/オプション装備

区分装備
標準装備アルパイン製 DCクーラーECOシステム(専用バッテリーシステム1,408Wh付属)/40L冷凍冷蔵庫(上蓋式・-15℃対応)/電子レンジ/シンク(シャワーホース付き・外部シャワー対応)/給排水タンク各13L/100Vコンセント/上部収納/リヤラゲッジ/ウォーターレストイレ「clesana X1」専用収納スペース/助手席背面サポートクッション/センターコンソール/ワンちゃんマット
オプション装備FFヒーター/薄型フレキシブルソーラーパネル(最大200W)/大型ルーフベンチレーター MAXXFAN/追加ベッドマット3枚(2段ベッド化)/エキストラバッテリー(1,408Wh)/サイドオーニング3.0m/clesana X1 本体

初代ZARAとは何だったのか|2011年登場、2016年に消えた理由

初代ZARA(2011〜2016)と新型ZARA(2026〜)を9項目で比較した世代比較表の図解。ベース車は初代がハイエース ワイドミドル(ワゴン)、新型がハイエース バン スーパーGL ロング・ワイド・ミドルルーフ。登録区分は3ナンバーから8ナンバー(キャンピング車)へ、乗車定員は最大10名から5名へ、就寝定員は追加マットで家族5名規模から2名(オプションで最大4名)へ変化。コンセプトは大人数を運ぶワゴンキャンパーから少人数で快適に過ごすバンコンへ、冷房は車両標準(走行中前提)からDCクーラーECOシステム標準(停車中前提)へ、電装は公表資料に明確な記載なしから1,408Whリチウム系バッテリー標準へ、トイレは標準構成としての公表なしからclesana X1専用収納スペースへ。初代は2016年10月末に保安基準改正で終売、新型は2026年7月11日販売開始。車両の外観・意匠を表す画像ではない。

新型を理解するには、まず初代を押さえる必要があります。ここが世代比較の肝です。

初代ZARAは「ワゴンキャンパー」だった

初代ZARAは2011年に登場しました。ベースはハイエースのワイドミドルボディ——ここは新型と共通です。しかし決定的に違うのが、バン(貨物)ではなくワゴンをベースにした「ワゴンキャンパー」であり、乗車定員が最大10名登録は3ナンバーだった点です。

トイファクトリー公式ブログの当時の紹介では、前向き5人乗り+横座り席という構成で、追加のベッドマットを装備すれば2段ベッド化でき、両親と子ども3人といったファミリー就寝にも対応できるモデルとして紹介されています。週末の少年野球の遠征、家族旅行、大人数の移動——「人を運べるキャンピングカー」という立ち位置が初代ZARAの正体でした。

キャンピングカーとしては珍しく、「大人数が乗れること」が最大の武器だったわけです。これがファミリー層から強く支持された理由であり、いまも中古市場で名前が出続ける理由でもあります。

販売終了の理由は「保安基準の改正」

その初代ZARAが2016年10月末で販売終了となった理由は、トイファクトリー公式ブログ(2016年10月23日付)に明記されています。

> 「横座り座席を有する3ナンバー登録10人乗りワゴン車は2017年7月22日以降、登録することができなくなります」

国土交通省の保安基準改正により、横座り座席を持つ3ナンバー10人乗りワゴン車の新規登録ができなくなる——これに伴い、同社のワゴンキャンパーZARAも2016年10月末で販売終了となった、という説明です。つまり売れなかったから消えたのではなく、法制度の側が変わったために作れなくなったモデルでした。

「ファイナルエディション」の受注も、注文が集中したため予定より早く終了する見込みであることが同記事で告知されています。人気のまま終わったモデルだったということです。

初代と新型の世代比較

10年を挟んだ2世代を並べると、性格の変化がはっきりします。

比較項目初代ZARA(2011〜2016)新型ZARA(2026〜)
ベースハイエース ワイドミドル(ワゴンハイエース バン スーパーGL ロング・ワイド・ミドルルーフ(バン
登録区分3ナンバー8ナンバー(キャンピング車)
乗車定員最大10名5名
就寝定員追加マットで家族5名規模に対応2名(オプションで最大4名)
コンセプト大人数を運べるワゴンキャンパー少人数で快適に過ごすバンコン
冷房車両標準(走行中前提)DCクーラーECOシステム標準(停車中前提)
電装※公表資料に明確な記載なし1,408Whリチウム系バッテリーシステム標準
トイレ※標準構成としての公表なしclesana X1 専用収納スペースを確保
販売終了/開始2016年10月末 終売(保安基準改正)2026年7月11日 販売開始

> 初代の仕様は、トイファクトリー公式ブログの当時の掲載内容に基づく整理です。当時のカタログスペック(寸法・装備の詳細)は現在公開されていないため、公表が確認できない項目は「記載なし」としています。

要点は「多人数輸送」から「少人数の滞在品質」へと軸足が移ったことです。乗車10名→5名は一見スペックダウンに見えますが、法制度上そもそも同じ形は作れません。そのうえで、限られた室内をどう快適な生活空間にするかへ設計思想が切り替わったのが新型ZARAです。同じ名前ですが、買う理由が別物になっていることは理解しておく必要があります。

新型ZARAの注目ポイント5つ

1. アルパイン「DCクーラーECOシステム」を標準装備

新型ZARA最大のトピックが、アルパイン製の車載専用「DCクーラーECOシステム」を標準装備していることです。

このシステムは、アルパインが公表している仕様によると次のような構成・性能です。

項目内容(アルパイン公表値)
システム名の由来E:Energy/C:Clean/O:all in One の3要素
冷房能力2.6kW
消費電力970W(MAX)
構成室内ユニット+室外ユニット+専用ポータブル電源+配管・接続ケーブル類
専用電源容量1,408Wh
稼働時間の目安最大10時間(外気温28℃・冷房24℃設定・断熱施工車での参考値)
拡張時別売バッテリー連結で最大2,816Wh・最大20時間
参考価格(単体購入時)基本パッケージ CLP-DCC01 693,000円(税込)/ハイエース用パッケージ CLP-DCC01-HI 792,000円(税込)

> 出典:アルパイン公式製品ページ(2026年8月7日時点)。稼働時間はメーカーが条件付きで示す参考値であり、実際の使用環境(外気温・日射・断熱施工・設定温度・開閉頻度)によって大きく変動します。

ここで押さえておきたいのは、この装備が単体で購入すると70万〜80万円規模のパッケージだという点です。ZARAの標準架装費468万円(税込)〜という数字は、この冷房システム+1,408Whのバッテリーを含んだうえでの金額ということになります。後付けでポータブルクーラーや電装を足していく場合との比較では、この点を差し引いて考える必要があります。

なお、当メディアではポータブルクーラーやパーキングクーラーの後付け費用も検証しています。「標準装備で買うか、後から足すか」を比べたい方は、パーキングクーラー後付けの費用は総額60万〜100万円もあわせてご覧ください。

2. ベッドマットの共通化と「2段ベッド化」

新型ZARAは、リヤのベッドマットを上下段で共通サイズとし、旅のスタイルに合わせて組み替えられる設計を採用しています。

  • 上段ベッドのみで使う:ベッド下に大型ラゲッジスペースが生まれ、自転車やギアの積載に振れる
  • 下段ベッドで使う:室内高を確保した状態で就寝でき、天井までの圧迫感が減る
  • オプションの追加マット3枚で2段ベッド化:就寝定員を最大4名まで拡張できる

初代ZARAも「追加ベッドマットで2段ベッド化できる」ことがファミリー支持の理由でした。この2段ベッド化というDNAは新型にも引き継がれているわけです。ここは名前を継いだ意味がしっかり出ているポイントといえます。

3. ウォーターレストイレ「clesana X1」に正式対応

新型ZARAは、ウォーターレス・ラップ式トイレ「clesana X1(クレサナ エックスワン)」の専用収納スペースを室内に確保しています(本体はオプション扱い)。

clesanaは、トイファクトリーが日本総代理店を務めるスイス発のトイレブランドで、水を使わず、排泄物をフィルムで熱溶着して個別に密封する方式が特徴です。公表されている仕様は以下の通りです。

項目内容(clesana公式・2026年8月7日時点)
本体価格198,000円(税込)
収納時サイズH302mm × W344mm × D384mm
使用時高さH407mm(フタを開けた状態でH760mm)
座面高約41cm(家庭用トイレに近い高さ)
電源DC11〜28V/AC100V/18Vバッテリー
フィルムライナー1本あたり平均41回・最大56回使用可能

バンコンで最後まで残る不満が「トイレをどうするか」です。カセットトイレは汚水処理(ダンプステーション)が必要で、ポータブルトイレは臭気が課題になりがちでした。車格の限られたワイドミドルサイズで、置き場所まで含めてトイレを設計に織り込んだ点は、新型ZARAの実用面での大きな進化といえます。

4. 「引き算」で作られたダイニング空間

新型ZARAのレイアウトは、前方にセカンドシート・テーブル・キッチンを配置し、後方をラゲッジ/ベッドスペースとする構成です。

特徴的なのが、フロントシートの背もたれを前に倒してセカンドシートと向かい合わせにすることで、対面ダイネットを構成できる点です。回転式フロントシートを備えた欧州製バンコンに近い使い方を、ハイエースのワイドミドルというサイズで成立させています。

キッチンには冷蔵庫・電子レンジ・クーラーが収まる家具を標準で組み込み、両開きのバックドア側からは給排水タンクの出し入れが可能。車外からキッチンスペースをカウンターのように使える動線も確保されています。屋外調理を前提にした設計で、テント泊やタープを併用するスタイルとも相性が良い作りです。

限られた室内で装備を「盛る」のではなく、必要なものを絞って生活動線を広く取る——という設計方針が、新型ZARAの居住空間の基本になっています。

5. ソーラー・FFヒーター・MAXXFANはオプション

電装と換気・暖房まわりは、標準とオプションの線引きを正確に理解しておく必要があります。

  • 標準:DCクーラーECOシステム+専用バッテリー1,408Wh
  • オプション:薄型フレキシブルソーラーパネル(最大200W)/エキストラバッテリー(1,408Wh・合計2,816Wh化)/FFヒーター/MAXXFAN/サイドオーニング3.0m

つまり、「夏の停車中の冷房」は標準で押さえられている一方、「冬の暖房(FFヒーター)」と「電力の自給(ソーラー)」はオプションという構成です。通年で使うつもりなら、この2つを足した見積もりで検討すべきということになります。

なお、MAXXFANを装着すると全高が2,105mm→2,250mmへ約145mm高くなる点は、後述する駐車場問題に直結します。装着の可否は「換気が欲しいか」だけでなく「どこに停めるか」で判断すべき項目です。ルーフベント後付けの一般的な費用感は車中泊の換気は「天井の排気」で決まるで解説しています。

価格の読み方|「標準架装費468万円〜(車両代別)」とは何か

新型ZARAの「標準架装費468万円〜」に含まれない費用を整理した図解。乗り出し総額は4つの費目の合計になることを示し、(1)ベース車両本体=トヨタ販売店へ支払い、グレード・エンジン・駆動方式で変動(本記事では推定額を掲載しない)、(2)標準架装費=トイファクトリーへ4,680,000円(税込)〜、(3)オプション架装費=FFヒーター/ソーラー/MAXXFAN/オーニング/追加バッテリー/追加マット、(4)諸費用・登録費用=税・保険・登録費用など、と費用構造を示している。車両の外観・意匠を表す画像ではない。

新型ZARAの価格表示は、キャンピングカーとしてはやや珍しい形になっています。

公式表示は「架装費のみ」

トイファクトリー公式ラインナップページのZARAの価格表記は、2026年8月7日時点で次のとおりです。

> 標準架装費(車両代別)4,680,000円(税込)〜

つまりこの468万円は、ベース車両(ハイエース)の代金を含まない、架装だけの金額です。実際に乗り出すまでには、これに以下が加わります。

費用項目支払先備考
ベース車両本体価格トヨタ販売店グレード(スーパーGL/DARK PRIME Ⅱ/アースカラーパッケージ)、エンジン(2.7ガソリン/2.8ディーゼル)、駆動方式(2WD/4WD)で変動
標準架装費トイファクトリー4,680,000円(税込)〜
オプション架装費トイファクトリーFFヒーター/ソーラー/MAXXFAN/追加バッテリー/追加マット/オーニング等
諸費用・登録費用等各所税・保険・登録費用など

本記事ではベース車両価格の推定額は掲載しません。 ハイエースバンの車両本体価格はグレード・仕様・年次改良によって変動し、2026年8月7日時点で本記事が一次情報として確認できた公表価格がないためです。総額を知りたい場合は、トヨタ販売店とトイファクトリーの両方で見積もりを取るのが唯一確実な方法です。

なぜ「車両代別」表示なのか|持ち込み架装との関係

この表示方法を理解するには、直前に起きた出来事を押さえる必要があります。

トイファクトリーは2026年7月1日から、ハイエースベースのキャンピングカーの新規受注方式を「持ち込み架装」へ一時変更しました。ベース車両の調達をビルダーが行う従来方式から、ユーザー自身がトヨタ販売店でベース車を購入し、それをビルダーへ持ち込む方式へ切り替えたものです。理由は、同社がベース車として使う「ハイエース キャンパー特装車」が2026年6月末時点でも全国的に納期未定・供給見通し不透明な状況が続いていること、と公式に説明されています。

ここで重要なのが、プレスリリースで持ち込み架装の対象として明示されたのは BADEN/CORDOBA CRUISE/GT/BALEIA の4モデルであり、ZARAはその公表リストに含まれていないという事実です。

そして、この4モデルはいずれもスーパーロング・ワイドボディ・ハイルーフ系をベースとするモデルです。公式説明でも「特にスーパーロング・ワイドボディ・ハイルーフ系は供給が限定的」と、影響がこのボディに集中していることが述べられています。

> 編集部の見方:新型ZARAが採用した「ロング・ワイド・ミドルルーフ」は、供給がひっ迫していると公式が名指ししたスーパーロング・ハイルーフとは別のボディタイプです。供給の詰まっていないボディを土台に選んだモデルを新規投入した——という読み方は成り立ちます。ただし、ZARAの受注方式(一貫架装か持ち込み架装か)についてトイファクトリーが個別に公表した情報は、2026年8月7日時点で本記事では確認できていません。「架装費のみ」の価格表示になっている以上、実際にどちらの方式になるかは必ず販売店に直接確認してください。

持ち込み架装そのものの手順・注意点は、トイファクトリーが「持ち込み架装」へ移行|2026年7月1日からのハイエース受注方式変更で詳しく解説しています。ディーラーで契約する前にビルダーへ相談するという順番が極めて重要になるため、購入検討中の方は必ず目を通してください。

サイズ検証|全高2,105mmは本当に「扱いやすい」のか

新型ZARAの全高2,105mmと立体駐車場の高さ制限の関係を検証した図解。高さ制限1,550mm級(機械式に多い)は標準・MAXXFAN装着ともに入れない、2,100mm級(自走式に一定数)は標準でも5mm超過で入れない、2,300mm級以上なら標準は入る可能性が高いがMAXXFAN装着時(全高2,250mm)は余裕が約50mmしかなく要確認、と示す。参考としてハイエースのボディ別寸法(標準ボディ標準ルーフ4,695×1,695×1,980mm、新型ZARAのワイドミドル4,840×1,880×2,105mm、スーパーロング・ワイド・ハイルーフ5,380×1,880×2,285mm)を併記している。車両や施設の外観を表す画像ではない。

新型ZARAの報道では「立体駐車場にも配慮した扱いやすいボディサイズ」という表現が使われています。ここは誤解が生じやすいので、実数で検証します。

ハイエース各ボディとの比較

ボディタイプ全長全幅全高
ロング・標準ボディ・標準ルーフ4,695mm1,695mm1,980mm
ロング・ワイドボディ・ミドルルーフ(=新型ZARA)4,840mm1,880mm2,105mm
スーパーロング・ワイドボディ・ハイルーフ5,380mm1,880mm2,285mm

> ハイエースバンのボディタイプ別寸法。グレード・年式・仕様により細部が異なる場合があります。

スーパーロング・ハイルーフと比べると、全長で540mm短く、全高で180mm低い。この差は、狭い道での取り回し、都市部の駐車場、フェリーの車両区分などに直接効いてきます。「扱いやすい」という表現自体は妥当です。

ただし「立体駐車場に入る」わけではない

一方で、注意すべき点があります。

  • 高さ制限1,550mm級(機械式立体駐車場に多い)→ 入れません
  • 高さ制限2,100mm級(自走式立体駐車場に一定数ある)→ 2,105mmのため入りません(5mm超過)
  • 高さ制限2,300mm級以上 → 入る可能性が高い
  • MAXXFAN装着時(2,250mm)2,300mm制限でも余裕は50mm程度。看板表示と実際の梁の高さが異なるケースもあるため、慎重な判断が必要

つまり「立体駐車場に配慮」は、スーパーロング・ハイルーフ(2,285mm)と比べれば選択肢が広がる、という相対的な話として理解するのが正確です。「一般的な立体駐車場に問題なく入る」という意味ではありません。

購入前に、自宅・職場・よく行く商業施設の駐車場の高さ制限を実際に確認しておくことを強くおすすめします。とくにMAXXFANをオプション装着する場合、この145mmの差が停められる場所の数を目に見えて減らす可能性があります。

8ナンバー登録の意味

新型ZARAは8ナンバー(キャンピング車)登録です。初代の3ナンバーから区分が変わっています。8ナンバーは車検サイクル・自動車税の課税方式が乗用車と異なり、また一部の駐車場やフェリー料金の扱いにも影響します。区分の違いによる維持費の考え方は、キャンピングカーの8ナンバーと3ナンバーの違いは「税率」ではなく「課税のものさし」で整理しています。

同クラスのライバルはどこか|ハイエース・ワイドミドル勢との比較

新型ZARAと同じボディサイズ帯を選んだモデルとして、当メディアが取材・整理してきた中ではレクビィの創業40周年記念モデル「MRカランタ」が比較対象になります。

比較項目トイファクトリー ZARAレクビィ MRカランタ
ベース車ハイエース バン スーパーGL ロング・ワイド・ミドルルーフハイエース ワゴンGL ロング(ワイドボディ・ミドルルーフ)
全長×全幅×全高4,840×1,880×2,105mm4,840×1,880×2,100mm
乗車定員5名5名
就寝定員2名(オプションで最大4名)2名
冷房アルパイン DCクーラーECOシステム(標準)家庭用エアコン(標準)
サブバッテリー1,408Wh(オプションで2,816Wh)300Ah リチウムイオン
価格表示標準架装費 4,680,000円(税込)〜/車両代別完成車価格 679万8,000円(税込)〜(発表時・ガソリン2WD)

> ZARAは2026年8月7日時点のトイファクトリー公表値、MRカランタは当メディアが2026年7月に整理したレクビィ公表値(発表時価格)に基づきます。MRカランタの価格は掲載媒体・時期により異なる表示が確認されています。

注意すべきは、価格表示の土台が違うことです。ZARAは「架装費のみ・車両代別」、MRカランタは「完成車価格」。この2つの数字を直接引き算して比較することはできません。ZARAの総額を出すにはベース車両価格を加える必要があります。

キャラクターの違いも明確です。

  • ZARA:バンベース。DCクーラー+1,408Whのパッケージで「エンジン停止中の冷房」を標準化。トイレの置き場所まで設計に織り込み、屋外との動線を重視した「引き算」のレイアウト
  • MRカランタ:ワゴンベース。300Ahリチウムと家庭用エアコンで電装を厚く取る方向

同じサイズの箱でも、電装を厚くして家庭用エアコンを動かすか、専用設計のDCクーラーで効率良くまとめるかという思想の違いがあります。MRカランタの詳細はレクビィ創業40周年記念モデル「MRカランタ」とはで解説しています。

新型ZARAが向いている人/向いていない人

公表スペックから読み取れる範囲で整理します。

向いている人

  • 夫婦2名・大人2名の旅がメインで、就寝は2名あれば足りる人
  • スーパーロング・ハイルーフは大きすぎると感じている人(全長4,840mm・全高2,105mmは日常使いとの両立がしやすいサイズ)
  • 夏の停車中の冷房を最優先したい人(DCクーラーECOシステムが標準)
  • 車内トイレの置き場所に悩んでいる人(clesana X1の専用収納スペースあり)
  • 子どもを含めて最大4名の就寝を、必要なときだけ確保したい人(追加マットで2段ベッド化)
  • 屋外調理・タープ併用のスタイルを好む人(車外からキッチンにアクセスできる動線)

向いていない人・要検討の人

  • 初代ZARAのような多人数乗車を求めている人:新型は乗車5名です。10人乗りは保安基準改正により、そもそも現在は作れません
  • 高さ制限2.1mの駐車場を日常的に使う人:2,105mmは入りません。MAXXFAN装着時は2,250mmとさらに厳しくなります
  • 冬の車中泊を主戦場にする人:FFヒーターはオプションです。予算に必ず織り込んでください
  • 常設ベッドで「畳まずに寝たい」人:マットの組み替え前提の設計です
  • 総額の上限が明確に決まっている人:「架装費468万円〜」は車両代を含みません。まず両方の見積もりを取ってから判断すべきです

購入検討時に確認すべきチェックリスト

新型として登場したばかりのモデルであり、公表情報だけでは判断しきれない項目があります。販売店で確認すべきポイントを挙げます。

確認項目確認する理由
受注方式(一貫架装か持ち込み架装か)ZARAは持ち込み架装の公表対象4モデルに含まれていないが、価格が「車両代別」表示のため要確認
ベース車両の納期ハイエースの供給状況は2026年6月末時点で「不透明」と公式説明あり。ボディタイプで状況が異なる可能性
ベース車のグレード・必須メーカーオプション架装可否を左右する条件がある。ディーラーで契約する前にビルダーへ相談すること
ベッドマットの実寸公式ラインナップページとプレスリリースで表記が異なる。実車で採寸するのが確実
DCクーラーの実稼働時間メーカー参考値は「外気温28℃・断熱施工車」の条件付き。真夏の実使用時間を販売店に確認
オプション込みの総額FFヒーター+ソーラー+MAXXFAN+追加マットまで入れると架装費は大きく変わる
全高(MAXXFAN装着有無)2,105mmか2,250mmかで停められる駐車場が変わる
clesana X1のランニングコスト本体198,000円+フィルムライナーの消耗費(1本あたり平均41回)

よくある質問(FAQ)

Q. 新型ZARAはいくらで買えますか?

公式表示は標準架装費4,680,000円(税込)〜、車両代は別途です(2026年8月7日時点)。乗り出し総額は、これにハイエースの車両本体価格・オプション架装費・諸費用を加えた金額になります。本記事では確認できる一次情報がないため車両価格の推定額は示していません。トヨタ販売店とトイファクトリーの双方で見積もりを取ってください。

Q. 初代ZARAのように10人乗れますか?

乗れません。 新型の乗車定員は5名です。初代の「横座り座席を有する3ナンバー10人乗りワゴン」という構成は、2017年7月22日以降の保安基準改正により新規登録ができなくなっており、同じ形を再現すること自体が制度上不可能です。

Q. 就寝は最大何名まで可能ですか?

標準で2名、オプションの追加ベッドマット3枚を装着して2段ベッド構成にすると最大4名です。

Q. エンジンを止めたままエアコンは使えますか?

新型ZARAが標準装備するアルパイン「DCクーラーECOシステム」は、専用ポータブル電源(1,408Wh)で駆動する構成で、エンジン停止中の使用を前提に設計されています。メーカー公表の稼働時間の目安は最大10時間(外気温28℃・冷房24℃設定・断熱施工車での参考値)。ただしこれは条件付きの参考値であり、猛暑日・直射日光下・ドアの開閉が多い状況では短くなります。長時間の使用を想定するなら、エキストラバッテリー(1,408Wh追加で合計2,816Wh)とソーラーパネル(最大200W)の追加を検討すべきです。

Q. トイレは標準で付いていますか?

専用収納スペースは標準、本体はオプションです。対応するのはウォーターレストイレ「clesana X1」(本体198,000円・税込/2026年8月7日時点)。水を使わずフィルムで密封する方式で、汚水タンクの処理施設を探す必要がありません。

Q. 立体駐車場に停められますか?

高さ制限次第です。 全高2,105mmのため、1,550mm級の機械式立体駐車場と2,100mm級の駐車場には入りません。2,300mm級以上であれば入る可能性が高いですが、MAXXFANを装着すると2,250mmになり余裕が減ります。よく使う駐車場の実際の高さ制限を必ず事前に確認してください。

Q. 冬も使えますか?

使えますが、FFヒーターはオプションです。標準構成のままでは車載暖房が付きません。通年利用を前提にするなら見積もりに必ず含めてください。秋冬の装備の考え方は秋の車中泊の寒さ対策|9月・10月に「FFヒーターは要るのか」問題も参考になります。

Q. 実車はどこで見られますか?

初公開の場となった東京キャンピングカーショー2026(2026年7月11日〜12日/東京ビッグサイト)はすでに終了しています。現在は各展示場・イベントでの確認が中心になります。トイファクトリーは自社主催イベント「トイキャン2026」を2026年11月21日〜22日に開催予定と公式に告知しているほか、岐阜本店をはじめとする各拠点で新型モデルの展示が進んでいます。展示車の有無・所在は必ず事前に問い合わせてください。

Q. 4WDは選べますか?

公式ラインナップページのスペック表では2WD/4WDの両方が記載されています(2026年8月7日時点)。エンジンも2.7Lガソリンと2.8Lディーゼルの両方が記載されています。組み合わせの可否・価格差は販売店で確認してください。

まとめ|「名前は同じ、中身は別物」の10年ぶり復活

新型ZARAのポイントを整理します。

  1. 2026年7月11日、東京キャンピングカーショー2026で初公開・販売開始。標準架装費4,680,000円(税込)〜、車両代は別途
  2. ベースはハイエース バン スーパーGL ロング・ワイド・ミドルルーフ。4,840×1,880×2,105mm、室内高1,390mm、8ナンバー、乗車5名/就寝2名(オプションで最大4名)
  3. アルパイン「DCクーラーECOシステム」+1,408Whバッテリーを標準装備。エンジン停止中の冷房を前提にした構成
  4. 初代(2011〜2016)は3ナンバー・最大10人乗りのワゴンキャンパー。保安基準改正で終売しており、新型は同じ名前でも設計思想がまったく異なる
  5. 「立体駐車場に配慮」は相対的な話。2,105mm(MAXXFAN装着時2,250mm)で入れない駐車場は多い。事前確認が必須
  6. FFヒーター・ソーラー・MAXXFANはオプション。通年利用なら見積もりに織り込むこと

初代ZARAが持っていた「大人数を運べる」という価値は、法制度の変化により再現できません。その代わり新型は、限られたワイドミドルというサイズの中で、夏の冷房・トイレ・就寝の可変性という現代のバンコンに求められる要素を標準側に寄せてきたモデルです。

ハイエースの供給がひっ迫し、スーパーロング・ハイルーフ系が持ち込み架装へ移行するという厳しい状況下で、あえて別ボディの新型を投入したという文脈も含めて、2026年後半のバンコン市場を象徴する1台といえます。

購入を検討する場合は、「架装費と車両代は別」「受注方式を必ず確認」「オプション込みの総額で判断」——この3点を押さえたうえで、販売店で実車と見積もりを確認することをおすすめします。

出典・参考

  • トイファクトリー公式サイト「ZARA」ラインナップページ https://toy-factory.jp/lineup/zara/
  • トイファクトリー公式ニュース「【新型速報】伝説のハイエースキャンピングカー『ZARA』現代仕様で新登場!」(2026年7月9日)https://toy-factory.jp/news/p75241/
  • 株式会社トイファクトリー プレスリリース「【10年ぶり復活】伝説のハイエースキャンピングカー『ZARA』現代仕様で新登場!」(2026年7月10日・PR TIMES)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000107958.html
  • トイファクトリー公式ブログ「ZARAファイナルエディション受注を早期終了致します。」(2016年10月23日)https://toy-factory.jp/blog/p1881/
  • トイファクトリー公式ブログ「ZARAって、どんな感じの車両ですかぁ?」https://toy-factory.jp/blog/p112/
  • トイファクトリー公式ニュース「【重要】ハイエースキャンピングカー|新規受注形式の一時変更(持ち込み架装)に関するお知らせ」https://toy-factory.jp/news/p74974/
  • 株式会社トイファクトリー プレスリリース「ハイエースキャンピングカーの新規受注方式を一時変更。持ち込み架装方式へ移行。」(PR TIMES)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000120.000107958.html
  • アルパイン公式「車載専用 DCクーラーECOシステム」 https://www.alpine.co.jp/products/carlifeplus/dccooler/top
  • アルパイン公式「車載専用 DCクーラーECOシステム用 ポータブル電源 PTB-PS1500」 https://www.alpine.co.jp/products/carlifeplus/PTB-PS1500
  • clesana Japan公式 https://clesana-japan.jp/ / クレサナ オンラインショップ https://shop.clesana-japan.jp/view/item/000000000012
  • レスポンス「トイファクトリー『ZARA』、10年ぶりにリニューアル…東京キャンピングカーショー2026で初公開へ」(2026年7月10日)https://response.jp/article/2026/07/10/413862.html
  • AUTO CAMPER「トイファクトリー『ZARA』が復活。」https://www.autocamper.jp/news-column/65126/
  • AUTO CAMPER「確実にキャンピングカーをユーザーへ届けるために。トイファクトリーがハイエース系の新規受注方式を一時変更、持ち込み架装へ移行」https://www.autocamper.jp/news-column/64957/
  • トヨタ ハイエースバン ボディタイプ別諸元(toyota.jp 掲載の車種別スペック資料)

> 本記事の数値はすべて2026年8月7日時点で確認できた公表値です。仕様・価格・在庫・納期は変更される場合があります。最終的な判断は必ずメーカー・販売店の最新情報でご確認ください。