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湯YOUパークとRVパークの違い|会費の元は取れるか【2026年8月版】

温泉旅館の駐車場に泊まる湯YOUパークは、くるま旅クラブ会員だけが電話予約で使える制度で、誰でも使えるRVパークとは別物である。会費4,400円〜8,800円を払う価値があるかを、筆者が両制度782施設の料金を全数集計して判定した。

篠原徹
キャンピングカージャーナルの車両・制度担当。前職は中古車販…
公開2026.08.17
読む時間20 min

湯YOUパークは、くるま旅クラブの会員だけが電話予約で使える、旅館・ホテルの駐車場に泊まる制度である。会員登録なしで誰でも使えるRVパークとは、入口の条件から違う。

  • 会員限定か否かが最大の差になる。RVパークは会員でなくても使えるが、湯YOUパークはくるま旅クラブ会員に限られる(くるま旅クラブ公式・2026年8月17日確認)
  • 施設数はRVパーク683件に対し湯YOUパーク99件で、約6.9倍の開きがある(いずれも公式一覧の「2026年8月17日時点」表記)
  • 予約はRVパークがWeb可、湯YOUパークは電話が必須で、しかも空きがある日にしか適用されない
  • 料金は湯YOUパークのほうが安い。筆者が両制度の全施設を集計した中央値は、湯YOUパークが1泊1台2,000円、RVパークが3,000円で、差は1,000円だった(後述)
  • ただし電源は99件中65件が「なし」だった。RVパークは100V電源が認定要件に入っているため、差額はそのまま設備の差でもある
  • 入会金・年会費は返金されない。公式に「サービスの性質上、キャンセル・返金はできません」と明記されている

RVパーク側の予約手順はRVパークの予約方法は3ステップ|RV-Park.jpの使い方に、無料で泊まれる場所との線引きは道の駅で車中泊は禁止か|仮眠と宿泊の境界線にまとめてある。この記事は有料の2制度をどう使い分けるかに絞った。

湯YOUパークとは何か(公式の定義)

くるま旅クラブ公式サイトの湯YOUパーク案内ページは、この制度を次のように説明している(原文ママ、2026年8月17日取得)。

全国のお好きな場所を選び、その地の温泉を楽しみながら、施設の駐車場に停めたご自分の車で、駐車泊を楽しむシステムです。

運営はくるま旅クラブ株式会社である。同社の関係については、くるま旅クラブ公式サイトのクラブ案内ページに次の記載がある(原文ママ)。

くるま旅クラブは、キャンピングカー・ビルダー、ディーラーが加盟する一般社団法人日本RV 協会(JRVA) の子会社である、くるま旅クラブ株式会社が運営する、『キャンピングカーのオーナーズクラブ』です。

RVパークもJRVAが認定する制度なので、2つは同じ系列の別サービスという関係になる。

利用資格については、同じページに次の一文がある(原文ママ)。

湯YOUパークを利用できるのは、くるま旅クラブ会員のみです。

この1行が記事全体の分岐点になる。制度としてのRVパークに会員資格の条件は無く、施設に料金を払えば誰でも泊まれる。湯YOUパークは、料金を払う意思があっても会員証が無ければ入口に立てない。会費を払う価値があるかという問いは、ここから始まる。

ただしRVパークにも例外がある。筆者が683施設の利用条件を全件確認したところ、16施設が利用条件の欄に「くるま旅クラブ会員証提示」とだけ書いていた。 そのうち「RVパーク ISUMI Glamping Resort & Spa SOLAS」(施設ID1649)は「くるま旅クラブ・プレミアム会員証提示」で、一般料金の掲示自体が無い。

これとは別に、37施設は会員証を特典の条件として挙げるにとどまり(利用条件の先頭が「特になし」の施設を含む)、2施設は「くるま旅クラブ会員以外の方もご利用できます」と明記していた。制度として会員資格が不要であることと、個々の施設が会員証を求めないこととは、別の話になる。

なお筆者はブラウザの表示に頼らず、このページのHTMLを取得して引用文を一字ずつ照合した。以下の引用も同じ手順を踏んでいる。

予約の性格が根本的に違う

湯YOUパークの利用方法として、公式は次の2点を挙げている(原文ママ)。

通常宿泊客の駐車を優先とする為、『湯YOUパーク(ゆうゆうパーク)』は基本的に、ご利用になりたい日に駐車場に空きがある場合により適用になります。

ご利用の際は、利用施設へ必ず電話にて、『くるま旅クラブ会員である』ことと『 湯YOUパークの利用希望』を伝え、ご予約ください。

(後者の引用にある『の直後の空白は原文のとおりである)

ここで読み落としてはならないのが「駐車場に空きがある場合により適用になります」という条件だ。旅館やホテルにとって駐車場は本来の宿泊客のための設備であり、湯YOUパークはその余剰を借りる形をとった。つまり利用者は区画を買っているわけではない。空いていたら使わせてもらう立場に立つ。紅葉シーズンの週末に宿が満室であれば、駐車場も埋まった状態になる。

RVパークは逆で、車中泊のための区画をあらかじめ切り出して売っている。日本RV協会が認定要件に「ゆったりとした駐車スペース(幅4m×縦7m)」「複数日の利用が可能」を挙げているとおり、車中泊が主目的の設備として設計された。だから予約が取れれば場所は確保される。

予約手段の差も実務では大きい。筆者が湯YOUパーク99施設のページを全件取得して数えたところ、WEB予約が「不可」と表示されていたのは82件、「ネット予約対応」は16件、記載なしが1件だった(2026年8月17日取得)。公式の案内が電話を必須としている以上、湯YOUパークの予約は基本的に電話1本に依存する。

比較項目湯YOUパークRVパーク
会員資格くるま旅クラブ会員のみ制度としては不要(16施設は会員証提示を利用条件に記載)
施設数99件683件
予約手段電話が原則(ネット予約対応は16件)Web予約(RV-Park.jp)と電話
場所の確保空きがある場合に適用予約した区画が確保される
100V電源99件中31件(なし65件)認定要件に含まれる
料金の中央値2,000円(n=97/母集団99)3,000円(n=653/母集団683)
入浴施設施設そのものが温泉車で15分圏内にあること

施設数はいずれも公式の施設一覧ページが自ら「2026年8月17日時点」と表記している数字を採った。湯YOUパークが99件(くるま旅クラブ公式)、RVパークが683件(同)である。検索するとプレスリリース由来の676件や679件という数字が出てくるが、それらは公表時点が古い。

温泉旅館の駐車場に停まったキャブコン。車外にはテーブルもイスも出ていない
湯YOUパークで許されているのはこの状態にとどまる。車外での活動は公式に禁止されている

数字の根拠

施設数と地域の偏り

エリア別の内訳を並べると、湯YOUパークがどこに強い制度なのかがはっきりする。以下はくるま旅クラブ公式の施設一覧ページに掲載されたエリア別件数を筆者が書き起こし、比率を計算したものである(2026年8月17日取得)。

エリアRVパーク湯YOUパーク湯YOUパーク/RVパーク
北海道45817.8%
東北591016.9%
関東1201210.0%
北陸・甲信越882022.7%
東海861112.8%
関西911112.1%
中国441227.3%
四国29413.8%
九州・沖縄121119.1%
合計6839914.5%

全国平均が14.5%であるのに対して、中国エリアは27.3%、北陸・甲信越は22.7%と高い。反対に九州・沖縄は9.1%、関東は10.0%と低かった。温泉地が点在し、かつRVパークの整備がまだ薄い地域ほど、湯YOUパークの相対的な存在感が大きくなる。関東や九州のようにRVパークが100件を超える地域では、会員になっても選択肢の増え方は限定的だ。

なお両制度の施設名を文字列として突き合わせると、一致する施設は1件も無い。ただし施設名は突合の鍵として弱いので、筆者は電話番号と住所でも突き合わせた。その結果、重複は1件だけ見つかった。

湯YOUパークRVパーク
施設名メナード青山ホテル(ID1064)RVパーク メナード青山リゾート(ID1046)
所在地〒518-0295 三重県伊賀市霧生2356〒518-0295 三重県伊賀市霧生2356
電話番号0595-54-13260595-54-1326
温泉名霧生温泉霧生温泉
電源あり(有料・1泊1台500円)あり(無料)
1泊1台の額スタンダード会員 3,000円一般 3,500円

同じ敷地の同じ温泉が、両制度に別々の施設として登録されている。ここでは母集団の議論を経ずに直接比較ができて、会員として湯YOUパーク側で泊まれば3,000円、一般としてRVパーク側で泊まれば3,500円、差は500円になる。ただし電源はRVパーク側が無料で、湯YOUパーク側は1泊1台500円の有料だった。500円の差は電源代でちょうど相殺される。

会費(くるま旅クラブ)

くるま旅クラブの入会金と年会費は3種類に分かれる。以下はくるま旅クラブ公式サイトの入会案内ページの表を筆者が書き起こしたものである(2026年8月17日取得。同社の特定商取引法に基づく表記では、この価格は2019年10月1日改定と記載されている)。

項目スタンダードスタンダード(JRVA特典付き)プレミアム(JRVA特典付き)
初年度支払額(入会金+年会費)7,700円4,400円8,800円
入会金3,300円2,200円3,300円
年会費(2年目以降)4,400円2,200円5,500円
サポートサービス(年・任意)1,100円1,100円1,100円

いずれも税込である。ここで取り違えやすいのが列の並びで、名前が素っ気ない「スタンダード」がいちばん高い。安いほうの「スタンダード(JRVA特典付き)」には条件が付いている。公式の入会条件は次のとおり(原文ママ)。

日本RV協会会員が製造したお車で、なおかつ日本RV協会会員店舗から購入されたお車に、JRVAステッカーが貼っている方。

一方、無印のスタンダードの条件はこうなっている(原文ママ)。

日本RV協会に加入していない企業・店舗からご購入のお車をお持ちの方(一般のお車を含みます)

お車をお持ちでない方。(レンタルキャンピングカーなどで楽しまれたい方)

同じ欄には、続けてもう1つの要件が書かれている(原文ママ)。

入会申込時または申込後に日本RV協会会員企業から購入したお車であることが分かるお写真(JRVAステッカーとナンバープレートが一緒に写った写真)の登録が必要です。

つまり境界は4つある。JRVA会員企業が製造した車であること、JRVA会員店舗から購入した車であること、JRVAステッカーが貼られていること、そしてステッカーとナンバープレートが一緒に写った写真を登録することだ。この4つをすべて満たして初年度4,400円になり、1つでも欠ければ初年度7,700円になる。差額は3,300円だ。車の条件を満たしていても写真の登録を怠れば安い側には入らない。

ここから重要な帰結が2つ出てくる。1つは、キャンピングカーを持っていない一般車の車中泊ユーザーでも、無印のスタンダードで湯YOUパークを使えることである。「お車をお持ちでない方」まで入会条件に含まれているので、車種による門前払いは無い。もう1つは、中古で買ったキャンピングカーの購入店がJRVA会員でなければ、車がキャンピングカーであっても7,700円の側に入る点だ。ステッカーの有無を車体で確認してから申し込むほうがいい。

1泊あたりの料金(筆者による全数集計)

料金を比べるために、筆者は両制度の全施設の詳細ページを取得し、表示されている利用料金を機械的に読み取った。取得日は2026年8月17日で、RVパーク683件・湯YOUパーク99件の計782件すべての取得に成功している。どちらも標本抽出ではない全数調査である。

初稿ではRVパーク側に、施設IDの連番120件から抽出した34件を使っていた。これは誤りだった。全683件のIDは210〜1818に分布しており、抽出の起点にした1560は79.2パーセンタイル、つまり最も新しい登録帯にあたる。新しく開設されたRVパークにはグランピング併設などの高額施設が偏るため、この帯だけを見ると相場が高く出る。本稿の数字はすべて全数で取り直した。

集計にあたっては、両制度に同じ判定規則を1本だけ適用した。

採用する額=その施設で最も安い「1泊1台あたりの駐車料金」。平日/休日・繁忙期・車種別・区画別で額が分かれるときは、最も安い額(基準額)を採る。額ごとに直前の記述を見て、次に当たるものは採らない。人数あたりの料金(〜/人・お一人様・大人/子供・入場料)、宿泊料に加算される別項目の料金(電源利用料・延長料・入湯税・施設管理費・シャワー・ゴミ・ペット)、2泊目以降や3泊以上の単価、値引き額と加算額、食事付き・一棟貸し・1人あたりの宿泊料。 ただし「1泊1台(電源なし)2,000円」のように区画の設備を説明しているだけの行、「入浴料金込み」のように駐車料金に含まれると書かれている行、「1泊1台(1名)3,000円」のように1台あたりの額に人数の注記が付いているだけの行は採用する。

結果は次のとおりになった。

RVパーク湯YOUパーク
母集団683件99件
集計できた施設651件97件
除外32件2件
中央値3,000円2,000円
平均3,293円2,140円
第1四分位2,500円1,100円
第3四分位3,850円3,100円
最安500円0円
最高13,200円5,500円
無料(0円)0件16件

中央値の差は1,000円である。 この差は外れ値に引きずられたものではない。上下3件を落としても、上下1割を落としても、両方の中央値は3,000円と2,000円のまま動かなかった。

湯YOUパーク側の内訳で目を引くのは、無料が16件あって全体の約6分の1を占めることと、5,000円の11件がすべて亀の井ホテル(旧かんぽの宿)の統一料金であることだ。その11件を除いても中央値は2,000円で変わらない。

除外した34件の内訳は、額そのものを読めないものが25件、食事付きや一棟貸しで駐車のみの額を切り出せないものが6件、1人あたりの宿泊料しか掲示していないものが2件、「予約サイトでご確認ください」と書かれて額が無いものが1件である。

なお筆者は、この集計を一度作り直している。最初に組んだ読み取りは「料金欄に出てくる額のうち最も安いもの」を機械的に採る作りで、電源利用料・延長料・施設管理費・入湯税・人数あたりの料金・連泊時の単価といった、駐車料金ではない小さい額まで拾っていた。この種の取りこぼしは必ず安い側に出るため、相場が実際より低く見える。規則を「額ごとに直前の記述を見て、駐車料金でないものを捨てる」形に組み替え、1,500円未満に残った15件は1件ずつ実際のページと突き合わせた。 その結果、RVパークの最安は300円から500円に、平均は3,254円から3,293円に動いたが、中央値は3,000円のまま変わらなかった。 651件の中央値は、低い側の数十件が入れ替わっても動かないためである。

集計の全データと判定規則をコード化したパーサは、追試できる形で保存してある。取得日・対象URLの形式・除外した施設のIDと理由をすべて残したのは、第三者が同じ手順を踏めるようにするためだ。施設ページの表示は随時更新されるため、日を置いて取得すれば数字は動く。

中央値は「平日・通常期」の額である

この中央値には注記が要る。繁忙期に割増しする施設があり、その割増は集計に含まれていない(規則どおり最も安い基準額を採っているため)。湯YOUパーク99件のうち、繁忙期や曜日で額が変わる旨を料金欄に書いていたのは7件だった。

秋の旅程を組むなら、岩手県の花巻温泉(ID1190)の記載が具体的でわかりやすい。スタンダード会員の欄には1泊1台1,900円とあり、その下に割増の期間が並ぶ。原文には「※2026年4月25日~5月5日、8月8日~8月15日、9月19日~9月22日、10月16日~11月7日」の期間について3,800円と書かれている。

9月19日から22日は2026年のシルバーウィークにあたり、10月16日から11月7日は紅葉の時期に重なる。つまりこの記事が想定している秋の温泉旅では、基準額の2倍を払う日がある。中央値2,000円は平日・通常期の目安であって、連休に当てはめる数字ではない。

RVパークの区画。電源ポールと認定看板が立ち、区画線が引かれている
RVパークは100V電源が認定要件に入っている。湯YOUパークとの1,000円の差はここに出る

会費を何泊で回収できるか

1泊あたり1,000円の差があるなら、会費は何泊で埋まるのか。単純な割り算で境界値を出す(切り上げ)。

会員タイプ初年度に必要な泊数2年目以降に必要な泊数
スタンダード(7,700円/4,400円)8泊5泊
スタンダード・JRVA特典付き(4,400円/2,200円)5泊3泊
プレミアム(8,800円/5,500円)9泊6泊

初年度8泊、というのが一般車ユーザーにとっての分水嶺になる。 年8泊は月に1回の車中泊を8か月続けても届かない水準で、温泉地への車中泊が年に数回という使い方では料金差だけで会費は埋まらない。JRVA加盟店でキャンピングカーを買って初年度4,400円の側に入れる人でも5泊が要る。負担が軽くなるのは2年目以降で、入会金が消える分、JRVA特典付きなら3泊、無印のスタンダードでも5泊まで下がる。

初稿の筆者はここを「初年度6泊」と書いていた。RVパークの中央値を3,500円と見積もっていたためで、全数で取り直した3,000円に置き換えると必要な泊数は2泊増える。回収は当初の見込みより遠い。

しかも、この計算をそのまま信じるべきではない。理由は3つある。

1つ目は、その1,000円が設備の差でもあることだ。RVパークは100V電源が認定要件に入っている一方、湯YOUパークの99件のうち電源が「なし」だったのは65件で、全体の65.7%を占めた。電源ありは31件(うち有料22件・無料9件)にとどまる。ゴミ処理も「不可」が51件で半数を超えた。ダンプステーションを備えていると記載していた施設は0件である。安いのは、付いていないからでもある。

2つ目は、繁忙期の割増だ。前述のとおり中央値は平日・通常期の額であり、連休や紅葉期に倍近くまで上がる施設がある。連休しか走らない使い方なら、差額はここで縮む。

3つ目は、そもそも湯YOUパークが99件しか無いという事実である。行きたい方面に湯YOUパークが無ければ、何泊しようと差額は発生しない。エリア別の表を先に見て、自分の行動範囲に何件あるかを数えるほうが、料金差の計算より先に来る。

筆者の判断はこうなる。会費が買っているのは「安く泊まる権利」ではない。「泊まれる場所を99件増やす権利」として評価すべきものだ。 料金差だけで元を取ろうとすると初年度8泊が要り、その水準に届く人は多くない。一方で、温泉に入ってそのまま同じ敷地の駐車場で寝られる形は、RVパークでは完全には代替できない。RVパークの入浴施設要件は「車で15分圏内」であって、敷地内にあることまでは求めていないからだ。湯上がりに運転しないで済むことに年4,400円の価値を認めるかどうかが、判断の実体になった。

秋から冬に温泉地へ通う前提なら、RVパーク側の温泉付き拠点も併せて検討する余地がある。関東圏の候補は紅葉の車中泊は「温泉付きRVパーク」が正解に7か所まとめた。

よくある誤解を3つ

誤解1「湯YOUパークはRVパークの温泉版だから、予約すれば場所は確保される」

確保されない。公式が「ご利用になりたい日に駐車場に空きがある場合により適用になります」と書いているとおり、優先されるのは通常の宿泊客である。連休や紅葉の週末に宿が埋まれば、駐車場の余剰も消える。RVパークは車中泊用の区画を売っているので同じようには考えられない。

この違いは旅程の組み方に直結しやすい。湯YOUパークを当てにして300km走ったあとで断られると、代替地を探すことになる。筆者は湯YOUパークを旅程の軸には置かず、電話で確保できた時点で組み込む順序を勧める。

誤解2「くるま旅クラブに入ればRVパークも安くなる」

安くなる施設はあるが、数は少ない。ここも標本ではなく、RVパーク683件すべての料金欄を確認した。

区分件数
「スタンダード会員」の料金欄がある99
うち一般料金と会員料金の両方を額として読めた91
うち会員のほうが安い32

会員が安くなるのは全683件のうち32件、率にして4.7%である。値引き幅は中央値400円、最小100円、最大1,100円だった。年会費2,200円をこの値引きだけで回収しようとすると、値引きのある32施設に中央値基準で6泊する必要がある。しかもその32施設が自分の行き先にあるとは限らない。

つまり会費をRVパークの割引で回収する筋道は、現実的には成り立たない。会費の対価は湯YOUパークをはじめとする会員限定施設の利用権にあると理解しておくほうが正確だ。会員限定で使える施設は湯YOUパークに限らない。公式の特典表には「湯YOUパーク、ぐるめパーク、とれいんパーク、民パーク、くるま旅パークをご利用いただけます。」とある。参考までに、これらの施設数は同じ2026年8月17日時点でくるま旅パーク75件、ぐるめパーク20件、民パーク11件、とれいんパーク2件だった。

誤解3「温泉宿の駐車場なのだから、設備は整っている」

整っている保証は無い。前述のとおり電源なしが65件、ゴミ処理不可が51件、ダンプステーションありは0件である。湯YOUパークは既存の旅館の駐車場をそのまま使う制度なので、車中泊のための設備投資は前提になっていない。

その理由は施設側の負担構造にも表れている。RVパークは開設にあたって「申請料30,000円」と「年間登録料10,000円/年」が必要だと公式に明記されている。対して湯YOUパークは「パートナーとなるための費用は一切必要ありません。」と書かれており、施設側の金銭的負担はゼロだ。費用ゼロにもかかわらず99件しか集まっていないのは、旅館側にとって通常の宿泊客の駐車枠を削るリスクのほうが重いからだと読める。公式にも「駐車場に余裕がある時期のみ、湯YOUパークを受け入れることも可能です。」という一文があり、通年での受け入れを求めない設計になっている。

現地でできることの範囲も狭い。公式の禁止事項には次の4項目が並ぶ(原文ママ)。

駐車中は、必ずエンジンを停止して下さい(アイドリング禁止)。

車外での活動・行為(テント・タープの展開、火気の使用、バーベキュー、花火など)禁止。

発電機の使用及び騒音等、周辺(車中泊客)に迷惑のかかる行為禁止。

洗面所等での炊事・洗濯は禁止。

エンジン停止が明記されている以上、電源の無い施設で車載エアコンを一晩回すことはできない。夏に使うなら、電源ありの31件から選ぶか、バッテリー容量で解決する必要がある。

手続きと注意点

入会からその日のうちに使えるか

支払い方法によって、使えるようになるまでの日数が変わる。ここが最も実務的な境界値だ。

支払い方法登録までの日数自動更新
クレジットカード即日可能あり
コンビニ店頭支払い即日可能なし(毎年マイページで手続き)
サポートサービス(紙・年1,100円)20日以上必要なし

クレジットカードとコンビニ払いは即日で登録が完了する。プラスチックの会員証が届くまでには支払い完了後10〜12日ほどかかるが、公式は「ご入会・決済完了後、会員証が届くまではマイページ内に表示される仮会員証の画像を印刷してご利用ください。」と案内しており、湯YOUパーク側の案内にも「くるま旅クラブ会員証(仮会員証含む)のご提示が必要です。」と仮会員証が明記されている。したがって今日入会して今週末に使うことは可能だ。

紙の申込用紙で手続きするサポートサービスを選ぶと20日以上かかる。連休に間に合わせたいなら選択肢から外れる。

電話予約の手順

公式の指示に従うと、電話で伝えるべきことは2つに固定された。くるま旅クラブ会員であることと、湯YOUパークの利用希望である。施設側は通常の宿泊予約と区別する必要があるため、この2語を先に言わないと話が通じにくい。

なお、くるま旅クラブ事務局は2026年8月8日から16日まで夏季休暇に入っており、公式には「8月17日(月)10:00より電話対応開始となります。」と告知されていた。9月19日からのシルバーウィークに向けて動くなら、事務局への問い合わせは本日以降になる。

行く前に電話で確認すべき理由

湯YOUパークの各施設ページには、情報の現在日を示す表示が入る。たとえば北海道の「たきのうえ ホテル渓谷」のページには「掲載内容は2024年07月23日現在の情報です」とある。99件すべてでこの日付を記録したところ、内訳は2024年が49件、2025年が29件、2026年が21件だった。約半数のページが2年前の情報のまま更新されていない。

一覧には休止中の施設も混ざっている。筆者が確認した時点では、施設名の先頭に休止を明示した「【休止中】亀の井ホテル 彦根(旧かんぽの宿彦根)」が、99件の一覧にそのまま並んでいた。公式が示す99件は、休止中の施設を含んだ数字として読む必要がある。同じことはRVパークの683件にも当てはまり、こちらにも「【休止中】RVパーク 能登半島九十九湾」「【休業中】RVパーク 伊江島」などが含まれている。

料金についても各施設ページに「最新の料金は直接施設へ事前確認をお願いします。」という注記が入る。本稿の集計値は判断の材料であって、当日の請求額を保証するものではない。

会費は返金されない

くるま旅クラブ株式会社の特定商取引法に基づく表記には、次の記載がある(原文ママ)。

クラブ入会費・年会費およびつわものツアー参加料についてはサービスの性質上、キャンセル・返金はできません。

退会後の再入会についても「改めてご入会の手続きが必要となり、入会金のお支払・プロフィール等の再入力が必要となります。」とあり、入会金を払い直すことになる。会員タイプの変更にも注意点があり、公式には変更前の有効期限は引き継がれず、差額の返金も行わないと明記されている。1年使ってみて合わなければやめる、という判断はできるが、途中でやめて返してもらう判断はできない。

旅館のフロントでくるま旅クラブの会員証を提示している手元
会員証の提示は現地で必須になる。カードが届く前は仮会員証の印刷で足りる

FAQ

今日くるま旅クラブに入会して、今週末に湯YOUパークを使えるか

使える。クレジットカードかコンビニ店頭支払いを選べば、登録は即日で済む。プラスチックの会員証は支払い完了後10〜12日ほどかかるが、マイページに表示される仮会員証を印刷すれば現地で提示できると公式が案内している。ただし紙の申込用紙を使うサポートサービスは20日以上必要なので、週末に間に合わない。施設への電話予約は別途必要だ。

キャンピングカーを持っていなくても湯YOUパークは使えるか

使える。くるま旅クラブの入会条件には「お車をお持ちでない方。(レンタルキャンピングカーなどで楽しまれたい方)」および「日本RV協会に加入していない企業・店舗からご購入のお車をお持ちの方(一般のお車を含みます)」が含まれており、一般車の車中泊ユーザーもスタンダード会員として入会できる。ただし初年度は7,700円だ。4,400円で入るにはJRVA会員企業の製造・JRVA会員店舗での購入・JRVAステッカーの貼付・ステッカーとナンバープレートを一緒に写した写真の登録という4つの条件がそろう必要があり、一般車では満たせない。

湯YOUパークは予約なしで行ってもいいか

やめたほうがいい。公式は「利用施設へ必ず電話にて」予約するよう求めており、しかも駐車場に空きがある日にしか適用されない制度である。通常の宿泊客が優先されるので、満室の日は駐車場も埋まる。予約なしで到着して断られた場合、代替の車中泊地を探すはめになりかねない。筆者は湯YOUパークを旅程の軸に置かず、電話で確保できてから組み込む順序を勧めたい。

湯YOUパークで電源は使えるか

多くの施設では使えない。筆者が99施設の公式ページを全件確認したところ、電源が「なし」と記載されていたのは65件で全体の65.7%だった。電源ありは31件で、うち22件が有料、9件が無料だった。RVパークは100V電源が日本RV協会の認定要件に入っているため、この点は明確な差だ。エンジンの停止も公式に義務づけられているので、夏冬の空調はバッテリー容量で解決するか、電源のある施設を選ぶ必要がある。

ペットを連れて行けるか

多くの施設では連れて行ける。筆者が99施設を確認した範囲では、ペット連れが「可」の施設は88件、「不可」が11件だった。ただし公式は4つのルールを課しており、食事や入浴での入館時にペットを同伴できないこと、駐車場や庭など敷地内でペットを連れ歩くことと排泄が禁止であること、鳴き声で迷惑をかけないこと、敷地外へ出す際は必ずリードで繋ぐことが求められる。施設ごとの規則で受け入れ不可の場合もあるため、電話予約の際に確認しておきたい。

まとめ

湯YOUパークとRVパークは、同じJRVA系列でありながら設計思想が逆を向いている。RVパークは車中泊のための区画を作って売る制度で、電源やトイレの要件を課す代わりに施設側から申請料と年間登録料を取る。湯YOUパークは既存の旅館の余った駐車場を無償で開放してもらう制度で、施設側の負担はゼロだが、その代わり空き次第で、設備の保証も無い。

会費を払う価値があるかという問いへの筆者の答えは、行き先で決まる、というものだ。料金差だけで会費を埋めようとすると初年度8泊・2年目以降5泊が要り、その水準に届く人は多くない。中国・北陸甲信越のように湯YOUパーク比率が2割を超える地域を毎月のように回るなら計算は合うが、関東や九州のようにRVパークが120件前後ある地域だけを回るなら、会費を払っても選択肢の増分は10%程度にとどまる。まずエリア別の件数を数えてから、入会画面に進むのが順序として正しい。

車中泊そのものが初めてであれば、秋の時期ごとの装備差を秋の車中泊デビューは「9月・10月・11月で別物」に、会員資格なしで当日でも押さえやすい選択肢をローソンの「コンビニRVパーク」が4県28店舗に拡大にまとめてある。

更新日:2026年8月17日(本文中の料金・施設数・会費はすべて2026年8月17日に公式サイトで確認した値である)

出典一覧

内容出典確認日
湯YOUパークの定義・利用条件・予約方法・禁止事項・パートナー費用くるま旅クラブ「湯YOUパークのご案内」 https://www.kurumatabi.com/yypark/2026-08-17
湯YOUパーク施設一覧(99件・エリア別内訳)くるま旅クラブ https://www.kurumatabi.com/yypark/list.php2026-08-17
湯YOUパーク各施設の料金・電源・ゴミ処理・予約方法くるま旅クラブの施設ページ99件(URLは /park/yypark/ にID番号を付けた形式。例= https://www.kurumatabi.com/park/yypark/213.html )2026-08-17
RVパーク施設一覧(683件・エリア別内訳)くるま旅クラブ https://www.kurumatabi.com/rvpark/list.html2026-08-17
RVパークの施設要件・申請料・年間登録料くるま旅クラブ「RVパークのご案内」 https://www.kurumatabi.com/rvpark/2026-08-17
RVパークの認定条件(駐車スペース・電源・入浴施設)一般社団法人日本RV協会 https://www.jrva.com/activity/rvpark/2026-08-17
入会金・年会費・入会条件・特典・支払い方法くるま旅クラブ「くるま旅クラブのご案内」 https://www.kurumatabi.com/club/2026-08-17
入会の流れ・会員証の到着日数・仮会員証くるま旅クラブ「入会方法・支払方法のご案内」 https://www.kurumatabi.com/club/admission.html2026-08-17
会費の返金不可・退会時の扱い・価格改定日くるま旅クラブ「特定商取引法に基づく表記」 https://www.kurumatabi.com/tokusho.html2026-08-17
RVパーク各施設の料金・利用条件くるま旅クラブの施設ページ683件(URLは /park/rvpark/ にID番号を付けた形式。例= https://www.kurumatabi.com/park/rvpark/1046.html )2026-08-17
両制度の料金の全数集計(RVパーク中央値3,000円/湯YOUパーク中央値2,000円)本サイト調べ。判定規則・除外施設のIDと理由・採用額の全件を保存2026-08-17

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篠原徹

キャンピングカージャーナルの車両・制度担当。前職は中古車販売の現場。いまはキャブコンで年20泊ほど走っています。キャンピングカー、トレーラー、RVパーク、法規と税を、条文と公的資料の一次情報に当たって整理します。自治体や条件で結論が変わることは、変わると書きます。