本記事はアフィリエイト広告を含みます。掲載した商品・サービスの購入や申し込みによって、当サイトが報酬を得る場合があります。
車検証に「乗車定員6名」と書いてあるとき、走行中に人が座ってよいのは、その6名分として数えられた席だけです。リビングの対面ダイネットも、定員に算入されている席なら座って走れます。
算入されていないベッドやバンクベッドは、走行中に人を乗せる場所になりません。
2点式ベルトの席があるのは、手抜きでも旧式でもありません。座席の向きと車の区分によって、法令が求めるベルトの種類が変わるからです。ただし、同じ対面ダイネットでも前向き側のベンチは条件が違います。
- 走ってよい席は、車検証の乗車定員に数えられた席。ベッドと通路は含まれない
- 2点式で足りるのは、後ろ向きの席と横向きの席。前向き席は、乗用とみなされる車なら第二種(三点式等)。貨物とみなされる車でも、運転者席とその並列座席は第二種(3.5t以下の車では側面に隣接する席も)※1
- 横向きシートを積めるのは、車体の形状が「キャンピング車」だから。乗用登録の車には認められていない
- 定員を超えて乗せると違反点数1点・反則金6,000円(普通車)
走ってよいのは「乗車定員に数えられた席」だけ
乗車定員は、運転者席・座席・座席に準ずる装置・立席の定員を合計した数です(自動車技術総合機構 審査事務規程 7-123-1)。
このうち「座席に準ずる装置」は、患者輸送車などの寝台と、車いす固定用の空間・装置のことです。キャンピングカーには通常ありません。
肝心なのは「座席」の中身です。審査事務規程 第1章の定義では、座席とは乗員が安全に着席できるものを指し、板、テーブル、ベッド、棚、区切られただけの床面、タイヤえぐりは該当しません。
つまり、後ろに広い床があっても、そこは定員に入りません。
ベンチシートのように連続した座席では、幼児専用車以外の自動車の座席定員は、座席の幅を40cmで割った整数値で決まります(審査事務規程 7-123-1(1)②ア)。幅120cmのベンチなら3人分。10cm足りないだけで1人分減ります。
同じ号のただし書には、幅から76cmを引いて40cmで割り、そこに2を足す計算を用いることができる、とも書かれています。幅79cmのベンチは、本則だと1人分、ただし書だと2人分。どちらの式で申請し、審査で認められたかで定員が変わります。
ただし書のほうを使うと、1人あたりの幅は40cmを割ります(79cm÷2=39.5cm)。これとは別に、細目告示 第106条第1項第2号が1人につき幅400mm以上の着席空間を求めています。
ただしこの号は、座席ベルトとその取付装置を備える座席を対象から除いています。外れる理由はキャンピングカーだからではなく、その席がベルトを備えているからです。
座席そのものの寸法には、もうひとつ基準があります。1人につき幅380mm以上・奥行400mm以上(保安基準 第22条第2項、細目告示 第106条第2項第1号)。
こちらも第22条の3第1項のベルトを備える席は対象から外れますし、そもそも395mmは380mmを上回ります。
もうひとつ、家族で乗るときに効いてくるのが年齢の扱いです。乗車定員は12歳以上の人数で表され、12歳以上の者1人は12歳未満の小児または幼児1.5人に相当します(保安基準 第53条第2項)。
定員6名の車なら、大人4人と12歳未満の子ども3人で、ちょうど6名分。大人6人と子ども1人はできません。
対面ダイネットの2点式ベルトが認められる条件
座席ベルトには2種類あります。細目告示 第108条の定義では、第二種座席ベルトが「三点式座席ベルト等少なくとも乗車人員の腰部の移動を拘束し、かつ、上半身が前方に倒れることを防止することのできるもの」、第一種座席ベルトが「二点式座席ベルト等少なくとも乗車人員の腰部の移動を拘束することのできるもの」。
どの席にどちらが要るかは、保安基準 第22条の3第1項の表で決まります。表は自動車の区分ごとに、第二種が要る座席を中欄で名指しし、それ以外の座席は第一種でも第二種でもよい、という書き方です。
8ナンバーの特種用途自動車は、この表に自分の欄を持っていません。乗用とみなされるか貨物とみなされるかで、当てはまる欄が変わります※1。次の表は乗車定員10人未満の車についての整理です。
| 座席の向きと車の区分 | 求められる座席ベルト |
|---|---|
| 前向き(乗用とみなされる車) | 側面に隣接するかどうかを問わず第二種(三点式等) |
| 前向き(貨物とみなされる車・車両総重量3.5t以下) | 運転者席・その並列座席・側面に隣接する座席は第二種。それ以外は第一種(二点式等)でよい |
| 前向き(貨物とみなされる車・車両総重量3.5t超) | 運転者席・その並列座席は第二種。それ以外は第一種(二点式等)でよい |
| 横向き(区分を問わない) | 第一種(二点式等)または第二種 |
| 後ろ向き(区分を問わない) | 第一種(二点式等)または第二種 |
分かれ目は前向き座席です。乗用とみなされる車では、前向き座席は側面に隣接するかどうかを問わず第二種。席を名指しして絞り込んでいるのは貨物とみなされる車のほうで、車両総重量3.5t以下なら運転者席・その並列座席・車両側面に隣接する前向き座席が第二種、3.5tを超えるなら運転者席と並列座席が第二種です。
どちらの区分でも、横向きと後ろ向きの座席は第一種で足ります。
対面ダイネットについては、ここを取り違えると席の割り振りを誤ります。対座レイアウトは前向きベンチと後ろ向きベンチの組み合わせで、前向き側のベンチは前向き座席です。
乗用とみなされる車なら、この席にも第二種が要ります。貨物とみなされる3.5t以下の車でも、「自動車の側面に隣接する座席」に当たれば第二種です。審査事務規程 第1章はこの語を、座席の中心線を通る垂直縦断面から側壁までの水平距離が、Rポイント位置で500mmを超える座席以外の座席、と定義しています。
側壁までが500mm以下なら、隣接している側です。前向きベンチが車体側面に接して置かれていれば、この距離に収まります。
整理すると、2点式で済むのは、後ろ向きの席と横向きの席。前向き席で2点式が許されるのは貨物とみなされる車だけで、そこでも運転者席とその並列座席は第二種、3.5t以下の車では側面に隣接する席も第二種です。
乗用とみなされる車の前向き席に、2点式は認められません。リビングに2点式が並ぶ車は、貨物とみなされる車です。

道路交通法 第71条の3第2項は、座席ベルトを装着しない者を、ベルトを備えなければならないこととされた運転者席以外の乗車装置に乗車させて運転してはならないと定めています。義務の対象は、この「備えなければならないこととされている」席です。
保安基準 第22条の3第4項には、第1項の適用を受けない座席に任意で備えたベルトについての規定が別に置かれています。ベルトが付いていること自体は、備付義務があることの証明になりません。
とはいえ、乗車定員に数えられた席には、向きに応じたベルトを備えることが求められています。走行中に人が座る席は、締めて走る席です。
なお、違反点数が付くのは、助手席以外の同乗席については高速自動車国道等での違反に限られます(道路交通法施行令 別表第二 備考二の107。条文の言葉では「運転者席の横の乗車装置以外の乗車装置」)。一般道の後席にも装着義務そのものはかかります。
横向きシートを積めるのは「車体の形状がキャンピング車」だから
細目告示 第106条第1項第4号が置いている原則は、自動車に備える座席は横向きに設けられたものでないこと。
そのうえで除外される自動車が並べてあり、そこに「キャンピング車」が入っています。乗車定員10人以上で立席のある車、車両総重量3.5t超の貨物車、緊急自動車、患者輸送車などと同じ扱いです。
つまり、リビングに横向きベンチを置けるのは、車検証の車体の形状が「キャンピング車」だからです。同じ架装でも乗用登録(3ナンバー)の車には、この除外は働きません。
8ナンバーと3ナンバーの違いは税金の話として語られがちですが、車内レイアウトの自由度にも直結しています。
向きの判定にも基準があります。細目告示 第106条第1項第3号の定義では、前向きが「車両中心線に平行な鉛直面と座席中心面との角度が左右10度以内」で前方を向くもの、横向きが「車両中心線に直交する鉛直面と座席中心面との角度が左右10度以内」で側方を向くもの。後ろ向きも同じく左右10度以内です。三つの定義はいずれも±10度で切られているので、どれにも当たらない角度が生じます。

この除外は、技術基準の側にも及んでいます。
横向き座席と後ろ向き座席は、衝突時に乗車人員から受ける荷重に耐えることを求めた保安基準 第22条第3項の対象から外れています(同項第4号・第5号)。さらに細目告示 第108条第4項と第6項は、キャンピング車に設ける横向き座席のベルト取付装置とベルト本体を、協定規則第14号・第16号・第173号の技術基準の適用から除いています。
シートベルト非装着の警報も、キャンピング車の運転者席とその並列座席以外の席は対象外です(細目告示 第108条第13項第3号)。リビング席で警告音が鳴らなくても、故障を疑う必要はありません。
法令上は認められた席です。ただし、前向き3点式の席と同じ衝突保護は前提にされていません。子どもをどこに座らせるかを決めるときは、この差が効いてきます。
バンクベッドに寝かせて走ることはできない
ベッドは座席ではありません。審査事務規程の定義で、ベッドは「安全に着席できるもの」から除かれています。
例外はひとつだけ。キャンピング車に備えられた就寝設備であって乗車設備と兼用のものは、この除外の対象から外れています。ダイネットを展開してベッドにするタイプが、これにあたる設備です。
兼用にできる条件は、国土交通省の用途区分通達で決まっています。就寝設備は原則として座席と兼用でないことが求められ、兼用が認められるのは、座席の座面と背あて部が就寝設備になることを前提に製作されていて、展開したときに就寝設備の上面全体が連続した平面を作る場合です。
就寝設備の数自体も、乗車定員の3分の1以上(端数は切り上げ、定員3人以下の車は2人以上)の大人用就寝設備を持つこと、と決まっています。大人用を2人分以上持っている場合は、子供用2人分を大人用1人分とみなす換算も可能です。定員と就寝数の関係は夫婦2人旅のキャンピングカー選びでも触れています。

キャブコンのバンクベッドは、座席と兼用ではありません。だから乗車定員にも入っていない。
そこに人を乗せて走ると、道路交通法 第55条第1項に触れます。同項は、車両の運転者は当該車両の乗車のために設備された場所以外の場所に乗車させて車両を運転してはならない、と定めた条文です。
罰則は5万円以下の罰金(同法 第120条第2項第1号)。反則行為としては乗車積載方法違反にあたり、違反点数1点、反則金は普通車6,000円・大型車7,000円です(道路交通法施行令 別表第二・別表第六)。
ダイネットをベッドに展開したまま人を寝かせて走ることもできません。座席として使っていない以上、その席に備えられたベルトを締めさせられないからです(第71条の3第2項)。
走るときは座席に戻す。キャブコンのように就寝スペースが独立している車ほど、この線引きははっきりしています。
2点式の席にチャイルドシートは付けられるか
チャイルドシートの使用義務は6歳未満の幼児にかかります(道路交通法 第71条の3第3項、幼児の定義は同法 第14条第3項)。
条文が求めているのは「幼児用補助装置」です。座席ベルトに代わる機能を果たさせるため座席に固定して用いる補助装置で、道路運送車両法第3章とこれに基づく命令に適合し、かつ幼児の発育の程度に応じた形状を有するもの、と定義されています。適合品でも、体格に合っていなければ条文の要件を満たしません。
固定できない席については、道路交通法施行令 第26条の3の2第3項第1号が免除を置いています。その構造上、幼児用補助装置を固定して用いることができない座席で幼児を乗車させるときは、義務の対象外です。
ただし同じ号の括弧書きが、当該座席以外の座席でその幼児にチャイルドシートを使わせることができる場合を、この免除から除いています。
つまり、横向きベンチの2点式に固定できないからといって、そこへ子どもを座らせてよいという結論にはなりません。前席や前向きの後席に取り付けられるなら、そちらを使う義務が残ります。
同じ第3項の第2号も、家族連れには効いてきます。運転者席以外の座席の数以上の人数を乗せるために、幼児の数だけのチャイルドシートを全部は固定できない場合、その固定できない台数分の幼児は義務の対象外です(乗車定員を超えない範囲に限る)。子ども3人にチャイルドシート3台を置けないときは、この号で判断します。
車両側の取付具はどうか。年少者用補助乗車装置取付具(ISOFIX)の装備義務は、専ら乗用の用に供する自動車に課されたものです(保安基準 第22条の5第1項)。貨物とみなされる車には、この装備義務がかかりません。取付具があるかどうかは車ごとに違います。
細目告示 第110条第4項第2号では、シートバックに掛けるだけで固定するようなチャイルドシートは基準に適合しないもの、という扱いです。ベルト経路が確保できない席に無理やり載せる使い方は、この趣旨から外れます。
購入前なら、車両側の取付具の有無と、使う予定のチャイルドシートの取扱説明書にある適合条件を突き合わせておくと確実です。中古で買うときの確認項目は中古キャンピングカーのチェックリストにまとめてあります。年式によって適用される基準が変わる点にも注意が要ります※2。
定員を超えて乗せたときに何が起きるか
道路交通法 第57条第1項は、政令で定める乗車人員の制限を超えて乗車させて運転することを禁じています。その政令が道路交通法施行令 第22条第1号で、乗車人員(運転者を含む)は自動車検査証に記録された乗車定員を超えないこと、と定めています。
判断のよりどころは車検証です。ビルダーのカタログでも、シートの数でもありません。
| 行為 | 根拠 | 違反点数 | 反則金(普通車) |
|---|---|---|---|
| 定員超過(定員外乗車) | 法57条1項 | 1点 | 6,000円 |
| ベッド等への乗車(乗車積載方法違反) | 法55条1項 | 1点 | 6,000円 |
| 座席ベルト非装着(運転者・助手席) | 法71条の3第1項・第2項 | 1点 | なし |
| 座席ベルト非装着(助手席以外の同乗席) | 法71条の3第2項 | 高速自動車国道等でのみ1点 | なし |
| チャイルドシート不使用 | 法71条の3第3項 | 1点 | なし |
助手席以外の同乗席は、一般道だと違反点数が付きません。装着義務そのものは一般道でもかかります。
座席ベルトとチャイルドシートの違反に反則金の設定はなく、違反点数だけが付きます。
反則金の区分でいう「大型車」(道路交通法施行令 別表第六 備考三1)には準中型自動車が含まれ、その区分では7,000円です。準中型は車両総重量3,500kg以上7,500kg未満、または最大積載量2,000kg以上4,500kg未満のもの(道路交通法施行規則 第2条)。3.5t以上のキャブコンはこちらに入ります。
罰則としては、乗車のために設備された場所以外への乗車が第120条第2項第1号、定員超過が同項第2号で、いずれも5万円以下の罰金です。
判断の順番はいつも同じです。車検証の乗車定員を見る。12歳未満の子どもは3人で大人2人分として数える。座る席にはベルトを締める。ベッドは走行中の席ではない。
この4つが揃っていれば、リビング席の使い方で迷うことはありません。車種ごとの座席レイアウトの違いはキャンピングカーの種類も参考にしてください。
—
更新日:2026年9月3日(保安基準・道路交通法とその政省令は2026年9月3日時点のe-Gov法令検索、保安基準の細目を定める告示は国土交通省が公表する「2026年3月31日現在」の条文による)
一次情報
- 国土交通省:道路運送車両の保安基準 第22条(座席)(第2項、第3項第4号・第5号)
- 国土交通省:同 第22条の3(座席ベルト等)(第1項の表、第2項、第3項、第4項、第5項)
- 国土交通省:同 第22条の5(年少者用補助乗車装置等)(第1項)
- 国土交通省:同 第53条(乗車定員及び最大積載量)(第2項)
- 国土交通省:保安基準の細目を定める告示 第106条(座席)(第1項第2号・第3号・第4号、第2項第1号)
- 国土交通省:同 第108条(座席ベルト等)(第2項、第3項、第4項、第6項、第13項第3号)
- 国土交通省:同 第110条(年少者用補助乗車装置等)(第4項第2号)
- 国土交通省:自動車の用途等の区分について(依命通達)キャンピング車の構造要件(3-4の1(1)・1(4))
- 自動車技術総合機構:審査事務規程 第1章(用語の定義)(「座席」「自動車の側面に隣接する座席」の定義)
- 自動車技術総合機構:同 第4章(4-16-1 特種用途自動車の規定の適用)
- 自動車技術総合機構:同 7-44、8-44 座席ベルト等(7-44-4 適用関係の整理)
- 自動車技術総合機構:同 7-123、8-123 乗車定員(7-123-1(1))
- e-Gov法令検索:道路運送車両の保安基準
- e-Gov法令検索:道路交通法(第14条第3項、第55条第1項、第57条第1項、第71条の3、第120条第2項)
- e-Gov法令検索:道路交通法施行令(第22条第1号、第26条の3の2第3項第1号・第2号、別表第二 備考二の107、別表第六 十八・備考三1)
- e-Gov法令検索:道路交通法施行規則(第2条 自動車の種類)
注釈
※1 保安基準の適用にあたって、8ナンバーの特種用途自動車は「専ら乗用の用に供する自動車」と「貨物の運送の用に供する自動車」のどちらかとみなして扱われます。判定は審査事務規程 4-16-1によるもので、最大積載量が500kgを超えるもの、指定自動車等を架装した車で諸元表の用途が「乗用」「乗合」「幼児専用」「特種」以外のものなどが貨物とみなされ、それ以外は乗用とみなされます。結果を分けるのは、ベース車がバンやトラックか、ワゴンやミニバンかです。
※2 本記事が扱っているのは現行条文です。座席ベルトには製作年月日による適用関係が置かれており、古い車には従前の基準が適用されます(審査事務規程 7-44-4「適用関係の整理」)。中古で買う車は、年式によって適用される基準が現行と違います。


