中古キャンピングカーは、普通の中古車の物差しである「修復歴」が車体の骨格8部位しか見ていないため、その外側にある架装と、8ナンバーを成り立たせている構造要件を、別の目で確かめる必要があります。
- 修復歴の定義は自動車公正競争規約の中古車に関する施行規則第14条にあり、対象は骨格8部位の修正及び交換だけ。キャブコンのシェル(架装部)は骨格に含まれないので、シェルを直した車でも「修復歴なし」の表示は成立する
- キャブコンとバンコンで判定の基準が違う。日本自動車査定協会の中古自動車査定基準(令和8年4月1日実施)は【フレーム車の取扱い】を設けており、トラックシャシーのキャブコンは「フロントクロスメンバー前面より前」が境界になる
- 「修復歴なし」の表示ルールは公取協の参加事業者に向けたもの。非会員が不当表示で都道府県から措置命令を受けた例がある(2020年3月・茨城県)
- 8ナンバー(キャンピング車)の車検は初回も継続も2年。毎年になる境界は乗車定員11人以上(道路運送車両法施行規則第37条第1項第1号)
- 買ったあとにベッドや水回りを外すと構造要件から落ちる。長さ・幅・高さ、車体の形状、用途、乗車定員が変われば15日以内の変更記録が必要で、構造等変更検査の手数料は普通自動車で2,900円(2026年4月1日改定)
- 中古の相場を示す一次データを筆者は確認できていない。日本RV協会が公表しているのは新車と中古を合算した販売総額だけで、中古の平均価格は開示されていない
中古の母集団は増えている。ただし相場の一次データは無い
まず数字を置く。日本RV協会(JRVA)が発表した年次報告書の内容によれば、国内のキャンピングカー保有台数は2025年に173,000台となり、前年より8,000台増えた。同じ年の国内生産台数は7,727台で前年比81%、2年連続の減少である。理由としてベース車両の供給不足が挙げられている。
| 年 | 保有台数 | 国内生産台数 | 販売売上総額(新車と中古の合計) |
|---|---|---|---|
| 2024年 | 165,000台 | 9,559台 | 1,126.5億円(対前年比107%) |
| 2025年 | 173,000台 | 7,727台 | 約917億円(対前年比81.4%) |
出典は日本RV協会の発表2件(2025年1月31日発表分と2026年3月31日発表分)で、URLは記事末尾に置いた。数値は筆者が発表文から読み取って表に組み直したもので、同協会の図表は転載していない。
この2行から読めることは限られている。保有は増え、新車の供給は絞られた。中古に人が流れる条件はそろっている(市場の全体像は保有台数と販売の統計を扱った記事に整理した)。しかし販売総額は新車と中古の合算値であり、中古だけの台数も平均単価も公表されていない。つまり「中古キャンピングカーの相場は○○万円」と断定できる一次データを、筆者は確認できていない。
価格の見当をつけるなら、新車側の公表価格を起点にするほうが確実です。当サイトが公式発表をもとに整理した2026年の新型では、キャブコンのAOSAGIが1,258万円、アネックス リバティ52REiが1,595.8万円でした。この2モデルに限れば、予算300万円から700万円では新車で届きません。ただしキャブコン全体の価格帯を筆者は集計していないので、新車が全部この水準だとは書かない。
その代わり、価格の妥当性を測る物差しは相場ではなく表示ルールのほうに置く。中古車の販売価格は、車両価格に諸費用(保険料、税金、登録等に伴う費用)を加えた額を「支払総額」の名称で表示することになっている(中古車に関する施行規則第6条第1項および第2項)。掲載価格の横に諸費用の欄が無い、あるいは商談で初めて登録代行費用が出てくる店は、この時点でルールから外れている。
「修復歴なし」が保証しているのは骨格8部位だけで、架装は含まれない

中古車の「修復歴」は、事故に遭ったかどうかでも、板金塗装をしたかどうかでもありません。中古車に関する施行規則第14条は、修復歴を「次に掲げる車体の骨格に当たる部位を修正及び交換することにより復元されたもの」と定義し、8つの部位を挙げています。
| # | 骨格部位 |
|---|---|
| 1 | フレーム(サイドメンバー) |
| 2 | クロスメンバー |
| 3 | フロントインサイドパネル |
| 4 | ピラー(フロント、センター及びリア) |
| 5 | ダッシュパネル |
| 6 | ルーフパネル |
| 7 | フロアパネル |
| 8 | トランクフロアパネル |
この名称は変わる予定があります。自動車公正取引協議会は2026年4月8日、同年3月24日の第152回理事会で「修復歴に該当する骨格部位の名称変更に伴う中古車施行規則改正(案)」を承認したと公表しました。フレーム(サイドメンバー)はサイドメンバー・フレームへ、フロントインサイドパネルはインサイドパネルへ、ピラー(フロント、センター及びリヤ)はピラーへ変わります。同資料は「部位の名称の変更のみで、修復歴の定義が変更されるものではない」と注記しており、消費者庁と公正取引委員会への承認申請手続きが進行中で、施行日は2026年8月15日時点で未定です。 現時点で有効なのは上の8部位の名称です。
キャブコンを思い浮かべながらこの表を読むと、抜けているものが見えます。8部位はいずれも乗用車やバンの車体を前提にした名前で、キャブコンの後半分、つまりFRPや木骨で作られたシェルに対応する項目が一つもない。キャブコンはベース車のキャビンから後ろを架装メーカーが作り替えているため、架装部にはトランクフロアパネルもピラーも存在しません。判定できるのはキャビンとフレームまでです。
結果として何が起きるか。シェルの側面をぶつけて張り替えた、雨漏りでシェルの床を組み直した、リアバンパーごと架装後端を作り直した。これらはいずれも骨格8部位に触れていないので、修復歴の表示は「無」のままで正しい。表示は嘘をついていない。物差しが届いていないだけです。
判定の実務基準は、日本自動車査定協会(日査協)の「中古自動車査定基準」にあります。自動車公正取引協議会が2019年3月26日付で会員へ通知した内容によれば、この基準は同協議会、日査協、日本オートオークション協議会の3団体で同一の基準としています。日査協が令和8年4月1日実施で改定した現行版でも、細則④は小さな損傷の大きさをカードサイズ(8.5cm×5.4cm)と定めており、この寸法は据え置かれました。今回の改定で追加されたのは細則⑤(軽トラック等のモノコックボディとフレームの複合タイプ)と細則⑥、そして新設の【フレーム車の取扱い】です。
バンコンとキャブコンで、境界線の位置が違う
ここを外すと内見の目が狂います。現行の日査協基準は、モノコック車の表とフレーム車の表を分けています。
モノコック車(ハイエースなどをベースにしたバンコン)の表では、サイドメンバーについて「ラジエータコアサポートより前に位置する部分及びリヤエンドパネルより後に位置する部分の損傷又はその修理跡があるもの」を修復歴としないと書かれている。けん引フック取付け部の損傷、バンパステー取付け部の小さな凹みも除外されます。
フレーム車の表は別です。【フレーム車の取扱い】は「クロスメンバーも含め原則、フレーム(Cランク)として取扱う。ただし、トラック(SUV系トラック除く)は、下表参照」と定め、そのトラックの表でフレーム(Cランク)の修復歴としないものを4つ挙げています。「フロントクロスメンバー前面より前に位置する部分の損傷又はその修理跡があるもの」「けん引フック取付け部の損傷又はその修理跡があるもの」「改造、加工等による溶接処理跡があるもの」「リヤエンドクロスメンバー後面より後に位置する部分の損傷又はその修理跡があるもの」の4つです。クロスメンバー(リヤエンドクロスメンバーを除く。Aランク)については、凹みが大小を問わず除外されます。
カムロードのようなトラックシャシーに架装するキャブコンは、このフレーム車の側に入る。したがって前まわりの境界はラジエータコアサポートではなく、フロントクロスメンバーの前面です。バンコンの感覚でコアサポートを基準に見ると、判定の位置を数十センチ取り違えます。なお同表には注記があり、修復歴としないものの修理跡には価値減点10点を適用し、修理を要するものは実費減点とすると書かれています。修復歴が付かないことと、査定額が落ちないことは別の話です。
では中古キャンピングカーで何を聞くか。骨格8部位の状態は書面に残ります。修復歴がある車両については、修復歴の部位を書面で表示し、購入者に交付することが規約第12条で定められている。逆にシェルの修理歴は、この書面には出てこない。書面に残らない事項は後から確認する手立てが乏しいので、内見の場で「架装部の修理歴と雨漏り履歴を、整備記録で見せてほしい」と口に出す必要があります。
なお、修復歴の不当表示は現実に起きています。同協議会は2026年5月7日、修復歴がある13台を「修復歴なし」と広告掲載した事業者に対し、警告に従わなかったことを理由に違約金200万円の措置を採ったと公表しました。規約第14条第6号は、修復歴があるにもかかわらずその旨を表示しないことにより修復歴がないかのように誤認されるおそれのある表示を、不当表示として禁じています。
8ナンバーは、買った瞬間から「維持できるか」の問題に変わる

8ナンバーが何を意味するかは、税の話として8ナンバーと3ナンバーの違いを扱った記事に書いた。ここでは中古を買う人だけに関係する側面に絞る。8ナンバーのキャンピング車は、構造要件を満たしている状態で登録されている車です。装備を外せば要件から落ちる。
国土交通省の用途区分通達に基づく構造要件(別添3-4「キャンピング車」)は、次を求めています。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 就寝設備の数 | 乗車定員の3分の1以上(端数は切り捨て。乗車定員2人以下の自動車は1人以上) |
| 大人用就寝部位の寸法 | 1人につき長さ1.8m以上、幅0.5m以上の連続した平面 |
| 就寝部位の上方 | 0.5m以上の空間(短辺から長手方向0.9mまでの範囲は0.3m以上) |
| 水道設備 | 10リットル以上の給水タンクと洗面台等、10リットル以上の排水タンク |
| 炊事設備 | 0.3m以上×0.2m以上の調理台等と、コンロ等 |
| 設置位置 | 洗面台等および調理台等に正対して使用でき、利用者との間に他の設備等がなく、かつ利用するための床面がその他の床面との間に著しい段差を有していないこと |
| 有効高さ | 利用するための床面から上方1,600mm以上。洗面台等は上端(蛇口、レバー及び浄水器等、水を供給する構造を除く)が、調理台等は上面が、床面から850mm以下の場合は1,200mm以上 |
| 投影面積 | 洗面台等と調理台等、およびそれらを利用する場所の床面への投影面積が0.5平方メートル以上 |
| 物品積載設備 | 有していないこと |
この形になったのは令和4年3月1日付け国自整第278号による改正です(国土交通省の改正履歴に記載された最新の改正)。厳密な適用開始日を同省の公表資料からは確認できていないものの、2022年1月24日時点で公開されていた通達本文はまだ旧規定だったので、切り替わったのは2022年のうちです。
改正前後のPDFを突き合わせると、実質的な変更は5か所ありました。「緩和された」という総括だけでは足りません。
| 変更点 | 改正前 | 改正後 | 向き |
|---|---|---|---|
| 就寝設備の数 | 端数は切り上げ、乗車定員3人以下は2人以上 | 端数は切り捨て、乗車定員2人以下は1人以上 | 緩和 |
| 子供用就寝設備の換算 | 大人用を2人分以上有している場合に、子供用2人分を大人用1人分と見なす | 大人用を少なくとも1人分以上有している場合 | 緩和 |
| 洗面台等・調理台等の設置位置 | 正対して使用でき、利用者との間に他の設備等がないこと | 上に加えて、利用するための床面がその他の床面との間に著しい段差を有していないこと | 厳格化 |
| 有効高さ | 一律1,600mm以上 | 上端または上面が床面から850mm以下なら1,200mm以上 | 緩和 |
| 脱着式設備の収納場所 | 規定なし | 専用の収納場所の面積を「特種な設備の占有する面積」へ算入できる(兼用部位は専用の収納場所に該当しない) | 緩和 |
天井の低い軽キャンパーや小型のバンコンにとって、就寝設備の数と有効高さが壁だった。緩和が効いたのはそこだと筆者は読んでいます。
見落としてはいけないのが3行目です。段差の要件は改正で新しく足されたもので、内見でその場に立って確かめられる項目です。 シンクの前の床だけが一段上がっている、あるいは調理台の前が段差で分断されている個体は、現行の要件から外れる可能性がある。2022年より前に登録された車が、そのままの構造で継続検査を通っている場合もあります。判断は運輸支局に委ねられるため、気になる段差があれば購入前に販売店経由で確認を通してください。
中古で問題になるのは、この緩和の逆方向です。2022年3月以前に登録された車は、旧要件で就寝設備を2人分持っている場合がある。前オーナーが二段ベッドの上段を外して収納にした、シンクを撤去してテーブルにした、という改造が入っていると、車検証の記載と実車が食い違う。継続検査でここを指摘されると、その場では通らない。
法令上の建て付けはこうです。自動車検査証の記録事項に変更があったときは、15日以内に変更記録を受けなければならない(道路運送車両法第67条第1項)。そして同法施行規則第38条第8項が、長さ、幅または高さ、車体の形状、原動機の型式、燃料の種類、自家用または事業用の別、用途、乗車定員または最大積載量などの変更を、構造等変更検査を命じうる事由として列挙しています。ベッドを1段外して定員や用途に影響が出るかどうかは実車判断になるため、購入前に販売店経由で運輸支局へ確認を通すのが安全です。
8ナンバーの車検が毎年になる境界は「乗車定員11人」
条件別に分けて書く。8ナンバーだから毎年車検、という説明を見かけるが、条文はそうなっていない。
自動車検査証の有効期間を定める道路運送車両法第61条第1項は、「旅客を運送する自動車運送事業の用に供する自動車、貨物の運送の用に供する自動車及び国土交通省令で定める自家用自動車であつて、検査対象軽自動車以外のものにあつては一年、その他の自動車にあつては二年とする」と書いています。「検査対象軽自動車以外のもの」という限定が付いているため、軽自動車はこの1年のグループに入りません。 ここでいう国土交通省令で定める自家用自動車は、施行規則第37条第1項が3つに限定しています。乗車定員11人以上の自家用自動車、専ら幼児の運送を目的とする自家用自動車、自家用有償旅客運送の許可に係る自家用自動車の3つです。
初回3年の扱いも見ておく。法第61条第2項第2号は自家用乗用自動車の初回を3年としていますが、施行規則第37条第3項第6号が「広告宣伝用自動車その他特種の用途に供する自家用自動車」をここから除いています。キャンピング車は特種用途自動車なので、初回3年の対象にならない。
| 区分 | 初回 | 2回目以降 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 8ナンバー・キャンピング車(乗車定員10人以下。軽の8ナンバーを含む) | 2年 | 2年 | 法第61条第1項、第2項第2号、規則第37条第3項第6号 |
| 8ナンバー・キャンピング車(乗車定員11人以上) | 1年 | 1年 | 規則第37条第1項第1号 |
| 1ナンバー・小型4ナンバーの貨物(軽を除く。車両総重量8トン未満) | 2年 | 1年 | 法第61条第1項、第2項第1号 |
| 軽4ナンバー(軽貨物) | 2年 | 2年 | 法第61条第1項(検査対象軽自動車以外のものに限る、の反対解釈) |
| 3ナンバー・5ナンバーの自家用乗用 | 3年 | 2年 | 法第61条第2項第2号 |
境界値は3つあります。8ナンバーの中では乗車定員11人。貨物登録の中では、軽か軽以外かで2回目以降が2年と1年に分かれる。そしてナンバー区分としては、8ナンバーか小型貨物かで2回目以降が分かれる。中古のバンコンには貨物登録のまま架装された個体が混ざっているので、車検証の「用途」欄と「車両の種別」欄をあわせて読んでください。軽キャンパーを検討している人が「貨物だから毎年車検」と身構える必要はありません。バンコンの比較と選び方で扱ったベース車の違いと合わせて見ると、維持費の差が読めます。
LPガス容器の刻印は、走行距離より先に見る

架装の劣化のうち、期限が法令で決まっているものがLPガス容器です。
容器保安規則第24条は、容器再検査の期間を容器の種類ごとに定めています。溶接容器は経過年数20年未満が5年、20年以上が2年。耐圧試験圧力3.0メガパスカル以下かつ内容積25リットル以下の溶接容器等は、経過年数20年未満が6年、20年以上が2年です。起点は、再検査を受けたことのない容器なら刻印に示された容器検査合格月の前月の末日、再検査を受けたことがある容器なら前回の容器再検査合格月の前月の末日になります。
そして高圧ガス保安法第48条第1項第5号は、この期間を経過した容器への充填を認めていません。期限切れの容器を積んだ車を買うと、納車直後にガスを入れられない状態から始まることになる。刻印は容器の肩に打たれています。展示車で確認できる項目なので、走行距離を聞くより先に見てよい。
サブバッテリーとFFヒーターについては、法令上の期限がありません。だから書面で聞く。何年に何を交換したのか、記録簿に残っているか。残っていなければ、購入直後に発生する費用として見積もりに足しておく。値引き交渉の材料に使うより、支出の予定として持っておくほうが後で困りません。
よくある誤解を3つ
誤解1。「修復歴なし」なら架装も無事故である。 修復歴の定義は骨格8部位に限定されています(中古車に関する施行規則第14条)。キャブコンのシェルは骨格に含まれず、シェルの張り替えや床の組み直しは修復歴の対象外です。さらに日査協の判断基準は、モノコック車のサイドメンバーについて、ラジエータコアサポートより前とリヤエンドパネルより後の損傷を修復歴としないと明記している。「修復歴なし」は、限定された範囲についての正確な表示であって、車全体の無傷を意味しません。
誤解2。中古車の表示ルールは、すべての販売店に等しくかかる。 自動車公正競争規約は、景品表示法第36条第1項に基づいて認定された業界の自主ルールで、その警告や違約金は参加事業者に向けられています。2020年3月、同協議会は非会員事業者が21台を「修復歴なし」と表示した件を公表しました。同資料によれば、茨城県は景品表示法第5条第1号(優良誤認)に該当する行為が認められたとして、同法第7条第1項の規定に基づく措置命令を行っています。動いたのは協議会ではなく県です。景品表示法そのものは全事業者にかかるので野放しではないものの、規約が定める書面交付のルールまで自動的に守られるとは限らない。会員店かどうかは、同協議会の会員店検索システム(https://www.aftc.or.jp/search/index.html )で会社名や住所から確認できます。
誤解3。8ナンバーのキャンピングカーは毎年車検である。 乗車定員10人以下のキャンピング車は初回も継続も2年です。1年になるのは乗車定員11人以上の場合で、根拠は施行規則第37条第1項第1号にあります。初回3年にならないのは、施行規則第37条第3項第6号が特種の用途に供する自家用自動車を除いているためで、毎年車検になるからではない。この誤解は、小型貨物(1ナンバー、4ナンバー)の2回目以降が1年であることと混ざって広まっているように見えます。ついでに書けば、軽貨物は法第61条第1項が1年の対象を「検査対象軽自動車以外のもの」に限っているため、軽の4ナンバーも2年です。
内見の前に揃えるものと、当日の順序
- 車検証の写しを事前にもらう。見るのは用途、車体の形状、乗車定員、初度登録年月、長さ幅高さ、車両重量の6項目。用途が「特種」でなければ8ナンバーではない
- プライスボードを読む。展示車には車名と主な仕様区分、初度登録年月、販売価格、走行距離数、自家用等の別、車検有効期限、前使用者の点検整備記録簿の有無、保証の有無、定期点検整備実施の有無、修復歴の有無を表示することになっている(規約第11条第1項)。掲示場所はフロントガラスの内側と定められている
- 走行距離数の見方に注意する。展示時点のメーター値を千キロメートル未満四捨五入で表示するルールなので(施行規則第7条)、表示が「6万km」でも実測は59,500kmから60,499kmの幅を持つ
- 修復歴が「有」なら、修復歴の部位を書いた書面を求める。規約第12条第1項第5号と第3項が、書面での表示と購入者への交付を定めている
- 架装側の記録を別に求める。雨漏り修理、シェル外板の張り替え、サブバッテリーとFFヒーターの交換年、給排水タンクの清掃履歴
- 洗面台と調理台の前に立ってみる。正対して使えるか、利用者との間に他の設備が挟まっていないか、床に著しい段差が無いかの3点が現行の構造要件に入っている。段差の要件は2022年の改正で追加された項目で、旧要件のまま登録された個体では満たしていない場合がある
- LPガス容器の刻印を見て、再検査期限を確認する
- 前使用者の点検整備記録簿の有無を確認する。展示時点から遡って2年以内の定期点検整備があり、記録簿が備え付けられている場合に「有」と表示される(施行規則第10条)
- 保証の有無と内容を、支払総額の内訳と一緒に確認する
購入後の手続きと費用も先に見ておく。所有者が変わったら15日以内に移転登録を申請します(道路運送車両法第13条第1項)。窓口申請の登録手数料は700円で、2026年4月1日に改定されました。装備を変えて構造等変更検査を受ける場合は、普通自動車が検査登録印紙600円と自動車審査証紙2,300円の合計2,900円、小型自動車が600円と2,200円の合計2,800円です(関東運輸局の手数料一覧、令和8年4月1日現在)。
任意保険では注意点が一つあります。SBIのインズウェブは公式のよくある質問で、8ナンバーのキャンピングカーの場合は一括見積もりサービスを利用できないと明記し、改造車についても同様に案内しています。他社の一括見積もりについては筆者が横断的に確認していないため、対象かどうかは各社の規約で確かめてください。少なくともインズウェブは対象外なので、保険料を比べたいなら保険会社や代理店へ個別に当たる前提で時間を確保することになります。
なお、実車をまとめて見たいなら横浜キャンピングカーショー2026が9月26日と27日にパシフィコ横浜で開かれます。新車の現物で就寝設備や水回りの寸法感をつかんでから中古を見に行くと、内見の質が変わります。
よくある質問
修復歴ありの中古キャンピングカーは避けるべきですか
一律に避ける必要はありません。判断すべきは部位です。筆者は、フレーム(サイドメンバー)とピラーの修正を最優先で警戒し、トランクフロアパネル単体の交換は程度と価格差を見て判断します。キャブコンの場合は日査協基準のフレーム車の表が適用されるため、フレームの曲がりや交換があるかを先に確認してください。修復歴がある車両については修復歴の部位を書いた書面が交付されるので、部位を確認したうえで整備工場に現車を見せるのが確実です。書面を出せない店とは商談を進めないでください。
キャブコンのシェルの雨漏りは、どうやって見分けますか
法令上の表示義務が無いため、記録と実車の両方で当たるしかありません。天井と壁の接合部、ルーフベントやマーカーランプの周囲、家具の裏側の壁面を見て、シミ、浮き、カビ臭を確認します。合板が水を吸うと表面より先に手触りが変わるので、指で押して沈む場所を探す。過去の修理歴は整備記録簿と架装メーカーの入庫履歴で確認できることがあるため、車台番号を伝えてメーカーに問い合わせられるかを販売店に聞いてください。
中古で買ったあとにベッドを外すと違法になりますか
外した結果として自動車検査証の記録事項が変われば、15日以内に変更記録を受ける必要があります(道路運送車両法第67条第1項)。就寝設備の数はキャンピング車の構造要件そのものなので、乗車定員の3分の1(端数切り捨て)を下回れば要件から外れます。乗車定員や用途に影響するかどうかは実車の判断になるため、着工前に運輸支局へ確認してください。構造等変更検査の手数料は普通自動車で2,900円です。
8ナンバーの中古は税金や保険で不利になりませんか
税の比較は当サイトの別記事で扱っています。保険については、一括見積もりサービスが8ナンバーのキャンピングカーを対象外としている点が実務上の障害になります。インズウェブは公式のよくある質問で利用できない旨を案内しており、保険会社または代理店に直接見積もりを依頼するよう求めている。一括で比べる手段が使えない以上、社数を絞って個別に当たることになります。購入契約と並行して問い合わせを始めてください。
中古の相場はどこで調べればよいですか
横断的な公的統計は確認できていません。日本RV協会が公表しているのは新車と中古を合算した販売売上総額で、2025年は約917億円(対前年比81.4%)でした。中古単体の平均価格は開示されていない。実務では複数の販売サイトで同じ型式、同じ年式、同じ架装メーカーの個体を並べ、支払総額どうしで比べる方法しかありません。比較の際は、修復歴の有無、車検残、架装の交換履歴をそろえてから価格を並べてください。
更新日と出典
2026年8月15日時点の情報です。法定手数料は2026年4月1日に改定され、日査協の中古自動車査定基準は令和8年4月1日実施の版に切り替わり、公正競争規約の骨格部位の名称変更は承認申請中で施行日が未定です。構造要件と車検の扱いも通達および省令の改正で変わります。個別の車両が要件を満たすかどうかの判断は、管轄の運輸支局と販売店に必ず確認してください。 本記事は判断の材料を示すもので、特定の車両の適合を保証しません。
- 自動車公正取引協議会「自動車公正競争規約集(2025年4月)」規約第11条・第12条・第14条・第20条、中古車に関する施行規則第1条・第2条・第6条・第7条・第10条・第14条・第15条 https://www.aftc.or.jp/content/files/am/kiyaku/HP_kiyaku_202304.pdf
- 自動車公正取引協議会「自動車公正競争規約とは」 https://www.aftc.or.jp/contents/am/kiyaku/index.html
- 自動車公正取引協議会「会員店検索システム」 https://www.aftc.or.jp/search/index.html
- 自動車公正取引協議会「公正競争規約の新車及び中古車に関する施行規則改正(案)が承認されました」2026年4月8日(骨格部位の名称変更、施行日未定) https://www.aftc.or.jp/content/files/pdf/aftc_info/aftcinfo_20260408.pdf
- 日本自動車査定協会「中古自動車査定基準Ⅰ(令和8年4月1日実施)」修復歴の判断基準およびフレーム車の取扱い(P.59〜60) http://www.jaai.or.jp/images/jissiten/sateikijun260330/sateikijun.pdf
- 日本自動車査定協会「変更箇所のお知らせ(令和8年4月1日実施)」 http://www.jaai.or.jp/images/jissiten/sateikijun260330/henkoukasho.pdf
- 日本自動車査定協会「査定業務実施店様へ」(上記2点の掲載元) http://www.jaai.or.jp/jissitensama.html
- 自動車公正取引協議会「日査協の修復歴判断基準が一部変更となります」平成31年3月26日(3団体で同一基準である旨) https://www.aftc.or.jp/content/files/pdf/aftc_info/aftcinfo_20190326.pdf
- 自動車公正取引協議会「中古車の修復歴に関する不当表示で違約金200万円の措置」2026年5月7日 https://www.aftc.or.jp/content/files/pdf/aftc_info/aftcinfo_20260507.pdf
- 自動車公正取引協議会「修復歴に関する不当表示を行った公取協非会員事業者に対し、茨城県が措置命令」2020年3月11日 https://www.aftc.or.jp/content/files/pdf/aftc_info/aftcinfo_20200311.pdf
- 国土交通省「『自動車の用途等の区分について(依命通達)』の細部取扱いについて」別添3-4 キャンピング車 https://www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/kensa/PDF/kubun-3-4-80.pdf
- 国土交通省「自動車検査・登録ガイド(用途区分通達の細部取扱い、改正履歴を含む)」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/kensa/kns07_2.htm
- 改正前の構造要件(2022年1月24日時点の同PDF・インターネットアーカイブ) https://web.archive.org/web/20220124113041/https://www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/kensa/PDF/kubun-3-4-80.pdf
- 道路運送車両法第13条・第61条・第67条、道路運送車両法施行規則第37条・第38条第8項、容器保安規則第24条、高圧ガス保安法第48条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/
- 国土交通省「自動車の登録・検査の法定手数料変更について(令和8年4月1日)」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001986066.pdf
- 関東運輸局「登録・検査手数料一覧表(令和8年4月1日現在)」 https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/content/000109105.pdf
- 日本RV協会「2025年キャンピングカー国内保有台数は173,000台へ!」2026年3月31日発表 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000095.000095655.html
- 日本RV協会「2024年キャンピングカー販売総額が過去最高の1,126.5億円超え!」2025年1月31日発表 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000066.000095655.html
- SBIのインズウェブ「自動車保険一括見積もりサービス よくある質問」 https://www.insweb.co.jp/car/faq

