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ナッツRV新型バンコン「ファミエール」|全高2,105mmはどこに停まるか

ナッツRVが新型バンコン「ファミエール」を9月8日に発表しました。ファミモをベースに家庭用エアコンとエボライト2を搭載。公式が示した全高2,105mmは、立体駐車場の高さ制限2.1mとの間が5mmです。価格と諸元は未発表。

篠原徹
キャンピングカージャーナルの車両・制度担当。前職は中古車販…
公開2026.09.09
読む時間9 min

ナッツRVが新型バンコン「ファミエール」を2026年9月8日に発表しました。人気バンコンの「ファミモ」をベースに、家庭用エアコンと走行充電システム「エボライト2」を積んだモデルです。
受注は9月12日・13日の第18回久留米キャンピングカーフェアから始まります。

価格も車両諸元表もまだ出ていません。公式ニュースが数字で示しているのは、全長4,840mmと全高2,105mmの2つだけです。
この全高が、この車を普段どこに停められるかを決めます。

  • ベースは「ファミモ」。変更点は家庭用エアコン、エボライト2、シンクの標準装備化と位置変更、室内照明のダウンライト化の4つ
  • 公式は全長4,840mm・全高2,105mmと明記し、「商業施設の立体駐車場も駐車可能」と告知
  • 立体駐車場の高さ制限は2.1m=2,100mmの表示が多い。2,105mmとの差は5mm。2.3m以上の表示なら余裕がある
  • 価格、乗車・就寝定員、サブバッテリー容量は未発表。ベースのファミモは5,516,700円から(税込・改定日2026年3月9日)
  • 受注開始は9月12日・13日の久留米キャンピングカーフェア会場から

ファミモに家庭用エアコンが載った

公式ニュースが挙げている変更点は4つです。家庭用エアコンの搭載、走行充電システム「エボライト2」の搭載、シンクの標準装備化と位置の変更、室内照明のダウンライト化。

家庭用エアコンはオプションではなく標準装備です。公式ニュースの見出しが「家庭用エアコン標準装備」と書いています。

ファミエール(9月8日の公式ニュース)ファミモ(車両諸元表・改定日2026年3月9日)
空調家庭用エアコンを標準装備フロントオートエアコン/リヤクーラー/リヤヒーター
走行充電「エボライト2」を搭載。「大容量60Ahの走行充電」走行充電システム(60A)
シンク標準装備。運転席の後ろへ移動簡易シャワー付シンク+給排水タンク10Lが標準(Type-C向けの流し台KITは52,910円のオプション)
室内照明ダウンライト室内照明(LED)
全長・全高4,840mm・2,105mm4,840mm・2,105mm

シンクについて、公式は「後部にあったシンクが、運転席後ろに移動し使い勝手が良くなりました」と書いています。後部で使う流し台と、運転席の背中側で使う流し台では、ベッドを展開したあとの動線が変わります。ファミモのType-Aは、後部が簡単なベッドメイクで約2300×1700のフラットベッドになるレイアウトです。

ファミモにはType-A(セカンドシート前後向き有)とType-C(両側横向き二の字シート)の2タイプがあります。ファミエールがどちらの構成を引き継ぐのか、両方が用意されるのかは発表されていません。

走行充電の表記は、公式ニュースが「大容量60Ahの走行充電」、ファミモの車両諸元表が「走行充電システム (60A)」。エボライト2でサブバッテリーの種類と容量、インバーターの出力がどうなるかは公表されていません。

ここは実数で見ておくと、聞くべきことがはっきりします。ファミモと、家庭用エアコンを積んだ先行モデルのラディクールでは、電装の中身がこれだけ違います。

ファミモ(改定日2026年3月9日)ラディクール(改定日2026年8月29日)
サブバッテリーディープサイクル1個が標準。追加バッテリー(1個100Ah)は47,410円のオプションディープサイクルサブバッテリー 300Ah が標準
インバーター400W(正弦波)が標準。1500Wは171,820円のオプションインバーター1500W(正弦波)が標準
外部電源27,830円のオプション標準装備(電源コード10m付)
走行充電走行充電システム(60A)EVOLITEⅡ急速走行充電システム
家庭用エアコン設定なし標準装備(ダイキン・リソラ)

家庭用エアコンを動かす側の電装は、ラディクールでこの水準に置かれています。ファミエールがどちらに近いのかは公表されていません※1。ラディクールの価格と電装はナッツRV「ラディクール」価格は798万円からにまとめてあります。

運転席の後ろにシンクが置かれたバンコンの室内
シンクが運転席の後ろへ移り、天井の照明はダウンライトになった

全高2,105mmで入る駐車場、入らない駐車場

公式ニュースは「全長4840mm、全高2105mmだから商業施設の立体駐車場も駐車可能!」と告知しています。
この数字を自分の生活圏に当てはめるには、駐車場側の高さがどう決まっているかを知っておく必要があります。

駐車場法施行令 第九条の条文です。

建築物である路外駐車場の自動車の駐車の用に供する部分のはり下の高さは、二・一メートル以上でなければならない。

2.1メートルは下限です。上限ではありません。
下限どおりに造られた駐車場のはり下は2,100mm。ファミエールの2,105mmは、そこから5mm上にあります。

車路には別の数字が置かれていて、第八条第三号イが「はり下の高さは、二・三メートル以上であること。」と定めています。走る場所のほうが20センチ高い、という関係です。

そして入口に掲げられている制限表示は、その施設の運用上の数字です。天井から配管や照明が下がっていれば、法令上のはり下より低い数字が出ます。判断の材料になるのは、条文ではなく現地の表示のほうです。

入口の高さ制限表示全高2,105mmの車
2.0m(2,000mm)105mm超える
2.1m(2,100mm)5mm超える
2.3m(2,300mm)195mmの余裕
2.5m(2,500mm)395mmの余裕

2.1m表示の駐車場は入口で引き返すことになります。2.3m以上の表示なら余裕がある。ファミエールが「商業施設の立体駐車場も駐車可能」という側に立つのは、この2.3m以上のグループです。

だから普段使いを考える順番はこうなります。まず、よく行く商業施設・病院・駅前の駐車場が何メートル表示かを調べる。2.1mばかりが並ぶ生活圏なら、この車でも入口で止まる場面は残ります。2.3mや2.5mの立体駐車場が使えるなら、どちらの表示にも入らないキャブコンとは、行動できる範囲がまるごと変わります。

高さ制限そのものの仕組み——どの駐車場に法令の基準がかかり、どこにかからないのか——はキャンピングカーが立体駐車場に入れない理由|高さ制限2.1mで扱いました。

同じナッツRVの家庭用エアコン搭載バンコンでも、全高は揃っていません。

モデル全高ベース車
ファミエール2,105mm(9月8日の公式ニュース)未発表(ファミモがベース)
ファミモ2,105mm(改定日2026年3月9日)ハイエース ワゴンGL ロング/ワイド/ミドルルーフ
ラディクール2,285mm(改定日2026年8月29日)ハイエース キャンパー特装車 スーパーロング/ワイド/ハイルーフ

ラディクールの2,285mmは、2.3m表示に対して15mmです。ベース車がハイルーフのキャンパー特装車で、ミドルルーフのファミモとは180mmの差があります。

室内高はどちらも公式サイトに数字がありません。屋根の180mmが車内で使える高さにどう出るかは、実車で見る部分です。停められる場所を優先するか、室内の余裕を優先するか。同じメーカーの同じ「家庭用エアコン付きバンコン」でも、選ぶ理由が分かれます。

立体駐車場の入口で高さ制限バーに近づくバンコン
判断の材料は法令の条文ではなく、入口に掲げられた表示のほう

2,105mmは屋根に何も載せていないときの数字

車両の全高は、屋根の上に何も付いていない状態の寸法です。

ファミモのオプション一覧には、280Wクラスソーラーチャージャー(236,280円)とマックスファンベンチレーター(87,340円)が並んでいます。どちらも屋根に付く装備です。装着で何mm高くなるかは公式に記載がありません。ファミエールのオプション一覧は、2026年9月9日時点で公開されていません。

もうひとつ、家庭用エアコンには室外機の置き場所が要ります。ラディクールの車両諸元表には「室外機設置の為、スペアタイヤは積み込みとなります」という注記が付いています。ファミエールの室外機がどこに付くのか、2,105mmが室外機を含んだ数字なのかは、公式ニュースからは分かりません。

車検証に記載される高さにも公差が認められています。この数字と根拠も、先ほどの高さ制限2.1mの記事に載せました。

2.1m前後の駐車場を日常的に使うつもりなら、確認する数字は3つです。

  • 実際に契約する仕様での全高(ソーラーパネル、ベンチレーター、室外機を含んだ状態)
  • 納車された車の車検証に記載される高さ
  • よく行く駐車場の入口に出ている表示

カタログの1行だけで決めると、5mmや10mmの差は見えません。

バンコンの屋根に付いたソーラーパネルとベンチレーター
屋根に載る装備は、カタログの全高には含まれていない

価格は未発表。ベースのファミモは551万円から

ファミエールの価格は発表されていません。公式サイトのラインナップ一覧にも、車種ページはまだ置かれていません(2026年9月9日時点)。

判断の起点になるのは、ベースであるファミモの価格です。

ファミモ 車両本体価格(税込)Type-AType-C
2WD AT ガソリン 2,700cc GL5,606,700円5,516,700円
4WD AT ガソリン 2,700cc GL5,916,800円5,826,800円

改定日は2026年3月9日。いずれも車両本体の税込価格で、リサイクル料金、税金、保険料、登録等に伴う諸費用、オプションは含まれていません。

定員はファミモの車両諸元表で乗車8名、就寝が大人3名。ベース車はハイエース ワゴンGLです。オプションには2段ベッド(1600×1000)が139,150円で用意されています。ファミエールの乗車定員と就寝定員は未発表です。

エアコン搭載モデルがベースからどれだけ上がるかについては、先行するラディッシュとラディクールに数字があります。ラディッシュの2WDガソリンが6,684,700円(改定日2026年3月9日)、ラディクールの2WDガソリンが7,980,000円(改定日2026年8月29日)。差は1,295,300円です。

ただし2つの価格表は改定日が違い、ファミエールに同じ差が当てはまるとは公式のどこにも書かれていません※1。ベースとエアコン搭載モデルの間にこれだけの開きが出た先例がある、というところまでです。

エンジンはファミモがガソリンの2,700cc(2TR-FE 160PS)のみで、ディーゼルの設定がありません。ラディクールにはディーゼルターボ2,800ccの設定があります。ファミエールにディーゼルが用意されるかどうかも未発表です。

受注は9月12日から。会場で聞いておくこと

公式ニュースは「第18回久留米キャンピングカーフェアin百年公園から、受注スタート」と書いています。会期は9月12日(土)・13日(日)、会場は久留米百年公園(福岡県久留米市百年公園2432-1)。入場も駐車場も無料です(久留米キャンピングカーフェア2026の詳細)。

納期については「ハイエースの入荷が続々決定!」「早ければ、秋から年末にかけて納車可能なバンコンもあります」とあります。この文は車種を特定していません。ファミエールが年内に納車できるかどうかは、ここからは読み取れません。

価格も諸元も出ていない状態でのデビューです。会場で聞く項目を決めていったほうが早い。

  • 車両本体価格。Type-AとType-Cの構成はどうなるか
  • 全高2,105mmは、ソーラーパネルや室外機を含んだ数字か
  • 室外機はどこに付くか。スペアタイヤの扱いはどうなるか
  • サブバッテリーの種類と容量、インバーターの出力
  • その構成で家庭用エアコンを何時間動かした実測があるか
  • 契約から納車までの見込み

5つ目は、カタログのAhを見比べても答えが出ない項目です。同じ300Ahのリチウムイオン電池で、家庭用エアコンの連続稼働が26時間15分と16時間15分に割れた実測が公表されています(キャンピングカーの家庭用エアコンは何時間動くか)。夏の夜に電源なしでどこまで持つのかは、容量表示ではなく実測時間と条件で聞いてください。

そして高さです。展示車にソーラーパネルやベンチレーターが載っているかどうかは、屋根を見れば分かります。その1台の全高を聞いておくと、帰ってから自分の生活圏の駐車場を調べ直す作業が具体的になります。

更新日:2026年9月9日

出典

  • ナッツRV「【新型バンコン第2弾!】家庭用エアコン標準装備「ファミエール」がついにデビュー!普段使いできるコンパクトバンコン!」(掲載日・更新日 2026年9月8日)https://nutsrv.co.jp/contents/news/famiair20260908/
  • ナッツRV「famimo ファミモ」https://nutsrv.co.jp/lineup/famimo/
  • ナッツRV「ファミモ 価格・スペック」(改定日2026年3月9日)https://nutsrv.co.jp/lineup/famimo/pricespec.php
  • ナッツRV「ファミモ 車両諸元・標準装備・オプション」(PDF・改定日2026年3月9日)https://nutsrv.co.jp/lineup/famimo/pricespec20260309.pdf
  • ナッツRV「ラディクール 価格・スペック」(改定日2026年8月29日)https://nutsrv.co.jp/lineup/radicool/pricespec.php
  • ナッツRV「ラディクール 車両諸元・標準装備」(PDF・改定日2026年8月29日)https://nutsrv.co.jp/lineup/radicool/pricespec20260829_base.pdf
  • ナッツRV「ラディッシュ 価格・スペック」(改定日2026年3月9日)https://nutsrv.co.jp/lineup/radish/pricespec.php
  • e-Gov法令検索「駐車場法施行令」(昭和三十二年政令第三百四十号)https://laws.e-gov.go.jp/law/332CO0000000340

注釈

※1 ファミモとラディッシュの価格・諸元は改定日2026年3月9日、ラディクールの価格・諸元は改定日2026年8月29日の公表値で、時点が異なります。ファミエールの価格表と車両諸元表は、2026年9月9日時点で公開されていません。本記事でファミエールについて書いた数字は、9月8日の公式ニュースに記載があるものだけです。

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篠原徹

キャンピングカージャーナルの車両・制度担当。前職は中古車販売の現場。いまはキャブコンで年20泊ほど走っています。キャンピングカー、トレーラー、RVパーク、法規と税を、条文と公的資料の一次情報に当たって整理します。自治体や条件で結論が変わることは、変わると書きます。