首都高速道路の料金が、2026年10月1日(木)午前0時から変わります。1kmあたりの単価を引き上げる改定で、普通車なら29.52円/kmが32.472円/kmに、上限額は1,950円から2,130円になります。
ただし、上がるのは全車ではありません。中型車・大型車・特大車は2027年6月30日まで改定前の料金のままです。
キャンピングカーは、この境目をちょうどまたいでいます。同じ8ナンバーでも、車種区分が普通車なら10月1日から上がる。中型車以上なら、値上げが来るのは来年7月。
10月1日まで残り26日。9月のうちに確かめておくのは「自分の車がどちらか」の一点です。
- 普通車・軽は10月1日から改定後料金。中型車以上は2027年6月30日まで現行料金
- 区分を決めるのは車検証の記載であって、ナンバープレートの「8」ではない
- トレーラーを牽くと区分が1つ上がる。普通車+1軸トレーラーは中型車=据え置き側
- ETC非搭載だと、距離に関係なく上限額(改定後の普通車で2,130円)
10月1日に何が変わるか
改定されるのは「1kmあたりの料金」です。首都高のETC料金は、料金距離に車種区分ごとの単価を掛け、そこへ1回の利用ごとの固定額150円を足し、消費税率を掛けて10円単位に四捨五入して決まります。今回の改定は、この掛け算の単価だけを動かすものです。
| 車種区分 | 1kmあたり(改定前) | 1kmあたり(改定後) | 10月1日からの扱い |
|---|---|---|---|
| 軽・二輪 | 23.616円 | 25.978円 | 改定後の料金 |
| 普通車 | 29.52円 | 32.472円 | 改定後の料金 |
| 中型車 | 35.424円 | 38.966円 | 2027年6月30日まで改定前のまま |
| 大型車 | 48.708円 | 53.579円 | 2027年6月30日まで改定前のまま |
| 特大車 | 81.18円 | 89.298円 | 2027年6月30日まで改定前のまま |
上限額も同じ割合で動きます。普通車は1,950円から2,130円へ、軽・二輪は1,590円から1,740円へ。中型車以上は据え置き期間中、中型車2,310円、大型車3,110円、特大車5,080円のままです。
下限料金は動きません。普通車300円、軽・二輪280円、中型車330円。上限料金が適用される距離も変わらず、55.0km以上を走った場合は55.0kmの額が適用されます。首都高を端から端まで抜ける使い方をしても、上限額を超えることはありません。
首都高が公表している普通車・ETCの具体例が、実感としては分かりやすいはずです。
| 区間 | 料金距離 | 現行 | 改定後 |
|---|---|---|---|
| 川崎浮島JCT〜空港中央 | 4.2km | 300円 | 320円 |
| 京葉道接続〜錦糸町 | 7.9km | 420円 | 450円 |
| 中央道接続〜箱崎 | 18.8km | 780円 | 840円 |
| 川口JCT〜葛西 | 33.8km | 1,260円 | 1,370円 |
| 三ツ沢接続〜三郷JCT | 56.6km | 1,950円 | 2,130円 |
上がり幅は、短い区間で20〜30円、上限に届く長距離で180円。1泊2日の遠征で往復しても、増える負担は数百円という規模です。金額そのものより、後述する区分の判定を間違えているほうが影響は大きくなります。
車種区分の枠組み自体は変わりません。10月1日以降も「軽・二輪」「普通車」「中型車」「大型車」「特大車」の5区分です。割引も、大口・多頻度割引の割引率拡充(最大45%)、都心流入割引、都心流入・湾岸線誘導割引が2031年3月末まで続きます※1。

8ナンバーであることは、区分を決めない
首都高の車種区分表に「特種用途自動車」や「8ナンバー」という項目はありません。区分を決めているのは、自動車の種別と大きさ、乗車定員、車両総重量、最大積載量、車軸数です。
NEXCO東日本が公開している車種区分表には、車検証の「自動車の種別」欄にある「普通」は料金の車種区分の「普通車」を指すものではない、という注記まで付いています。
そのうえで、キャンピングカーに関係する部分だけ首都高の定義を拾うと、次のとおり。
- 軽・二輪:軽自動車、小型特殊自動車、二輪自動車
- 普通車:小型自動車(二輪等を除く)、普通乗用自動車
- 中型車:「普通貨物自動車(車両総重量8t未満かつ最大積載量5t未満で3車軸以下のもの…)」「マイクロバス(乗車定員11人以上29人以下で車両総重量8t未満のもの)」
- 大型車:車両総重量8t以上または最大積載量5t以上の普通貨物自動車、車両総重量8t以上のバスなど
8ナンバーのキャンピング車が乗用と貨物のどちらとして扱われるかは、車検証の記載で決まります。JB本四高速が公表している車種区分表では、乗用自動車を「自動車検査証に最大積載量の記載がなく、かつ特殊の用途に供されている設備…が専ら人の運搬に供されているもの」と定義しています。代表的事例に挙がっているのは「救急車、護送車、キャンピング車」。ただし車両総重量8t以上で乗車定員10人以下のもの、最大積載量の記載があるものは貨物自動車として扱う、という但し書きが付いています※2。
つまり、車検証で見るのは次の欄です。
- 自動車の種別(軽自動車・小型・普通)
- 最大積載量(空欄か、数字が入っているか)
- 車両総重量(8t未満か以上か)
- 乗車定員(10人以下か、11人以上か)
これを首都高の区分に当てはめると、キャンピングカーはこう分かれます。
| 車のタイプ | 首都高の区分 | 10月1日からの料金 |
|---|---|---|
| 軽キャンパー(軽自動車のまま架装) | 軽・二輪 | 上がる |
| バンコン・キャブコンで8ナンバー、最大積載量の記載なし・車両総重量8t未満 | 普通車 | 上がる |
| 1ナンバー(普通貨物)のまま架装した車で、車両総重量8t未満・最大積載量5t未満・3車軸以下 | 中型車 | 2027年6月30日まで据え置き |
| マイクロバスベースで乗車定員11人以上29人以下・車両総重量8t未満 | 中型車 | 2027年6月30日まで据え置き |
| 車両総重量8t以上、または最大積載量5t以上 | 大型車 | 2027年6月30日まで据え置き |
数の上では、多くのキャンピングカーが普通車に入ります。乗用ベースのバンコンも、カムロードやデュカトに架装したキャブコンも、8ナンバーで最大積載量の記載がなければ普通車です。値上げは10月1日から来ます。
分かれ目になりやすいのが、貨物登録のまま使っている車と、定員を落とさずに架装したマイクロバスベースの車。この2つは中型車になり、9カ月遅れて2027年7月から上がります。乗車定員は区分に直結する数字なので、架装で座席を減らしている車は車検証の現在の記載を見てください(8ナンバーの乗車定員|対面座席と2点式ベルトで何人乗れるか)。
なお、8ナンバーそのものの意味と3ナンバーとの税制上の違いは、こちらの記事で扱っています。車体の高さや長さは首都高の料金には効きませんが、駐車場では効きます(キャンピングカーが立体駐車場に入れない理由|高さ制限2.1m)。

トレーラーを牽くと区分が1つ上がる
トレーラーを牽くと、連結時の車種区分は牽引していないときより上がります。上がった先が中型車以上なら、10月1日の値上げは来ません。
首都高の連結車両の扱いは単純です。「被けん引車が1軸の場合、車種区分が1つ上がります。」「被けん引車が2軸の場合、車種区分が2つ上がります。」
普通車のキャンピングカーが1軸のトレーラーを牽けば中型車。据え置きの側に入ります。2軸トレーラーなら大型車で、これも据え置きです。
| 牽引車 | トレーラー | 連結時の区分 | 10月1日からの料金 |
|---|---|---|---|
| 軽自動車 | 1軸 | 普通車 | 上がる |
| 軽自動車 | 2軸以上 | 中型車 | 据え置き |
| 普通車 | 1軸 | 中型車 | 据え置き |
| 普通車 | 2軸以上 | 大型車 | 据え置き |
ETC無線走行なら、判定は料金所のセンサーが総軸数を検知して自動で行います。ここで気をつけたいのは、車載器の音声案内や利用履歴プリンターの表示が、牽引車単体の区分・料金で出る点。実際の請求は連結後の区分で行われるので、その場の表示と請求額が食い違います。走行から4〜5時間後にETC利用照会サービスを見ると、総軸数を反映した区分と料金が確認できます。
もうひとつ。被けん引車の車軸間距離が1m未満の場合、ETC無線走行はできません。この場合は一般レーンか混在レーンで停車して精算します。牽引免許や車両側の条件はトレーラーハウスの記事でも触れています(トレーラーハウスの設置条件は「移動できる状態か」で決まる)。

ETCを積んでいないと、距離に関係なく上限額
首都高では、現金とクレジットカードで払う場合の基本料金が、一部区間を除いてETC車の上限料金になります。首都高に入って最初の料金所でこの額を払えば全線を走れる、という仕組みです。
改定後の額は、軽・二輪1,740円、普通車2,130円、中型車2,520円(2027年6月30日までは2,310円)。
川崎浮島JCTから空港中央までの4.2kmを普通車で走ると、ETCなら改定後320円、現金なら2,130円。差は1,810円です。短距離で首都高を使う人ほど、この差が効きます。
さらに、現金・クレジットカードではETC専用入口を通れません。首都高はETC専用化を進めており、入口の選択肢そのものが狭くなります。レンタルのキャンピングカーで首都圏を走る予定があるなら、ETCカードを持っていくかどうかを出発前に決めておいたほうがいい。
高速道路全体の割引と車種区分の関係は、別記事で整理しています(2026年度のETC休日割引は「3連休すべて」が適用除外)。
9月のうちに片づけておくこと
まず、自分のルートの改定後料金を引いておくこと。首都高は改定後の料金・ルート検索(https://future-search.shutoko.jp/)を、9月30日以前の検索ページとは別に公開しています。よく使う出入口の組み合わせを入れれば、10月以降の額がその場で出ます。
次に、区分の確認。車検証を見ても判断がつかないときは、車検証を用意して料金所か首都高お客さまセンターへ。首都高は判別を円滑にするための「車種区分証明書」を発行しています。牽引や貨物登録のまま架装した車は、ここでの取り違えが数年ぶんの過払いになります。
適用の境目は10月1日午前0時00分。首都高の入口を通過した(最初のETCアンテナと通信した)時刻で決まり、9月30日23時59分以前に入っていれば、出口が10月1日でも改定前の料金です。夜通し走って明け方に着くタイプの出発をするなら、9月30日中に首都高へ入っておけば1回分は現行料金で通せます。
都心環状線へ流入する主要ルートには都心流入割引があり、改定後の割引後の額も公表済みです。三郷線側(三郷JCT、三郷、八潮、加平、小菅、向島など)と都心環状線の対象出入口の間なら、料金距離が22.0kmを超えても普通車950円までしか課金されません。中型車は1,020円、2027年7月からは1,110円。首都圏で毎回同じルートを走るなら、頭に入れておく数字はこの1つで足ります。
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更新日:2026年9月5日
出典
- 首都高速道路株式会社「2026年10月1日から首都高速道路の料金が変わります」(2026年7月31日)https://www.shutoko.co.jp/company/press/2026/data/07/31-toll/
- 首都高速道路株式会社「首都高速道路の料金改定」について(説明資料・PDF)https://www.shutoko.co.jp/-/media/pdf/responsive/corporate/company/press/2026/07/31-toll-shiryo.pdf
- 首都高ドライバーズサイト「料金改定に関するよくある質問」https://www.shutoko.jp/ss/2026ryoukin-kaitei/faq/
- 首都高ドライバーズサイト「改定後の料金」https://www.shutoko.jp/ss/2026ryoukin-kaitei/toll/
- 首都高ドライバーズサイト「割引の継続について」https://www.shutoko.jp/ss/2026ryoukin-kaitei/discount/
- 首都高ドライバーズサイト「車種区分」https://www.shutoko.jp/fee/class/
- 首都高ドライバーズサイト「けん引自動車のETC無線走行について」https://www.shutoko.jp/fee/etc/towing/
- NEXCO東日本「高速道路の車種区分」https://www.driveplaza.com/search/division/
- JB本四高速「特種用途自動車」https://www.jb-honshi.co.jp/customer_index/guide/kubun/kubun-2.html
注釈
※1 中型車以上の据え置きには見返りが設定されています。首都高は2030年7月から2031年3月末までの9カ月間、中型車・大型車・特大車の大口・多頻度割引の割引率拡充を最大25%へ縮小するとしています。ただし大口・多頻度割引は、NEXCO3社の承認を受けてETCコーポレートカードを貸与された契約者が対象の制度です(https://www.shutoko.jp/fee/discount/plan_6/)。自家用のキャンピングカーで首都高を使う分には関係しません。
※2 首都高の車種区分表には特種用途自動車の項目がないため、8ナンバーを乗用と貨物のどちらで扱うかの記述は、JB本四高速が公表している車種区分表の考え方によります。高速道路各社は同じ5区分を用いていますが、自分の車の区分に確信が持てない場合は、車検証を持って料金所または各社のお客さまセンターで確認してください。





