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炭に火が回らないまま、10分がたったとします。
手元にはジェルの着火剤。少し足せば一気に燃えそうに見える。
その一手が、NITEが注意を呼びかけている事故の入り口です。
NITE(製品評価技術基盤機構)が引く消費者庁の調査(2015年公表)では、炭や薪でBBQをした人の3割超が継ぎ足しをしたことがありました。
わたしの1本目は、1片10分の固形ブロック
- わたしが選ぶのは、キャプテンスタッグのファイアブロック30片入(M-6710)。圧縮した木材繊維にワックスを含ませた固形で、1片の燃焼時間は約10分。2026年10月8日のAmazon価格で398円、1片あたり13.3円です
- 炭にも焚き火にも、同じ1片を使います。量は片の数で決まるので、迷いません
- ライターを忘れがちな人は、マッチのように箱でこすって点くFIRE LIGHTERSへ。ジェルは「一度火を点けたら、消えたように見えても足さない」と決められる人だけにします
キャプテンスタッグ ファイアブロック着火剤30片入 M-6710を見る
ジェルを足したくなる瞬間が、いちばん危ない
NITEは2024年7月の注意喚起で、着火剤で気を付けるポイントの最初にこう書いています。
「一度火を点けたら、着火剤の継ぎ足しをしない。」
続く説明はこうです。
「既に火が点いている炭に着火剤を継ぎ足した場合、大きな炎が上がり、やけどや火災に至る場合があります。」
紹介された事故は、2003年4月の大阪府の公園です。
BBQを一度中断し、残り火のある場所にゼリー状の着火剤を使った。「ボン」という音のあと、2〜3m離れた女性の衣服が燃えました。ほかの2人も軽いやけどです。
原因の説明も具体的です。
主成分のメチルアルコールは揮発しやすく、わずかな炎でも、着火剤そのものに火がつく前に蒸発した成分へ火が移る。続いて着火剤が急に燃えて、飛び散ることがある。
この製品の本体には、燃焼中の継ぎ足しを禁止する表示がありました。
表示があっても、残り火を前にすると足してしまう。2〜3m離れていても炎は届く。わたしが覚えておくのはこの2つです。
もう1つ、炎の見えにくさがあります。
NITEは「特に炎天下では着火剤の炎が見えにくいため、気づいたときには重傷になることがあります。」と書いています。
キャプテンスタッグの説明では、炎に色が付くタイプのジェルでも「点火した瞬間の炎はほぼ無色」。
「消えたように見えるから足す」が、いちばん危ない。
だから、わたしは点火に失敗しても、ジェルを足しません。
NITEはもう1つ、消毒用アルコールを着火剤として使わないよう求めています。
手指用のボトルを、火起こしの道具箱に入れない。これも決めごと。

固形も、燃えている火へは足さない
キャプテンスタッグは、自社サイトの火起こしの解説で、固形タイプについてこう書いています。
「固形タイプは、つぎたすことができますので、あまり分量調節を気にする必要がなく、初めて着火剤を使用する人にも適しているといえます。」
ジェルについては「継ぎ足しができません。」です。
ただ、同じページの火起こし器の説明には、形を分けない警告があります。
「警告:燃焼中の「着火剤のつぎたし」は絶対にしないでください。火傷等の原因になります。」
ジェルの説明の締めにも、燃焼中の「継ぎ足し厳禁」のルールを徹底するよう書いています。
NITEの「一度火を点けたら、着火剤の継ぎ足しをしない。」も、形で分けていません。
メーカーもNITEも、燃えている火へは足さない。ここは同じです。
だから、わたしは固形でも、火のついた炭や薪の上へは足さない。足りなければ、火が消えて冷えたのを確かめてから組み直します。
固形を選ぶ理由は「足せるから」ではありません。点ける前に、片の数で量を決められるからです。
形で4つ、見るところは3つ
着火剤を形で分けると、4つ。
- 固形ブロック:木材繊維やおが屑を固めたもの。割って、または1個ずつ使う
- ジェル(チューブ):メタノールが主成分。絞って量を決める
- ジェル(パック):ジェルを1回分ずつ袋に詰めたもの
- マッチ型:木材繊維を棒状に固め、先端をこすって点ける
選ぶときに、わたしが見るのは次の3つです。
1. 1回で何分燃えるか
炭は、着火剤の火が消える前に火が移らないと、やり直しになります。
だから燃焼時間は、メーカーが数字を出しているものを選びます。
ファイアブロックは1片約10分。FIRE LIGHTERSは約8分です。
ジェルのチューブは、量で燃える時間が変わる。キャプテンスタッグのファイアマックスの公式ページを実際に開くと、燃焼時間の欄はありません。
2. 点ける前に量を決められるか
継ぎ足さない前提なら、最初の量がすべてです。
キャプテンスタッグは、火起こし器でジェルを使う目安を「約60g~120g」としています。一般炭で60gから、備長炭で80gから。
同じページの目安表では、チューブ式の燃料は一般炭60〜80g、備長炭120〜140gです。ページの中でも数字に幅があります。
固形ブロックは1片約12g、パックは1個25g。数えるだけで量が決まります。
3. 炭か、薪か
炭の火起こしなら、どの形でも使えます。
キャプテンスタッグは、着火剤を「木炭の下に置いてください。火は下から上へ燃え広がります。」と書いています。
焚き火の薪なら、わたしは固形かマッチ型。
細い薪を組んだ下へ差し込みやすく、置いたあとに形が崩れないからです。チューブのジェルは、薪の隙間に絞ると量が読めません。

6品を「1回いくら」に直す
価格・在庫は、2026年10月8日にAmazonで実際に表示された値です。燃焼時間・寸法・主成分はメーカー公式の表記。公式に数字がないものは、Amazonの商品情報の値に「(Amazon)」と付けました。
| 製品 | 形・主な材料 | 1個の大きさ・量 | 燃焼時間 | 入り数 | 価格・在庫 | 換算 |
|---|---|---|---|---|---|---|
![]() キャプテンスタッグ ファイアブロック着火剤30片入 M-6710 | 固形・圧縮木材繊維(ワックス含有) | 30×40×10mm | 1片 約10分 | 30片・セット360g | 398円・在庫あり | 13.3円/片・1.3円/分 |
![]() キャプテンスタッグ ファイアブロック 着火剤9片入 M-6711 | 固形・圧縮木材繊維(ワックス含有) | 30×40×10mm | 1片 約10分 | 9片・セット110g | 127円・在庫あり | 14.1円/片・1.4円/分 |
![]() FIRE LIGHTERS(ファイヤーライターズ)マッチ型着火剤 | マッチ型・圧縮木材繊維+植物性ワックス | 1箱 30×67×120mm・142g | 約8分 | 20本(Amazon)※1 | 605円・在庫あり | 30.3円/本・3.8円/分※1 |
![]() Weber 天然点火キューブ 48個入 17612 | 固形・ヨーロッパ産おが屑100% | 外箱 25×17×10cm | 公式に記載なし | 48個 | 990円・残り19点 | 20.6円/個・1回41〜62円(2〜3個・Amazon) |
![]() キャプテンスタッグ ファイアブーストパック着火剤25g 8個組 M-6712 | ジェル(パック)・メチルアルコール、増粘剤 | 90×75mm・25g | 約14分(Amazon) | 8個 | 664円・残り10点 | 83円/個・5.9円/分 |
![]() キャプテンスタッグ ファイアマックス 着火剤240g M-6713 | ジェル(チューブ)・メタノール、エチレングリコール | 240g | 公式に記載なし | 1本 | 776円・在庫あり | 3.2円/g・火起こし器1回194〜388円(解説文の目安量) |
表から読めることを書きます。
炭の火起こし1回に、ファイアブロックを3片使うとして比べます。3片はわたしの見積もりで、メーカーは火起こし器で使う片数を示していません。
いちばん安く長く燃えるのは、ファイアブロック30片入。 1分あたり1.3円です。
9片入は1片14.1円で、30片入との差は1片0.8円。年に1〜2回なら、9片入で足ります。
ジェルのチューブは、火起こし器だと1回が高い。 解説文の目安60〜120gを使うと、1回194〜388円。目安表の数字なら、一般炭で194〜259円、備長炭で388〜453円です。
解説文の目安なら、240gの1本で、火起こし器2〜4回分。ファイアブロック3片なら40円なので、最少の60gと比べても約5倍です。
FIRE LIGHTERSは、火種いらずの分を払う形。 1分3.8円で、ファイアブロックの約3倍です。
そのかわり、ライターやマッチを持たなくても点きます。輸入元は、石油由来の成分を含まず、使用期限もないとしています。
Weberは、においを気にする人向け。 おが屑100%で添加剤なし。Weberは食材に嫌なにおいを付けないと説明しています。
燃焼時間は公式にありません。Amazonの商品情報では、チムニースターターと組み合わせて約20分で炭全体に火を回すとしています。
パックは、量を測らずに済むジェル。 1個25gで、チューブのように絞る量を迷いません。
1分5.9円は、燃焼時間の分かる4品で最も高い数字です。
着火剤を買わなくていい人
次のどれかなら、見送りでかまいません。
- 一般的な木炭でのBBQが年に1回で、新聞紙がある人。 キャプテンスタッグは「着火剤がない時は新聞紙などを丸めて点火すると良いでしょう。」と書いています。新聞紙を覆うように炭を置き、風の強い日は飛ばされないようにします。火起こし器で新聞紙を使えるのは一般炭だけで、備長炭・オガ備長炭は着火できないとしています
- ガスで調理するだけの人。 カセットコンロやシングルバーナーには、着火剤の出番がありません
- 泊まる場所で、焚き火も炭も使えない人。 RVパークは、焚き火の可否が施設ごとに分かれます。全体の傾向はRVパークで焚き火はできるかにまとめました
家にあるもので、使わないものもはっきりさせておきます。
消毒用アルコールは、NITEが着火剤として使わないよう求めています。
新聞紙などに染み込ませて投げ入れる、火元に直接かける。NITEはどちらも急激かつ爆発的に燃え上がると書き、2023年5月に死亡事故が起きたことにも触れています(注意喚起の時点で「昨年5月」)。
損得の目安も出しておきます。
年4回、炭のBBQを1回3片で起こすとします(前と同じ、わたしの見積もりです)。それなら、ファイアブロックは年に12片。30片入1箱(398円)で2年半もちます。
同じ4回をジェルのチューブにすると、最少の60gでも1本で4回。毎年1本、776円です。
車に積む、残りを持ち帰る
買ったあとに手間がかかるのは、保管です。
ジェルは、火のそばに置かない。 主成分はメタノールです。NITEは、揮発しやすく引火しやすいと説明しています。
わたしは点火したらキャップを締め、チューブを火元から離して置きます。点火した手のまま、チューブを持たないためです。
固形ブロックは、割ったかけらを袋に戻す。 1片は30×40×10mm。割ると木材繊維の粉が出ます。
ジッパー付きの袋に入れて、火ばさみや手袋と同じ箱にまとめます。手袋の選び方は焚き火グローブは袖口の長さで選ぶに書きました。
着火剤の燃えかすが落ちる場所を作る。 焚き火台の下には、受け皿になるシートを敷きます。
地面に届く熱の話は、焚き火シートは断熱の有無で選ぶにまとめました。
最後は、炭ごと火消し壺へ。 着火剤が燃え残ったまま撤収しない。
灰と炭の持ち帰り方は、火消し壺は積む前に閉じられるかで選ぶに書いています。
マッチ型は、箱ごと袋へ。 箱の側面でこすって点ける仕組みです。
こする面を濡らしたくないので、わたしは箱ごとジッパー袋に入れます。
まとめ:量を点ける前に決められるか
- 炭も焚き火もする人、点ける前に量を決めたい人は、キャプテンスタッグのファイアブロック30片入(M-6710)。 1片約10分・13.3円。年1〜2回なら9片入(M-6711・127円)で足ります。ライターを持ち歩きたくない人は、FIRE LIGHTERS
- 一般的な木炭でのBBQが年1回で新聞紙がある人、ガスで調理するだけの人は見送り。 ジェルを選ぶなら、一度点けたら足さない。消えたように見えても足さない。これを守れる人だけにします
キャプテンスタッグ ファイアブロック着火剤30片入 M-6710(398円・2026年10月8日時点)
点かなかったら、足さずに組み直す。
次の火起こしは、片の数を1つ増やすところから決めます。
出典
- NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)「真夏の製品事故アラート ~モバイルバッテリー・携帯用扇風機・着火剤の取扱いに注意~」2024年7月12日 https://www.nite.go.jp/data/000154934.pdf
- キャプテンスタッグ「【キャンプ・BBQ】初心者でも簡単な火起こしの方法とコツ」(2026年8月25日更新) https://www.captainstag.net/outdoor-life/topics/chimneystarter-1
- キャプテンスタッグ「ファイアブロック 着火剤30片入 M-6710」 https://www.captainstag.net/products/M-6710.html
- キャプテンスタッグ「ファイアブロック 着火剤9片入 M-6711」 https://www.captainstag.net/products/M-6711.html
- キャプテンスタッグ「ファイアブーストパック着火剤25g 8個組(箱入) M-6712」 https://www.captainstag.net/products/M-6712.html
- キャプテンスタッグ「ファイアマックス着火剤240g M-6713」 https://www.captainstag.net/products/M-6713.html
- クリケットジャパン「FIRELIGHTERS(32H)」 https://www.cricket-japan.co.jp/firelighters-32h
- Weber JP「天然点火キューブ 17612」 https://www.weber.com/JP/ja/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B5%E3%83%AA%E3%83%BC/%E7%87%83%E6%96%99-et-%E3%82%B9%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%82%AF%E7%94%A8/%E7%87%83%E6%96%99/17612.html
- 全品の価格・在庫、M-6712の燃焼時間、FIRE LIGHTERSの本数、Weberの1回の使用個数と火が回るまでの時間は、Amazonの商品情報(2026年10月8日時点)による
注釈
※1 FIRE LIGHTERSの1箱の本数は、輸入元クリケットジャパンの公式ページに記載がなく、Amazonの商品名の「20本入り」を使っています。1本あたりの金額はこの本数で計算しました。公式の燃焼時間「約8分」は1箱の寸法・重量と並んだ表記で、1本あたりと明記されていません。1分あたりの金額は、1本約8分として計算しています。











