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新型マルコ・ポーロ/ホライゾン|展開時の頭上空間+10cm

メルセデス・ベンツがマルコ・ポーロとホライゾンを改良。展開時の頭上空間が10cm増える新型ルーフ、照明、遮光、音響、MBAC、日本導入の現状を公式発表から整理します。

篠原徹
キャンピングカージャーナルの車両・制度担当。前職は中古車販…
公開2026.08.27
読む時間10 min

メルセデス・ベンツは2026年型「マルコ・ポーロ」と「マルコ・ポーロ ホライゾン」を発表しました。最大の変更は、ポップアップルーフを二重構造のアルミ製へ改め、後端をいっぱいまで上げたときの頭上空間を従来より10cm広げたことです。

分類はフルモデルチェンジに当たりません。2026年の公式発表に車体や機関の刷新は記されず、ベース車もVクラスのまま。改良の中心は、ルーフ、照明、遮光、音響、MBACによる集中操作、家具類です。

アイキャッチ画像提供:Mercedes-Benz AG/出典:Mercedes-Benz Media「The new Marco Polo is ready for you」

  • マルコ・ポーロは欧州で2026年8月6日から受注を開始。ホライゾンの正確な開始日は未発表
  • 実車のショー初公開は8月28日開幕のキャラバンサロン・デュッセルドルフ2026
  • マルコ・ポーロはキッチンと収納家具を備え、最大4人が就寝できるキャンパー
  • ホライゾンはキッチンとクローゼットを持たず、最大7人乗車・5人就寝に対応する日常兼レジャー車
  • 2026年8月27日時点で、日本での発売、価格、導入時期は発表されていない

筆者は、2月3日の初報、7月27日の受注開始発表、8月13日のショー出展発表を突き合わせ、8月27日にドイツと日本の公式商品ページの掲載状況を実測しました。

「新型」だが、フルモデルチェンジではない

今回の位置づけは、現行Vクラスをベースにした居住部の大幅改良です。メルセデス・ベンツは2月の発表で、マルコ・ポーロの基本的な商品構成は当初維持すると明記しました。外寸もドイツ仕様のマルコ・ポーロで全長5,140mm、全幅1,928mm、全高1,990mmと、2mを切る現行のパッケージを保っています。

区別しておきたいのが、次世代バンとの関係です。メルセデス・ベンツは、将来の新開発バンを電気自動車用のVAN.EAと内燃機関車用のVAN.CAへ移行し、キャンピングカーも2030年頃までにこの新アーキテクチャーへ移す方針を示しています。今回の2026年型は、その次世代車とは別物です。

外観の刷新や電動化を待っている人にとっては、今回が買い替えの決定打になるとは限らない。一方、現行Vクラスのサイズとディーゼル車を前提に、車内での過ごしやすさを重視する人には、変更点が実用へ直結しています。

改良の中心はポップアップルーフと光

新しいポップアップルーフは、軽量で強度のあるアルミの二重構造です。後端を最大まで展開したとき、頭上空間が従来より10cm増えます。拡大箇所はルーフ後方の高さで、就寝面の長さを10cm伸ばしたという意味ではない。寝床へ上がったときの着替えや、上半身を起こした姿勢に効く変更と考えたほうが正確でしょう。

ルーフ内にはLEDアンビエントライトを新設し、冷たい色から暖色まで場面に応じて切り替えられます。さらに2026年末からは、スライディングルーフと、ポップアップルーフの布地に設けるパノラマ開口部を追加する計画です。採光と換気を増やし、夜は空を見上げられる構成になります。

ポップアップルーフを展開した青い新型マルコ・ポーロの前方斜めからの外観
新しい二重構造のアルミ製ポップアップルーフは、後端の頭上空間を従来より10cm広げた

画像提供:Mercedes-Benz AG/出典:Mercedes-Benz Media「Welcome Home: The new Mercedes-Benz Marco Polo」

ここには時期の注意があります。スライディングルーフとパノラマ開口部は、8月の受注開始時点で全車に付くとは限りません。7月27日の公式発表は「年末から」としているため、初期生産車を検討する場合は装着時期とオプション条件を個別に確認する必要があります。

遮光、オーディオ、家具も変わった

コックピットの遮光は、磁石で取り付ける方式へ変わりました。カーテンや吸盤式のシェードより着脱の手数を減らし、日中の目隠しにも使う設計です。サイドオーニングも全面的に設計し直され、必要に応じて取り外しやすくなりました。手回しクランクはオーニングのホルダーへ収納します。

音響は8スピーカーとサブウーファーの専用システムへ更新されました。Bluetooth接続により、車載インフォテインメントを停止した状態でも再生できます。停車中の滞在が長いキャンピングカーだからこそ効く変更です。

キャンパー装備をまとめて操作するMercedes-Benz Advanced Control(MBAC)も機能を拡張しました。ルーフ内のアンビエントライトと新しいサウンドシステムを、車載ディスプレイまたはスマートフォンアプリから操作できます。このほか、折りたたみテーブル、引き出しレール、ベンチシートの操作パネルを改良し、クーラーボックスは省電力化しました。

マルコ・ポーロとホライゾンの違い

2車の差は、キャンプ装備をどこまで固定搭載するかです。

項目マルコ・ポーロマルコ・ポーロ ホライゾン
車種の性格キッチンを備えるキャンパー日常使用を重視するレジャー車
キッチン・クローゼットありなし
就寝部後席ベッド2.03×1.13m、ルーフベッド2.05×1.13m3人掛けベンチをベッド化、ルーフベッド2.05×1.13m
就寝・乗車最大4人就寝最大7人乗車・5人就寝
2026年改良新ルーフ、照明、遮光、音響、MBAC、家具類メーカー説明では新機能の大半を採用
ホライゾン専用後部用マグネット遮光をオプション設定、A〜Dピラー間のウインドウバッグを標準装備
ポップアップルーフを展開した白いマルコ・ポーロ ホライゾンの前方斜めからの外観
日常使用を重視するホライゾンも、ポップアップルーフとルーフベッドを標準装備する

画像提供:Mercedes-Benz AG/出典:Mercedes-Benz Media「Mercedes-Benz auf dem Caravan Salon Düsseldorf」

ホライゾンにも新オーニングとコックピット用マグネット遮光が採用されます。一方、公式発表は「新機能のほぼすべて」としており、マルコ・ポーロの装備が無条件ですべて付くとは書いていません。装備の有無は市場と仕様で変わるため、同名の装備を2車共通と決めつけないほうが安全です。

ドイツ公式ページの現行動力仕様

2026年の改良発表に機関変更の記載はありません。8月27日のドイツ公式商品ページには、従来と同じOM654系1,950ccの4気筒ディーゼルと9G-TRONICの組み合わせが掲載されています。

グレード最高出力最大トルク
220 d120kW(163PS)380Nm
250 d140kW(190PS)440Nm
300 d174kW(237PS)500Nm

マルコ・ポーロのドイツ仕様は全長5,140mm、全幅1,928mm、全高1,990mm、車両総重量3,100kg。ホライゾンは全長と全幅が同じで、全高は1,995mmです。公称値では一般的な高さ2mの立体駐車場に近い寸法ですが、設備側の制限、アンテナなどの装備、車両の個体差を含め、2m制限へ無条件に入れるとは考えないほうがいいでしょう。

欧州価格と発売時期

7月27日の公式発表によると、新型マルコ・ポーロはドイツなど欧州市場で8月6日から受注を開始しました。改良型の発表資料に開始価格の記載はありません。

ドイツ公式サイトを8月27日に確認すると、現行のモデル一覧とコンフィギュレーターは、マルコ・ポーロを80,303.58ユーロから、ホライゾンを68,120.71ユーロからと表示していました。一方、公式ドメインの旧キャッシュやクエリ付きページには、マルコ・ポーロを80,664.15ユーロからとする表示も残っています。差が生じた理由についてメーカーの説明はなく、改良型専用の発表価格でもないため、契約時は構成後の価格を確認する必要があります。円換算額を日本価格として扱うこともできません。

実車は2026年8月28日から9月6日まで開催されるキャラバンサロン・デュッセルドルフでショー初公開されます。展示場所はメルセデス・ベンツのホール17です。本稿の基準日は開幕前日の8月27日なので、会場で判明する仕様差や実車の使い勝手は含めていません。

生産方法も変わりました。Vクラスのベース車は従来どおりスペインのビトリア工場で製造し、その後ドイツのルートヴィヒスフェルデ工場でキャンパーへ仕上げる工程です。2026年型からは架装を含めてメルセデス・ベンツの生産網へ取り込み、初めて全工程を自社内で完結。メーカーは品質基準の統一に加え、需要への対応力と納期短縮の余地を利点に挙げました。

日本発売は発表されていない

2026年8月27日時点で、メルセデス・ベンツ日本の公式ラインアップに掲載されているミニバンはVクラスのみです。カタログ一覧にもマルコ・ポーロとホライゾンは無く、日本向けの価格、発売日、導入グレードは発表されていません。

「日本発売決定」や「国内価格は約◯◯万円」という断定はまだできません。欧州仕様は全高が2m前後に収まり、右ハンドル市場への展開余地はありますが、それだけで日本導入を予測することもできない。国内正規導入について確認できる事実は、現時点では未発表までです。

今回の改良は、走りの刷新よりも、停めてからの時間を整えることへ比重を置きました。ルーフ後端で10cm増えた頭上空間、光と遮光、停泊中にも使える音響、MBACの拡張は、いずれも車内滞在へ向いている。次世代アーキテクチャーや日本導入を待つ人は、キャラバンサロン後の追加発表とメルセデス・ベンツ日本の動きを分けて追う必要があります。

よくある質問

新型はフルモデルチェンジですか

答えはノーです。現行Vクラスを基礎に、居住部と生産体制を改良した2026年型に当たります。次世代のVAN.EA/VAN.CAベース車は別計画。

マルコ・ポーロとホライゾンは何が違いますか

マルコ・ポーロはキッチンとクローゼットを備え、最大4人の就寝に対応します。ホライゾンは固定キッチンとクローゼットを省き、最大7人乗車・5人就寝に対応する日常兼レジャー車です。

2026年改良型は日本で正規購入できますか

2026年改良型の日本正規導入は発表されていません。8月27日時点の日本公式ラインアップとカタログ一覧に、両車の掲載はありません。

更新日:2026年8月27日

出典

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篠原徹

キャンピングカージャーナルの車両・制度担当。前職は中古車販売の現場。いまはキャブコンで年20泊ほど走っています。キャンピングカー、トレーラー、RVパーク、法規と税を、条文と公的資料の一次情報に当たって整理します。自治体や条件で結論が変わることは、変わると書きます。