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キャンピングカーの水抜き|凍結させない冬支度の手順【2026年9月版】

キャンピングカーの水抜きは、給水タンク・配管と蛇口・温水ボイラー・トイレ・排水タンクの5系統を順に空にします。気象庁の冬日平年値で見た「いつから」と、Truma Combiの凍結防止弁が3℃で開く仕組みまで、冬前に確認しておきたい点をまとめました。

公開2026.09.27
読む時間12 min
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キャンピングカーの水回りは、凍ると膨らんだ氷でタンクや配管、ボイラーの容器が割れます。防ぐ方法は、凍る前に水を抜いて乾かしておくことだけです。厄介なのは、水が残る場所が車の中で5系統に分かれている点。1か所でも抜き忘れると、春に水漏れとして出てきます。

冬に保管する前と、冬の車旅に出る前に、どこの水をどの順で抜くか。メーカーとビルダーの公式情報をもとに、冬日の多い地域の目安と合わせてまとめました。

いつから必要か|冬日の平年値で見る

目安になるのは、その土地で最低気温が0℃を下回る日(冬日)がどれくらいあるかです。気象庁の平年値(1991〜2020年)から、車旅でよく向かう高原・内陸と、保管場所として多い関東の値を抜き出しました。

地点10月11月12月1月2月3月4月
軽井沢2.0日17.8日29.3日30.8日27.7日27.8日13.9日
河口湖0.2日9.1日25.9日29.9日25.6日20.9日5.9日
高山0.1日5.4日23.1日28.9日25.9日21.8日7.2日
長野0.0日4.6日22.4日28.8日25.4日18.4日3.1日
札幌0.0日9.7日27.6日30.6日27.4日23.3日3.2日
宇都宮0.0日1.4日16.4日25.1日20.4日8.9日0.7日
東京0.0日0.0日1.6日8.1日5.1日0.3日0.0日

出典:気象庁「過去の気象データ検索」平年値(日最低気温0℃未満の日数)※1

判断の線は、おおむね次のとおりです。

  • 軽井沢クラスの高原は、10月にも平年で2日ほど冬日があり、11月には月の半分を超えます。11月に泊まるなら、使いながら凍らせる前提で準備が要ります
  • 長野・高山は11月に5日前後、河口湖は9日ほど。12月には3地点とも月の大半が冬日です。12月以降に使わないなら、11月中に水抜きを済ませておくと安全です
  • 宇都宮のような関東内陸は、12月に冬日が半月を超えます。自宅保管でも水抜きの対象です
  • 東京でも1月は平年で8.1日が冬日。都市部の青空駐車でも、冬の間乗らないなら抜いておくほうが確実です

もうひとつ見ておきたいのが11月の日最低気温の平年値で、長野3.4℃、高山2.9℃、河口湖2.2℃、軽井沢は-0.2℃です。後で触れるTruma Combiの凍結防止弁は約3℃で開きます。弁が反応するのは床下の設置場所の温度なので外気の最低気温はあくまで目安ですが、このあたりの11月の夜は、ちょうど弁が開くかどうかの境目にあたります。

水が残る場所は5系統

抜く場所を先に洗い出しておきましょう。車の仕様で有無は変わりますが、確認するのは次の5系統です。

  1. 給水タンク(清水タンク・生活水タンク)
  2. ポンプ・配管・蛇口・シャワー
  3. 温水ボイラー
  4. トイレの洗浄水(カセットトイレの水洗タンクや、清水タンクからの給水ライン)
  5. 排水タンク(グレータンク)と、シンク下のトラップ

バンコンに多いのは、ポリタンクを戸棚に置き、水中ポンプで汲み上げる方式です。レクビィは公式FAQで、10〜19リットルのポリエチレン製ポータブルタンクと水中ポンプの組み合わせを採用していると説明し、使用後は水中ポンプ・ホース・蛇口の残水を抜いて乾かすと、冬場の凍結による器具の破損防止になると案内しています。この方式ならタンクごと家に持ち込めるので、残るのはポンプから蛇口までの短い区間だけです。

キャブコンは事情が違って、床下や座席下に固定タンクを持つ車が多く、ボイラーもつながっています。バンテックのジルの場合、生活水タンクは3列目シート下で容量55リットル、温水ボイラーは2列目シート下で容量22リットルと、同社の店舗ブログに記載があります。合わせて約77リットルが車内に残る計算で、ここを抜き忘れるとタンク、ボイラー、配管のどれが割れてもおかしくありません。

キッチンの混合水栓のレバーをお湯側に倒したまま開けてあり、水抜き中であることが分かる車内
混合栓はお湯側にも回して開けておきます。水はお湯側の配管にも残っています。イメージ画像(AI生成。実際の車両・製品の写真ではありません)

水抜きの順番|ポンプを止めて、蛇口を開けてから

北海道北広島市のキャンピングカー販売店、キャンピングレンタサービス工業は、冬支度のページで「必ず雪が降る前に」水抜きをするよう呼びかけています。同社とバンテックの手順を合わせると、固定タンク式の流れは次のとおりです。

  1. 水ポンプのスイッチを切る。バンテックの手順でもポンプはOFFが前提です
  2. シャワーヘッドやホースを外し、すべての蛇口を開ける。混合栓はお湯側にも回すこと
  3. 給水タンクの栓(ドレン)を開けて空にする。ジルはタンク底の栓を抜くと、水は車体の下へ流れ出る構造です
  4. 温水ボイラーの水を抜く。安全弁を起こして空気を入れ、ドレンノブを開ける順です。バンテックは、ボイラーが冷えている状態での作業を前提にしています。熱湯でやけどをしないためにも、使った直後は避けてください(編集部補足)
  5. 配管のドレンコックを開ける。ジルは生活水タンクのそばに2か所。90度回すとホース内の水が抜けます
  6. 最後にポンプを短時間だけ空打ちして、残った水を押し出す
  7. 少し車を走らせて揺らす。キャンピングレンタサービス工業によると、揺らすとよりきれいに抜けるそうです

冬の間まったく使わないなら、開けた蛇口とドレンは春まで開けたままで構いません。北海道へ車両を送るビルダー各社には、同社から「水回りの配管内が乾燥しているのがベストです」という依頼が届くと、トイファクトリーが公式ブログで紹介しています。

冬も使う車は逆です。次の給水前に全部閉め直さないと、入れた水がそのまま抜けていきます。バンテックも、ボイラーの安全弁とドレンノブを戻し忘れると次回ボイラーに水が入らないと注意しています。

Truma Combiの凍結防止弁は3℃で開き、7℃まで閉まらない

輸入車や一部の国産キャブコンに載るTrumaの暖房・給湯一体機「Combi」は、従来のCombi 4/6でボイラー容量が10リットル、新しいCombiNeo 4 Eは5.6リットルです。多くのモデルが「FrostControl」という電源不要の凍結防止弁を持ち、Trumaは公式サイトで、弁の周囲が約3℃を下回ると自動で開いてボイラーを空にし、約7℃まで上がらないと手で閉められないと説明しています。

冬の保管では心強い仕組みです。ただ、冬の車旅で効いてくるのは次の3点です。

  • 夜に暖房を切って、弁の周りが約3℃を下回ると、朝までにボイラーの水(従来型なら10リットル)が床下へ抜けています。取扱説明書のトラブル表にも「暖房を切った後に弁が開く」という症状が載っていて、原因は約3℃を下回ったことだとされています
  • 7℃未満では閉まらない。朝に給水し直すなら、まず暖房を入れて設置場所を温め、数分待ってから弁を閉めるのが取扱説明書の手順です
  • 排出口がふさがると抜けない。取扱説明書は、排出口にシャーベット状の雪や氷、落ち葉が詰まらないよう求めています。雪の積もった駐車場で床下の排出口が埋まっていないか確認してください

オプションの専用ヒーター(部品番号70070-01)を付けると、Combiの電源が入っている間は弁が温められ、設置場所が冷えていても早めに給水できます。

凍結のおそれがある時期に使わないなら、Combiは完全に水抜きしておくのが基本です。Trumaの手順では、Combiを切って冷まし、ポンプを止めて全蛇口を開け、排出口の下に容器(従来型なら10リットル以上入るもの)を置いてから排水弁を開けます。FrostControlはつまみを180°回すと押しボタンが飛び出して排水が始まり、レバー式の弁はレバーを縦に起こします。冬の間は排水弁を開けたままでよい、というのが同社の推奨です。高圧エアや不凍液を使う冬支度は勧めておらず、不凍液はバイパスキットを付けた車に限る扱いです。

見落としやすいのが、ボイラーを使っていなくても水は入るという点です。TrumaはCombiの取扱説明書とBoilerの案内で、冷水だけ使っている場合でもボイラーに水が入るため、凍結を防ぐには排水弁で抜く必要があると説明しています。お湯を使っていない車も対象です。

Combiには英国仕様のように、凍結防止機能のない安全弁(過圧を逃がすだけの弁)を付けた仕様もあります。取扱説明書は、この弁ではボイラーを凍結から守れないと明記しています。自分の車がどちらの弁か分からなければ、購入したビルダーに聞くのが早道です。なお、凍結による破損はTrumaの保証の対象外です。

雪の残る駐車場で、キャンピングカーの床下にある小さな排出口から水が落ち、足元に氷が張り始めている様子
凍結防止弁の排出口は床下にあります。雪や氷でふさがると水が抜けません。イメージ画像(AI生成。実際の車両・製品の写真ではありません)

カセットトイレと排水タンク

トイレの捨て方そのものはキャンピングカーのトイレは要るか|カセットトイレの捨て方にまとめてあります。ここは冬の扱いだけです。

Thetfordは、カセットトイレを長く使わないときは水タンクを空にして、水垢と凍結による破損を防ぐよう案内しています。空にした後に洗浄ボタンを数回押してポンプ内の残水を出し、ブレード(カセットタンク入口のシャッター)は開けたままにして換気する、という手順です。

Dometicのカセットトイレ(CT4000シリーズ)の取扱説明書では、トイレとカセットタンクが凍らない場所にあれば冬も使えるとしています。凍るおそれがあるなら、清水タンク、カセットタンク、給水ラインを空にする、という指示です。長期保管の場合は、配管の水がなくなるまで洗浄ボタンを押し、カセットタンクは洗ったあと排出口を閉めずに乾かします。

洗浄水の凍結防止には注意が要ります。Dometicは同シリーズで不凍液を使わないよう明記し、トイレを傷めるおそれがあるとしています。販売店のキャンピングレンタサービス工業は、冬用ウォッシャー液を原液で洗浄水に使う方法を紹介していますが(飲料用と共用のタンクでは不可)、冬用ウォッシャー液も不凍成分を含むため、Dometicの取扱説明書に従えば使えません。使う前に、必ずトイレのメーカーに可否を確認してください。

排水タンクは、抜いた後に洗うところまでが冬支度です。キャンピングレンタサービス工業は、家庭用のパイプ洗浄剤で内部を洗い、清水ですすいだ後、排水バルブを開けた状態で空気を吹き込むよう案内しています。放置すればカビや虫の発生源になり、金属バルブがさびて排水できなくなる、というのが同社の説明です。シンクや洗面台の下にU字・S字のトラップがある車は、外して水を抜いておきましょう。

カセットトイレのタンクを車外に出し、ふたを開けたまま乾かしている様子。周りは冬の枯れ草
カセットタンクは洗った後、排出口やブレードを開けたまま乾かします。イメージ画像(AI生成。実際の車両・製品の写真ではありません)

冬も乗るなら、どこまで抜くか

冬の車旅は、「走っている間と暖房の効いた夜は水を使い、車を離れる前と帰宅後に抜く」と考えると迷いません。

  • ポリタンク式の車は、夜はタンクを暖房の効いた車内側へ。帰宅したらタンクごと家に持ち込めば済みます
  • 固定タンク式で夜に暖房を止めるなら、寝る前に水抜きを済ませておくのが安全です。お湯を使わない旅でも、冷水を出せばボイラーに水が入る点は同じです。Trumaは同社のBoiler(ガス式・ガス/電気式)について、冷水・温水の接続部の手前に耐熱の止水弁を2つ付ければ切り離せると案内しています。Combiでの可否は、取扱説明書かビルダーで確認してください
  • 水を抜いたボイラーは、給水が終わるまで給湯(ボイラー)の電源を入れないこと。Trumaは空のまま運転しないよう明記しています。Combiで暖房だけ使うなら、水なしで暖房する設定にします(取扱説明書で、設定により水ありでも水なしでも暖房できるとしています)
  • スキー場の駐車場に車を置いてゲレンデで1日過ごすなら、その間の暖房は止まったまま。出かける前に抜いておくのが確実です
  • 帰宅後は、その日のうちに全系統を空に

夜の暖房そのものをどうするかは秋の車中泊の寒さ対策|FFヒーターは要るのかで、雪道の足回りはキャンピングカーのスタッドレス|LT規格とチェーン規制で扱っています。旅先での給水の段取りは車中泊の水タンクは容量より注ぎ方の記事が詳しいです。

冬前に見ておきたいのは、水回りだけではありません。キャンピングレンタサービス工業は、軽油を使うFFヒーターは秋のうちに試運転して冬用の燃料を細い燃料管に行き渡らせること、サブバッテリーは充電してから保管すること、サイドブレーキは凍りつくことがあるので、保管中はギアをローかバックに入れて引かずにおくこと(トレーラーは輪止め)を挙げています。

よくある質問

凍ってしまった場合はどうしますか?

Trumaの取扱説明書では、残った水が凍って給水できないとき、Combiを短時間(2分以内)動かしてボイラーを解凍し、凍った配管は車内を暖めて解凍する方法を示しています。Truma以外のボイラーや、すでに水漏れが出ている場合は、購入したビルダーか販売店への相談が先です。

春に使い始めるときに気をつけることは?

開けたままにした蛇口、タンクの栓、ボイラーの安全弁とドレン、配管のコックをすべて閉めてから給水します。ボイラーの電源を入れるのは、給水が終わって蛇口から水が途切れずに出るようになってからです。FrostControlは弁の周りが約7℃を超えないと閉められません。春先の寒い朝は、暖房で温めてからの作業です。

更新日:2026年9月27日(記事内の仕様・手順は2026年9月時点の各社公式情報)

出典

  • 気象庁「過去の気象データ検索」平年値(年・月ごとの値)詳細(気温・蒸気圧・湿度)。地点を切り替えて参照(観測所番号:軽井沢47622・河口湖47640・高山47617・長野47610・札幌47412・宇都宮47615・東京47662)。長野の例:https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/nml_sfc_ym.php?prec_no=48&block_no=47610&year=&month=&day=&view=a2
  • Truma「Water heaters for caravans / motor homes」:https://www.truma.com/truma-guides/water-heaters-for-caravans-motor-homes/
  • Truma「CombiNeo 4 E」製品ページ(FAQ):https://www.truma.com/products/heating-systems/combi/combineo-4-e/
  • Truma「Time to Winterize: Truma Combi」:https://www.truma.com/us/time-winterize-truma-combi/
  • Truma「Combi(E)Operating instructions」(Truma社作成・販売店掲載の英語版PDF、2017年版 Combi E_050217_GB):https://www.jacksonsleisure.com/content/pdf/truma/Combi4/truma-heating-combi-e-operating-en.pdf
  • Thetford「How to Prevent And Fix a Leaking Cassette Toilet」:https://www.thetford.com/en/inspiration/how-prevent-and-fix-leaking-cassette-toilet/
  • Dometic「CT4050, CTLP4110, CTS4110 Cassette toilet Operating manual」(オーストラリア向け版 CT4000-O-AUS。国内流通品と仕様が異なる場合は国内の取扱説明書が優先):https://media.dometic.com/externalassets/dometic-cts-4110_9107100618_71735.pdf
  • レクビィ「よくある質問と回答集」:https://recvee.jp/02_support/02_qa/
  • バンテック京都スタッフブログ「ジルの生活水タンク&ボイラーの水抜き」(2022年10月2日):https://www.vantech.co.jp/kyoto/8854.html
  • バンテック埼玉スタッフブログ「ボイラー水抜き」(2019年1月26日):https://www.vantech.co.jp/saitama/1576.html
  • キャンピングレンタサービス工業「キャンピングカーの冬支度」:https://www.camperservice.jp/snow/
  • トイファクトリー「キャンピングカーの冬支度」(2020年12月26日):https://toy-factory.jp/blog/p3276/

注釈

※1 気象庁の値は各観測所(地上付近、開けた場所)のものです。標高の高いスキー場や峠の駐車場は、同じ地域の観測所より冷え込みます。

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制作・構成:篠原徹

キャンピングカー・RVパーク・制度の情報を扱う制作・構成名義です。公式資料や公的情報をもとに記事を作成します。