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キャンピングカーのスタッドレス|LT規格とチェーン規制【2026年9月版】

キャンピングカーの冬タイヤは、今のタイヤと同じサイズ・荷重指数のバン・小型トラック用(LT)から選びます。側面表示の読み方、乗用車用では重さを支えきれない理由、初雪から逆算する履き替え時期、チェーン規制が出るとスタッドレスでもチェーンが要る13区間をまとめました。

公開2026.09.25
読む時間10 min
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キャンピングカーのスタッドレスは、いま履いている夏タイヤと同じサイズで、同じ荷重指数(ロードインデックス)を持つバン・小型トラック用(LT)から選びます。ハイエースのバンなら195/80R15 107/105 LTです。
同じ15インチでも、乗用車用のスタッドレスではハイエースの重さを支えきれません。

履き替えは、行き先の初雪の1か月前が目安。そしてスタッドレスを履いていても、チェーン規制が出た区間はチェーンなしでは通れません。

  • 選ぶときに見るのは、サイズ・荷重指数・LTの3点。4本とも同じものにそろえます
  • 車検では、タイヤ1本にかかる重さがそのタイヤの負荷能力以下かを確かめます
  • 雪の初日の平年値は、札幌10月28日、長野11月18日、新潟11月23日(気象庁・1991〜2020年)
  • チェーン規制の区間は全国13か所(国土交通省)。規制が出ている間は、4WDでもスタッドレスでも、チェーンがなければ通れません

今のタイヤの側面で「サイズ・荷重指数・LT」を見る

最初にやることは、いま付いているタイヤの側面を読むことです。ハイエースのバン(2026年1月の主要諸元表)は、床の低い「ジャストロー」を除いて195/80R15 107/105S LTを履いています。

表示意味
195タイヤの幅(mm)
80偏平率(%)
R15ラジアル構造で、ホイールの径が15インチ
107/105荷重指数。107は1本で使うとき(単輪)、105は2本並べて使うとき(複輪)の1本あたり
S速度記号(Sは180km/h)。スタッドレスはN(140km/h)やL(120km/h)のものが多い
LT小型トラック用

荷重指数は、そのタイヤ1本が支えられる重さを表す番号です。JATMA(日本自動車タイヤ協会)の一覧では107が975kg、105が925kg。
小型トラック用のタイヤには、このように単輪と複輪の2つの値を並べて書くものがあります。

「215 R 15 6PR LT」のように、荷重指数の代わりにプライレーティング(PR)で強さを示す表記もあります。6PRは、タイヤの強さを表す指数です。

軽キャンパーのベースになる軽バンもLTです。スズキ・エブリイの主要諸元(2026年9月25日確認)は145/80R12 80/78N LTで、80は450kgにあたります。

車検証には、タイヤのサイズは載っていません。券面に載っているのは車両重量、車両総重量と、前後の軸重です。
キャブコンは車種や年式、後輪がダブルかどうかでサイズが違うので、車に付いているタイヤそのものと、取扱説明書の指定サイズを見比べてください。中古で買った車なら、前のオーナーがサイズを変えていないかもここで分かります。

乗用車用のスタッドレスでは重さを支えきれない

同じ15インチでも、乗用車用とLTでは支えられる重さが大きく違います。

車検の基準になるのは、保安基準の細目告示第167条のこの規定です。
「自動車の積車状態における軸重を当該軸重に係る輪数で除した値である空気入ゴムタイヤに加わる荷重は、当該空気入ゴムタイヤの負荷能力以下であること。」

車検の審査では、定員と最大積載量を載せた状態(積車状態)と、空車に定員が乗った状態の2通りで、軸ごとの重さをタイヤの本数で割り、荷重指数の負荷能力と比べます。乗用車用タイヤを貨物車に付けた場合も、同じ計算です(自動車技術総合機構の審査事務規程)。

表にすると、差は明らかです。

タイヤ荷重指数1本の負荷能力4本の合計
乗用車用の例(195/65R15 91)91615kg2,460kg
ハイエースバンの純正(195/80R15 107/105)107975kg3,900kg

ハイエースバンの車両総重量は2,880〜3,240kg(2026年1月の主要諸元表)。乗用車用の4本では、ベース車の段階で足りません。
キャンピングカーは家具、水タンク、サブバッテリーを積むので、同じベース車でも空車の時点から重くなります。

車検証の軸重は、人も荷物も載せない空車状態で量った値です。実際に旅に出るときは、ここに乗る人と荷物の重さが加わるわけです。
仮に後後軸重が1,300kgの車で、人と荷物の分が後軸に300kg加われば1,600kg。後輪2本で割ると1本800kgで、91(615kg)では足りず、107(975kg)なら収まります。

負荷能力を左右するもう一つの要素が、空気圧です。LTタイヤの空気圧は乗用車用より規格上高めで、ブリヂストンの一覧では、195/80R15 107/105Lの最大負荷能力975kgに対応する空気圧が450kPaです。
JATMAの注意書きのとおり、「空気圧が不足すると、タイヤの負荷能力は低下します。」スタッドレスに履き替えたら、車の指定空気圧まで入れ直してください。

指定空気圧が書かれているのは、取扱説明書か車のドア付近のプレート。JATMAは小形トラック用の調整範囲を指定空気圧から+70kPaまでとしています。
最大450kPa対応のゴム製バルブを使う場合は冷えた状態で450kPaが上限ですが、8ナンバー車で空気圧の点検が2週間以上空く場合に限り、475kPaまでの補充が認められています。
空気圧の点検の仕方はキャンピングカーのタイヤ空気圧の記事にまとめました。

バン・小型トラック用のスタッドレスは各社にある

ブリヂストン、ヨコハマタイヤ、ダンロップ、TOYO TIRESの4社は、どこもバン・小型トラック用のスタッドレスを出しています。ハイエースバンと軽バンの純正サイズの有無を、各社の公式サイズ表から並べました(2026年9月25日確認)。

メーカーバン・小型トラック用の銘柄195/80R15(ハイエースバン)145/80R12 80/78N(軽バン)
ブリヂストンBLIZZAK VL10107/105Nあり
ヨコハマタイヤiceGUARD iG91 for VAN107/105Lあり
ダンロップWINTER MAXX LV01 for VAN107/105Nあり
TOYO TIRESDELVEX 935107/105Nあり

この表は性能の優劣ではなく、サイズの有無だけを並べたものです。

気をつけたいのは、同じ195/80R15に荷重指数の違うものがある点です。ヨコハマのサイズ表には107/105Lのほかに103/101Lも載っていて、103は875kg。サイズの数字だけで注文すると、1本あたり100kg小さいタイヤが届きかねません。

ハイエースやエブリイ以外のサイズも、各社のバン・小型トラック用の一覧に載っています。ダンロップのLV01 for VANにある、偏平率の違う195/70R15 106/104Nもその一つです。
自分の車の表示と、サイズ・荷重指数・LTの3点が一致するものを選んでください。

JATMAは、全車輪を同じサイズ(荷重指数と速度記号を含む)、同じ種類のタイヤでそろえるよう求めています。前輪だけ、後輪だけをスタッドレスにする履き方はしません。

履き替えは、行き先の初雪から1か月さかのぼる

「スタッドレスタイヤへの交換時期は、初雪予想の1ヵ月前が一般的な目安です。」というのが、ブリヂストンの案内です。同じページには、雪が降らない地域でも最低気温が3℃以下になると路面が凍ることがある、との注意書きもあります。

1か月の余裕をみるのは、新品のスタッドレスに慣らし走行が要るからです。JATMAの目安では、小形トラック用タイヤの慣らしは時速60km以下で200km以上。

気象庁の平年値から、雪の初日と、その1か月前の日付を並べました。

地点雪の初日(平年)1か月前
旭川10月19日9月19日
札幌10月28日9月28日
青森11月8日10月8日
盛岡11月9日10月9日
山形11月16日10月16日
仙台11月17日10月17日
高山11月17日10月17日
長野11月18日10月18日
新潟11月23日10月23日
金沢11月24日10月24日
富山12月3日11月3日
前橋12月9日11月9日
名古屋12月18日11月18日
大阪12月26日11月26日
東京1月3日12月3日

※気象庁「平年値(霜・雪・結氷の初終日)」、統計期間1991〜2020年(高山のみ2007〜2020年)。各地点は気象庁の観測地点(市街地)です。

この表は市街地の数字です。峠やスキー場へ上がる道は標高が高く、雪はもっと早く来ます。
東京に住んでいても、11月中旬に長野や東北の山あいへ向かうなら、出発の時点でスタッドレスに替わっていなければなりません。自宅の地域ではなく、冬のあいだに行く予定のいちばん寒い場所で決めてください。

タイヤ販売店の作業場で、リフトに上げたキャンピングカーの4本すべてを冬用タイヤに替えているイメージイラスト(実景・実車の再現ではありません)
スタッドレスは4本とも同じサイズ・同じ荷重指数でそろえます。イメージイラスト(実景・実車の再現ではありません)

手持ちのスタッドレスを使うなら、履き替える前の確認は2つ。

1つは溝です。JATMAの注意書きは明快です。「溝深さが50%未満のタイヤは冬用タイヤとしては使用しないで下さい。」溝が新品の半分まで減ると、溝が途切れて「プラットホーム」という目印が現れます。どこに出るかは、タイヤ側面の矢印で分かります。
岩手、宮城、秋田、山形、福島、石川、福井、兵庫、鳥取、広島の10県は、雪や凍結の路面で50%以上すり減った冬用タイヤを使うことを、公安委員会規則で禁じています(タイヤ公正取引協議会)。

もう1つは年数です。JATMAは、使い始めて5年を過ぎたタイヤは販売店で点検を受け、製造から10年たったタイヤは溝が残っていても交換するよう勧めています。スタッドレスはゴムが硬くなると滑りやすくなるので、年に数回しか雪道を走らない車ほど、溝より年数で見ることになります。
夏タイヤ側の傷みや交換の目安は、キャンピングカーのタイヤバースト対策の記事で扱いました。

冬用タイヤ規制とチェーン規制は別のもの

雪の日に道路で出る規制は2種類あり、通れる条件が違います。どちらとも別に、沖縄県を除く各都道府県の公安委員会は、雪や凍結の路面ではチェーンか冬用タイヤを付けることを義務づけています。違反の反則金は普通車6,000円、大型車7,000円です(タイヤ公正取引協議会)。車両総重量3.5t以上の準中型車も大型車の区分に入ります(道路交通法施行令 別表第六)。

冬用タイヤ規制チェーン規制
いつ出るか高速道路などで、雪や凍結があるとき大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が出るような、異例の降雪のとき
通れる車全車輪に冬用タイヤを付けた車、または駆動輪にチェーンを付けた車(必要な装置は都道府県で異なる)チェーンを付けた車だけ
場所規制が出た区間国土交通省が指定した13区間

チェーン規制についての国土交通省の説明は明快です。
「スタッドレスタイヤを着けていても、タイヤチェーンをしていない自動車はチェーン規制中に通ることはできません。」

4WDも同じです。4WD車は重量が大きく、雪の下り坂で急ブレーキをかけると止まるまでの距離が長くなる、というのが国土交通省の説明です。車体の重いキャンピングカーなら、なおさらです。
2WDと4WDの選び方はキャンピングカーの4WDと2WDの記事にあります。

チェーン規制の13区間は次のとおりです(国土交通省の一覧、2026年9月25日確認)※1。

道路区間延長
国道112号 月山道路(山形県)西川町月山沢〜鶴岡市田麦俣15.2km
国道138号 山中湖・須走(山梨県・静岡県)山中湖村平野〜小山町須走字御登口8.2km
国道7号(新潟県)村上市大須戸〜村上市上大鳥15.3km
国道8号(福井県)あわら市熊坂〜あわら市笹岡3.2km
国道54号 赤名峠(広島県・島根県)三次市布野町横谷〜飯南町上赤名2.5km
国道56号 鳥坂峠(愛媛県)西予市宇和町〜大洲市北只7.0km
上信越道信濃町IC〜新井PA(上り線)24.5km
中央道須玉IC〜長坂IC8.7km
中央道飯田山本IC〜園原IC9.6km
北陸道丸岡IC〜加賀IC17.8km
北陸道木之本IC〜今庄IC44.7km
米子道湯原IC〜江府IC33.3km
浜田道大朝IC〜旭IC26.6km

規制中は、区間の手前でチェーンを付けているかの確認があります。中央道や北陸道を冬に使うなら、スタッドレスとは別にチェーンも積んでおくのが前提です。NEXCO西日本も「冬の高速道路では、冬用タイヤの装着はもちろん、万が一の事態に備えて必ずタイヤチェーンを携行してください。」と呼びかけています。

雪の峠道の手前にある広い待避所で、キャンピングカーの後輪にタイヤチェーンを取り付けているイメージイラスト(実景・実車の再現ではありません)
チェーン規制が出ている区間では、スタッドレスを履いていても駆動輪にチェーンが要ります。イメージイラスト(実景・実車の再現ではありません)

キャンピングカーのチェーン選びで確かめること

チェーンは駆動輪に付けるのが基本で、2WDのハイエースなら後輪です。JATMAは、タイヤサイズに合ったチェーンでも、そのタイヤに付けられるか、車体に当たらないかを確かめるよう求めています。
LTタイヤのサイズに対応した品番を選びます。スタッドレスは夏タイヤとチェーンサイズが違うことがあるので、夏用に買ったチェーンを流用せず、スタッドレスのサイズで適合を確かめます。後輪がダブルタイヤのキャブコンなら、複輪に掛けられるものが必要です。

素材は金属、ウレタンやゴム、布製カバーの3種類。どれも、自動車用品店で売っているものならチェーン規制中に通れます。
スプレーのように薬剤を吹き付けるタイプでは通れません(国土交通省)。

付けたあとの速度は、JATMAの目安で金属製が時速30km以下、金属以外が時速50km以下です。雪のない路面をチェーンのまま走ると、タイヤや車体を傷めます。

冬の旅の前に、一度は自宅で付け外しを試しておきましょう。雪の峠の待避所で、手袋をしたまま初めて説明書を開くのは避けたいところです。
高速道路は雪だけでなく強風でも止まります。キャンピングカーが受ける横風については強風の通行止めの記事にまとめました。

よくある質問

オールシーズンタイヤで冬の高速道路は走れますか

雪の状況しだいです。NEXCO中日本は、オールシーズンタイヤはある程度の積雪路面に対応できるものの、冬用タイヤより制動性能が劣るため、降雪状況によっては走れないと案内しています。NEXCO西日本の案内は、使うならスノーフレークマーク(国際表記)の付いたものを全車輪に、というもの。
チェーン規制の区間では、オールシーズンタイヤでもチェーンが要ります。バン・小型トラック用のオールシーズンタイヤを選ぶ場合も、サイズ・荷重指数・LTの3点を合わせるのは同じです。

スタッドレスを夏も履いたままにしてもいいですか

タイヤ公正取引協議会は、冬用タイヤは雪や凍結のない路面での性能が夏用タイヤより劣る傾向があるとして、冬が終わったら夏用に戻すよう勧めています。ブリヂストンも、スタッドレスはゴムが柔らかく、夏に使うと路面で削られやすいと説明しています。

更新日:2026年9月25日

出典

注釈

※1 国土交通省のチェーン規制箇所一覧には更新日の記載がありません。区間は冬を前に見直されることがあるため、出発前に同じページで最新の一覧を見てください。

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制作・構成:篠原徹

キャンピングカー・RVパーク・制度の情報を扱う制作・構成名義です。公式資料や公的情報をもとに記事を作成します。