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ヴェゼルは後席の背もたれを前に倒すだけで、荷室から後席まで段差がほとんどない床になります。
ただし、そのままだと縦は約153cmです。大人が足を伸ばすには、助手席を一番前までスライドさせ、後席とのあいだにできる約25cmの隙間を埋めて約184cmにします。
電源にも注意が要ります。
ヴェゼルにはAC100Vのコンセントがメーカーオプションにも純正アクセサリーにもありません。車から取れる電気は12Vのアクセサリーソケット(180W以下)とUSB Type-Cです。12Vソケットは、取扱説明書で「パワーシステムが起動している状態で」使うよう書かれています。
ここでは、2026年10月23日発売のマイナーモデルチェンジ後の現行型を前提に、Hondaが公式サイトで公開している車中泊の検証記事の寸法、主要諸元表・主要装備表、取扱説明書、純正アクセサリーのページ、専用マットの販売ページ(いずれも2026年11月7日確認)をつなげて、寝床の作り方と電源、そろえる物をまとめました。
- 後席を倒した荷室は縦約153cm・斜め約180cm、段差は約1cm(Hondaの計測)
- 助手席を最前端まで出すと縦約184cm。後席とのあいだに奥行き約25cm・高さ約30〜37cmの隙間ができる
- AC100Vコンセントはなし。12Vソケットは180W(15A)以下、USB-Cは前席と後席に全タイプ標準
- 純正アクセサリーに窓の目隠し(シェード・カーテン)はない
- 荷室と後席に敷くヴェゼル専用マットは、セルタン製が全席用26,990円・助手席用22,990円(カインズオンラインショップ)
後席を倒すと縦153cm。助手席を前に出すと184cm
ヴェゼルの後席は6:4分割で、背もたれを前へ倒すと座面ごと沈み込みます(ダイブダウン)。
取扱説明書の手順は3つです。
- 中央席の3点式シートベルトを分離して収納する
- ヘッドレストを下げ、アームレストを収納する
- 背もたれのレバーを引き、前方に倒す
左右は別々に倒せます。
ソロなら片側だけ倒して、もう片側を荷物置きにする使い方もできます。
倒したあとの寸法は、主要諸元表にも装備のページにも載っていません。
手がかりになるのは、Hondaのキャンプ情報サイト「Hondaキャンプ」が、e:HEV PLaY(2021年6月撮影)で計測した数字です※1。
| 状態 | Hondaの計測値 |
|---|---|
| 後席の左右を倒しただけ | 縦約153cm、斜め約180cm |
| さらに助手席を最前端までスライド | 縦約184cm |
| 助手席と後席のあいだの隙間 | 奥行き約25cm×幅(手前)約33cm・(奥)約36cm×高さ約30〜37cm |
| 荷室の段差 | 約1cm |
段差について、Hondaは「段差はほぼなく、限りなくフラットに近い。」と書いています。
板やベッドキットで床を持ち上げなくても、マットを敷けば寝床になります。
問題は長さです。
153cmでは、身長170cmの人はまっすぐ寝られません。身長170cm前後までなら斜めの約180cmを使ってソロで寝られますが、2人は無理です。縦に184cmを取るには助手席を前に出すしかなく、そうすると後席の背もたれの先に、足元の床まで落ち込んだ約25cmの穴があきます。

Hondaの検証では、この隙間に市販の折りたたみ式の踏み台(天板の奥行き約22cm・脚部約30cm、幅約36cm、高さ約32cm)を置いて足元を平らにしています。
助手席のスライドレールの手前側に出っ張りがあり、レールの間隔は最大約36cmです。踏み台を選ぶときは、側面がくぼんでいてレールをまたげる形を探すと置きやすくなります。
床の高さが手前と奥で違う点も覚えておいてください。
助手席の下に傾斜があり、足元の床から荷室フロアまでは約30〜37cmあります。Hondaの検証では高さ約32cmの踏み台で足元が安定し、その上にマットを敷けばよいとしています。
2人で寝る場合について、Hondaは「運転席側も同様にシートを前にスライドして踏み台を配置すれば、2名での車中泊も楽しめる。」としています。
荷室の幅はHondaが公表していないので、マットを2枚並べる前に販売店の展示車で幅を測ってください(主要諸元表の客室内寸法の幅1,445mmは、客室の数値で荷室の床幅ではありません)。
専用マットはセルタン製の2種類
マットを汎用品で組み合わせるのが面倒なら、ヴェゼル専用のマットがあります。
カインズオンラインショップで売られている、セルタン製の「車中泊フラットマット ホンダ ヴェゼル専用」です。対象はRV3・RV4・RV5・RV6(ガソリン車とe:HEV)の5人乗りです。
| 項目 | 全席用(A1619a-2-602) | 助手席用(A1619a-1-602) |
|---|---|---|
| 価格(カインズオンラインショップ) | 26,990円 | 22,990円 |
| 中身 | 荷室マット・2列目背もたれマット・2列目座席間上段マットを左右各1、2列目座席間下段マット×2、面ファスナー8枚 | 荷室マット・2列目背もたれマット・2列目座席間上段マットを左側1、2列目座席間下段マット×1、面ファスナー3枚 |
| 本体重量 | 13.2kg | 7.5kg |
| 素材 | 中材ウレタンフォーム、生地ポリエステル100%、日本製 | 同左 |
部品には荷室と2列目の背もたれのほかに、「2列目座席間」の上段・下段マットが入っています。
どこにどう置くかは販売ページの画像で示されているので、前席を前に出したときの隙間に合うかを買う前に画像で確かめてください。助手席用は左側だけのセットで、ソロ向け。2人で寝るなら全席用です。
販売ページには、各マットの寸法と厚さが画像でしか載っていません。
カバーは外せず、本体は洗えない、とも書かれています。メーカー直送で、店舗受け取りはできません。
ヴェゼルをベースにしたキャンピングカー(架装車)は、2026年11月7日時点で、国内のビルダーの公式情報では確認できません※2。
確認できた範囲では、ポップアップルーフで就寝人数を増やすような架装車はないので、寝床は荷室とマットで作ることになります。
電源はAC100Vなし。12Vソケットは180Wまで
主要装備表(2026年10月版)と取扱説明書で確かめた、車中泊で使える電源は次のとおりです。
| 電源 | 内容 | 設定 |
|---|---|---|
| AC100Vコンセント | なし | メーカーオプション・純正アクセサリーとも設定なし |
| アクセサリーソケット(DC12V) | 消費電力180W(15A)以下、フロントコンソール | 全タイプ標準 |
| USBチャージャー(Type-C) | 急速充電対応、前席 | 全タイプ標準 |
| 後席用USBチャージャー(Type-C/2個付) | Type-C 2口 | 全タイプ標準(2026年10月からGとe:HEV Xにも追加) |
| ワイヤレス充電器 | Qi対応 | e:HEV Z・PLaYパッケージのみ標準、e:HEV X・e:HEV Z・Gはメーカーオプション |
| USB PDチャージャー(純正アクセサリー) | Type-C 1口、最大45W | 12,100円(本体+取付アタッチメント、取付費別) |
12Vソケットについて、e:HEVの取扱説明書は「消費電力180W(15A)以下のアクセサリーに、直流12Vの電源を供給します。」と書き、続けて「12Vバッテリーあがりを防ぐため、パワーシステムが起動している状態でご使用ください。」としています。
ガソリン車のGの取扱説明書も、バッテリーあがりを防ぐため車を始動した状態で使うよう書いています。
つまり、車の電源は走っているあいだの充電用です。
12Vソケットから1時間に取れるのは計算上180Wh以下で、空の1,000Wh級のポータブル電源を満たすには、変換のロスを除いても5時間半以上かかります。一晩分の電気は、家で満充電にしたポータブル電源から取るのが現実的です。
CX-5も同じくAC100Vがなく、12Vソケットは最大120Wでした。ヴェゼルのソケットはそれより60W大きいものの、ドライヤーや電気ケトルを動かせる電源ではありません。
USB PDチャージャー(最大45W)は、センターコンソールボックスの中に付きます。
ノートパソコンを充電したい人向けの用品で、スマートフォンだけなら標準のUSB-Cで足ります。
窓の目隠しは自分で用意する
ヴェゼルの純正アクセサリーのページ(2026年11月7日確認)に、サンシェードやカーテンはありません。
Hondaも2021年の検証記事で、プライバシーシェードの用意がないので各自用意するよう書いています。
後席ドアとテールゲートのガラスは、全タイプにUVカット機能付ソフトプライバシーガラスが標準です。
色の濃いガラスでも、夜に車内でランタンを点ければ外から見えます。前席の窓とフロントガラスを含めて、窓の形に合わせたシェードを用意してください。選び方は車中泊の窓の断熱は隙間で選ぶで扱っています。
純正アクセサリーで車中泊に役立つのは、荷室まわりの用品です(価格は取付費を含まない消費税込み)。
- LEDテールゲートライト 11,000円:テールゲートの開閉に連動して点灯し、ON/OFFスイッチ付き。標準取付時間0.7時間
- ラゲッジソフトトレー 16,500円:荷室の傷や汚れを防ぐトレーで、クッション付きのブーツリップ付き。ラゲッジトレー(14,300円)とは同時に使えない
- トノカバー 13,200円:荷室を外から隠す。e:HEV ZとPLaYパッケージにはパーセルカバーが標準

2026年10月のマイナーモデルチェンジとタイプの選び方
2026年10月23日のマイナーモデルチェンジで、車中泊に関わる変更はGとe:HEV Xに入りました。
リアベンチレーションと後席用USBチャージャー(Type-C/2個付)が追加され、e:HEV Xには運転席・助手席のシートヒーターも付きました。ニュースリリースの主な変更点に、寸法や後席の変更は入っていません。現行型は全長4,340mm、ホイールベース2,610mmです。
| タイプ | 駆動 | 価格(消費税込み) |
|---|---|---|
| G(ガソリン1.5L) | 4WD | 2,777,500円 |
| e:HEV X | FF/4WD | 3,039,300円/3,259,300円 |
| e:HEV Z | FF/4WD | 3,287,900円/3,507,900円 |
| e:HEV Z・PLaYパッケージ | FF/4WD | 3,665,200円/3,885,200円 |
価格はHondaのニュースリリース(2026年10月22日)による全国メーカー希望小売価格です。
ガソリン車のGは4WDのみで、FFを選ぶならe:HEVです。
車中泊の装備で見ると、タイプによる差は小さくなりました。
電源は全タイプ同じで、寝床の作り方も変わりません。荷室を隠すパーセルカバーと、手を使わずに開け閉めできるハンズフリーアクセスパワーテールゲートは、e:HEV ZとPLaYパッケージに標準です。雪道を走るなら、4WDはe:HEVの全タイプとGで選べます。
寝るときはパワーシステムを切る(雪の夜は特に)
e:HEVの取扱説明書には「降雪時や積雪のある場所では、パワーシステムを起動したままにしない。」とあり、雪で排気ガスがたまって車内に入ると、重大な傷害や死亡にいたるとしています。寝るときは、車を止めてパワーシステムを切るのが前提です。
また、ガソリン車の取扱説明書は、テールゲートを開けたまま走らないこと(車内に排気ガスが入るため)と、「カーゴスペース内に、人を乗せない。」ことを求めています。荷室の寝床は、走行中には使いません。
暖房は車に頼らず、冬用の寝袋と窓のシェードで寒さを防ぎます。
万一に備えるなら車中泊の一酸化炭素警報器は「何ppmで何分」で選ぶも読んでおいてください。
泊まる場所は、宿泊を受け付けているRVパークかオートキャンプ場です。
道の駅の駐車場で取れるのは運転の途中の仮眠までで、宿泊目的の利用は国土交通省が遠慮するよう案内しています。宿泊用の駐車スペースを設けている道の駅もあるので、その場合は各駅の案内が優先です。詳しくは道の駅で車中泊は禁止か|仮眠と宿泊の境界線にまとめています。
もうひとつ、ヴェゼルの全高は1,580〜1,590mmあります。
高さ1,550mmまでの機械式立体駐車場には入りません。旅先の駐車場を選ぶときに見ておきたい数字です。
よくある質問
Q. 2021〜2024年の中古のヴェゼルでも同じように寝られますか。
本文の寸法は、Hondaが2021年6月撮影のe:HEV PLaY、つまり発売当初の車で測った数字です。2021年4月発売の現行型(RV3〜RV6)なら、年式によらず目安にできます。ただし計測は2021年の初期型です。マットを買う前に、セルタンの専用マットの対象型式(RV3〜RV6)に入っているかを車検証で確かめてください。
Q. 縦にもう少し長さがほしい場合は、どうすればいいですか。
助手席を最前端にした縦184cmで足りない身長なら、ヴェゼルの荷室では難しくなります。購入前に販売店の展示車で、助手席を最前端にした状態で横になって確かめてください。足りるかは、身長と、2人で寝るかソロかで決まります。
更新日:2026年11月7日(価格は2026年10月22日のHondaニュースリリース、装備は主要装備表・主要諸元表〈2026年10月版〉、電源の仕様はオンライン取扱説明書〈e:HEV 2026年版〉とガソリン車の取扱説明書PDF、用品価格はHonda純正アクセサリーとカインズオンラインショップの2026年11月7日時点の表示による)
出典
- Honda「ヴェゼル」公式サイト:https://www.honda.co.jp/VEZEL/
- Honda「ヴェゼル 装備・室内空間」:https://www.honda.co.jp/VEZEL/webcatalog/utility/
- Honda「ヴェゼル 主要諸元表」(PDF):https://www.honda.co.jp/VEZEL/common/pdf/vezel_spec_list.pdf
- Honda「ヴェゼル 主要装備表」(PDF):https://www.honda.co.jp/VEZEL/common/pdf/vezel_equipment_list.pdf
- Honda ニュースリリース「『VEZEL』をマイナーモデルチェンジし発売」(2026年10月22日):https://global.honda/jp/news/2026/4261022-vezel.html
- Hondaキャンプ「『ヴェゼル』の車中泊の使い勝手を検証!」(2021年6月23日更新):https://www.honda.co.jp/outdoor/stay-car/vezel.html
- Hondaキャンプ「『ヴェゼル』にキャンプ道具をどう積む?上手な積み方を検証」:https://www.honda.co.jp/outdoor/camp-car/vezel.html
- Honda「VEZEL e:HEV オーナーズマニュアル」(2026年版・その他の室内装備品/一酸化炭素について/リヤシート):https://www.honda.co.jp/ownersmanual/webom/jpn/vezelehev/2026/
- Honda「VEZEL オーナーズマニュアル」(ガソリン車・PDF):https://www.honda.co.jp/ownersmanual/pdf/auto/vezel/303M06300_web.pdf
- Honda Access「ヴェゼル アクセサリー」:https://www.honda.co.jp/ACCESS/vezel/
- Honda Access「LEDテールゲートライト」:https://www.honda.co.jp/ACCESS/vezel/interior/ledtailgatelight/
- Honda Access「ラゲッジソフトトレー」:https://www.honda.co.jp/ACCESS/vezel/interior/luggagesofttray/
- Honda Access「トノカバー」:https://www.honda.co.jp/ACCESS/vezel/interior/tonneaucover/
- Honda Access「USB PDチャージャー」:https://www.honda.co.jp/ACCESS/vezel/convenient_comfortable/usbpdcharger/
- カインズオンラインショップ「車中泊フラットマット ホンダ ヴェゼル専用 RV3 RV4 RV5 RV6 5人乗り用 全席用 日本製 A1619a-2-602」:https://www.cainz.com/g/7746770001251.html
- カインズオンラインショップ「車中泊フラットマット ホンダ ヴェゼル専用 RV3 RV4 RV5 RV6 5人乗り用 助手席用 日本製 A1619a-1-602」:https://www.cainz.com/g/7746770001250.html
- 国土交通省 道の相談室「休憩施設「道の駅」」:https://www.mlit.go.jp/road/soudan/soudan_03_04.html
注釈
※1 本文の約153cm・約180cm・約184cm・約25cm・約1cmは、Hondaキャンプの検証記事(2021年6月撮影、e:HEV PLaY)の計測値です。2026年11月7日時点で、Hondaは後席を倒したときの荷室長・荷室幅を主要諸元表や車種サイトで公表しておらず、2024年・2026年のマイナーモデルチェンジ後の車での計測値も出していません。
※2 2026年11月7日時点で、国内のキャンピングカービルダーの公式サイトや販売店の価格表で、ヴェゼルをベースにした架装車は見つかっていません。販売店が個別に扱うベッドキットなどは、各店に問い合わせる必要があります。
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