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キャンピングカーのトイレは要るか|カセットトイレの捨て方【2026年9月版】

キャンピングカーのトイレを付けるか迷う人へ。カセット式、ポータブル、ラップ式、トイレなしの違いを汚物の捨て先から整理しました。タンク容量と捨てる間隔、RVパークの処理料金や薬剤の指定、公共トイレに流さない理由まで公式情報で確認できます。

公開2026.09.24
読む時間9 min
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キャンピングカーのトイレは、なくても旅はできます。付けるかどうかを分けるのは、夜中や雨の日に車内で済ませたい場面がどれだけあるかと、たまった汚物を数日おきに捨てに行く手間を引き受けられるか、の2点です。
カセット式とポータブルトイレの中身は、自宅の水洗トイレか、受け入れを明記したRVパークなどの処理設備へ運びます。道の駅やSA・PAのような公共の駐車場では処理を控える、というのが日本RV協会の示すマナーです。道の駅に併設されたRVパークでも、捨ててよいのは受け入れを明記した処理設備だけです。

  • カセット式の汚物タンクは17.5〜19.3L(Thetford・Dometicの公表値)。Thetfordは、満杯になるか臭い始めたら捨てるよう案内し、その目安を薬剤によって3〜5日としています
  • くるま旅公式サイトに載るRVパーク684施設(2026年8月20日時点)のうち、ダンプステーション欄でトイレの汚物を受け付けると書いていたのは99施設です
  • 受け付ける施設でも、処理料金(330円、500円、1,000円など)や使ってよい薬剤の指定があります
  • ラップ式は1回ずつ密封するので液体を捨てる場所は要りませんが、中身はごみとして処分します

方式の違いは、汚物をどこへ持っていくか

キャンピングカーに積まれるトイレは、大きく分けて3つの方式があります。便器の使い心地より先に差が出るのは、使ったあとの行き先です。

方式汚物の行き先ためられる量本体の大きさ・重さの例電源
カセット式(車体に固定)車外の扉からタンクを抜き、水洗トイレや処理設備へ流す17.5〜19.3LThetford C223-CS:高さ534×幅394×奥行580mm、7.2kg電動フラッシュの機種は車両の電源を使う
ポータブルトイレ(置き型)タンクを外し、カセット式と同じ場所へ流すThetford Porta Potti 365:21L高さ414×幅383×奥行427mm、4.0kg不要(手押しポンプ)
ラップ式1回ずつフィルムで密封し、ごみとして処分液体はためないラップポン・サニー:幅360×奥行469×高さ421mm、約7.0kg動作時最大60W

カセット式の容量は、Thetfordの製品一覧(2025年版)でC220シリーズが18L、C260シリーズが17.5L、ベンチ型のC400シリーズが19.3Lです。DometicのCT 4110とCTS 4110は19L。
便器は車体に固定され、汚物タンクだけを車体側面の専用扉から引き抜く構造です。タンクには車輪と引き手が付き、スーツケースのように転がして運べます。電動で洗浄水を流す機種は、車両の12V電源が入っていないと動きません(VANTECH埼玉の案内)。

ポータブルトイレは、上の便器部分と下の汚物タンクを切り離して運ぶ置き型です。車体に手を加えずに後から用意できますが、置いただけでは走行中に動きます。床に固定する別売のキットは、Thetfordの品番92922111です。

ラップ式は、用を足すたびに本体がフィルムを熱で圧着して密封する仕組みで、水を使いません。日本セイフティーの「ラップポン・サニー」は、消耗品がフィルムロール1巻(約30回分、1,320円)と凝固剤30袋(1,100円)で、1回あたり約81円です(いずれも税込)。
本体のメーカー希望小売価格は、2026年8月1日受注分から120,000円(税別)になりました。フィルムは防臭用ではなく、長く置くと臭いが漏れることがあるため、メーカーは早めの処分を求めています。密封した袋の出し方は、自治体の指導に従うのが前提です。
旅先で出せる場所がなければ、自宅まで持ち帰るしかありません。施設ごとのごみの受け入れは車中泊のゴミの記事にまとめています。

カセットとポータブルの中身は、自宅のトイレか受け入れを書いた施設へ

捨て先は2つです。

1つ目は自宅の水洗トイレ。VANTECH埼玉の販売店ブログは、ドメティック製とセットフォード(Thetford)製のどちらについても、タンクを外して家庭のトイレなどに流す手順を載せています。
空気抜きのボタンを親指で押したまま注ぎ口を下に向けると、はねずに流せます(Thetfordの取扱説明書)。

2つ目は、汚物の受け入れを明記したRVパークやオートキャンプ場の処理設備(ダンプステーション)です。くるま旅公式サイトのRVパーク個別ページには「ダンプステーション」の欄があり、トイレの汚物にあたる「ブラック」、台所やシャワーの排水にあたる「グレー」の可否が書かれています。

2026年8月20日時点で掲載されていた684施設の内訳です。

ダンプステーション欄施設数
ブラック・グレーOK96
ブラックOKのみ3
グレーOKのみ15
なし258
欄の記載なし312

汚物を受け付けると書いているのは99施設、全体の14.5%でした。欄のない312施設の多くは、施設ページからは受け入れの有無が分かりません。水道や炊事場を含めた水回りの設備は、RVパークの給水事情をまとめた記事で扱っています。

受け付ける施設でも、条件は施設ごとに違います。例を挙げると、2026年9月24日時点の掲載は次のとおりです。

施設(所在地)ダンプステーション欄の条件
RVパーク伊香保(群馬県)ブラックタンクの処理は別途1,000円。カセット・ポータブル・グレーは無料
RVパーク道の駅「ごいせ仁摩」(島根県)汚水処理・給水設備を使う場合は330円
RVパーク SUZU(宮崎県)500円。給水と処理だけの立ち寄りは1,000円
RVパーク WANALOHA Fujiやまなかこ(山梨県)1回500円。トイレやシンクには流さない
RVパーク飯田さるくら(長野県)微生物を殺菌する薬剤(アクアケムブルー)入りは断る。グリーンは可
RVパーク FURI~space桃の里(山梨県)利用者は無料。アクアケムブルーや塩素系の薬剤入りは禁止、グリーンは可。処理だけの立ち寄りは不可

薬剤の指定は見落としやすいところです。桃の里は浄化槽と施設の保護を、飯田さるくらは環境保全を理由に挙げています。
Thetfordが浄化槽に使える製品として案内しているのも、グリーン系です。薬剤の持ちはブルー系が4〜5日、グリーン系が3〜4日で、グリーンに替えると捨てる間隔が1日ほど縮みます。自宅が浄化槽なら、選ぶのはグリーン系でしょう。溶剤ごとの違いはカセットトイレの溶剤を比べた記事にまとめました。

しまなみ海道沿いの2施設(RVパークしまなみ海道 大三島、しまなみ海道 RVパーク シーサイドM)は、ペットのふん尿をトイレやダンプに流さず、可燃ごみとして出すよう求めています。

受け入れのない施設は、はっきり断っています。福島県では「なし」の欄に「絶対にトイレに排水しないでください。」と書いた施設が複数あり、宮崎県のRVパーク 青井岳温泉は汚水と排泄物の持ち帰りを求めています。
RVパークに泊まるだけでは、捨て先は確保できません。予約の前に見ておきたいのが、この欄です。

RVパークの管理棟わきにある排水口のふたを開け、車輪付きのトイレタンクを横に置いたイメージイラスト(実景・実在施設の再現ではありません)
汚物を受け付けるRVパークでは、指定された排水口にタンクの中身を流します。イメージイラスト(実景・実在施設の再現ではありません)

公共のトイレや側溝には流さない

カセットトイレやポータブルトイレの処理を控えることは、日本RV協会が道の駅やSA・PAなど公共の駐車場でのマナーとして挙げる10か条の1つです。
レンタル会社の規約も同じです。横浜のROUTE67は禁止事項として、カセットタンクが満量表示になったらダンプステーションなどで捨て、公共施設のトイレには流さないよう定めています。

側溝や地面に流すのは、マナーの話では済みません。ふん尿は廃棄物処理法の「廃棄物」に含まれ、第16条は「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」と定めています。
違反すると、5年以下の拘禁刑か1,000万円以下の罰金、またはその両方です(同法第25条第1項第14号)。

臭いと手間は、捨てるまでの日数で決まる

カセットの汚物タンクには、使う前に薬剤と少量の水を入れておきます。Thetfordのアクアケムブルーなら、タンク20Lあたり60mlに水2〜3Lを加え、効き目は最長5日です。
Thetfordは、タンクが満杯になったときか臭い始めたときに捨てるよう案内しています。容量に余裕があっても、捨てに行くのは薬剤の持ちに合わせて3〜5日ごと。

VANTECH京都の販売店ブログも、消臭剤はタンクに入れてから4日ほどしか持たないため、出発前に水と一緒に入れるよう書いています。タンクに水を入れたままの保管は故障の原因になる、というのが同じ記事の注意です。

置き型のThetford Porta Potti取扱説明書には、走り方と保管について次の指示があります。

  • 汚物タンクが4分の3を超えたまま走らない(通気の仕組みから漏れて車内を傷めるため)
  • 洗浄水タンクが一体の置き型では、洗浄水タンクを空か半分以下にして走る
  • 凍結のおそれがある場所では使わず、水を抜いて保管する
  • 普通のトイレットペーパーは詰まりの原因になるので使わない

代わりにThetfordが勧めるのは、水に溶けやすい専用のトイレットペーパーです。

重さも手間のうちです。中身は1Lでおよそ1kgあるので、19Lのタンクが満杯に近づけば中身だけで20kg近くになります。車輪が付いていても、段差のある場所や自宅のトイレまで運ぶのは楽ではありません。

トイレなしで済む人、付けたほうがいい人

トイレを付けない選択は十分に現実的です。判断が分かれるのは、夜の過ごし方です。

くるま旅公式サイトのRVパーク684施設(2026年8月20日時点)のうち、建物の中のトイレが挙がっていない施設は173施設(25.3%)ありました。こうした施設では、夜も車を降りて屋外のトイレまで歩きます。施設別の傾向はRVパークのトイレが夜中に使えるかを調べた記事にあります。

トイレなしで困りにくいのは、泊まる場所のトイレに夜も行けて、大人だけで旅をし、渋滞の多い日を避けて走れる人です。万一に備えるなら、凝固剤で固める携帯トイレを数回分積んでおけば足ります。選び方は携帯トイレの記事で扱いました。

付けたほうがいいのは、夜中に何度も起きる家族がいる人、小さな子どもや高齢の家族と移動する人、雨や雪の夜に外のトイレまで歩きたくない人です。VANTECHの広報ブログが車内トイレの出番に挙げるのも、夜中や雨の日、渋滞中、子どもが急にトイレと言い出した場面です。

VANTECH京都の販売店ブログは、カセットトイレの便器に市販の非常用トイレの袋をかぶせて使う方法も紹介しています。凝固剤で固めて袋ごと処分するので、タンクを洗わずに済みます。
トイレ付きの車でも、ふだんはこの使い方にして、タンクは長旅のときだけ使う、という分け方も一つの手です。

キャンピングカーの車内で、トイレ専用の小部屋に固定されたトイレと、床の固定具に留めた置き型トイレを並べたイメージイラスト(実景・実車の再現ではありません)
固定式のカセットトイレは専用の小部屋が要り、置き型のトイレは走る前に床へ固定します。イメージイラスト(実景・実車の再現ではありません)

購入前に販売店で確かめたいのは、次の3点です。

  • トイレのメーカーと型番(タンク容量と、使える薬剤が分かる)
  • 便器の置き場所が専用の小部屋か、着替えや荷物置きと兼ねる空間か
  • 電動フラッシュなら、使うときに車両の電源が要るか

レンタルで初めて使うなら、予約のときに聞くこと

トイレ付きの車を借りても、使ってよいか、返却前に中身を捨てておくのか、店に任せると料金がかかるのかは、会社ごとの決まりです。
予約のときに、トイレを使えるか、薬剤と専用のトイレットペーパーは積んであるか、返却前にタンクを空にする必要があるか、を聞いておきます。行き先のRVパークのダンプステーション欄も合わせて見ておけば、旅先で捨て場所を探さずに済みます。

確認日:2026年9月24日

出典

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制作・構成:篠原徹

キャンピングカー・RVパーク・制度の情報を扱う制作・構成名義です。公式資料や公的情報をもとに記事を作成します。