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エクストレイルで車中泊|寝床1.8mと1500W電源の注意【2026年10月版】

現行エクストレイル(T33)は2列目を倒すと前席の背もたれからバックドアまで約1,820mm。1500Wコンセントは2列シート車だけのオプションで、寝ているあいだの暖房には使えません。日産公式の寸法と取扱説明書、純正の車中泊仕様「マルチベッド」を整理しました。

公開2026.10.29
読む時間11 min
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現行のエクストレイル(T33型)は、2列目シートを倒すと、前席の背もたれからバックドアまでが約1,820mmになります。
身長170cm前後までの大人なら、足を伸ばして寝られる長さです。

気をつけたいのは電源です。荷室の100V AC電源(1500W)はメーカーオプションで、3列シート車には付けられません。
しかもこのコンセントはe-POWERシステムを起動しているときしか使えず、取扱説明書は「e-POWERシステムを作動したまま仮眠をしない」と警告しています。寝ているあいだの電気毛布やヒーターを、車のコンセントでまかなう使い方はできません。

日産の公式FAQ、主要装備一覧(2026年9月版)、取扱説明書(2025年9月版)、2026年9月3日の一部仕様変更の発表をもとに、車中泊に関わる数字と注意点をまとめました。

  • 2列目を倒したときの長さは約1,820mm(前席をいちばん後ろに下げ、背もたれを垂直に立てた状態)。荷室幅は最小約1,095mm
  • 100V AC電源(1500W)は2列シート車にだけ設定されたメーカーオプション。3列シート車は選べない
  • 寝るときはe-POWERシステムを切る。コンセントも同時に切れるので、夜の暖房は寝袋とポータブル電源で用意する
  • 日産グループのNMCが作る車中泊仕様車「マルチベッド」がある。ベッドは長さ1,800mm・許容荷重150kgで、価格は5,362,500円から

2列目を倒すと約1.82m|大人1人なら足を伸ばせる

日産はFAQ「エクストレイル(2022/07~・T33型) 荷室の寸法・容量・積載能力を教えて。」で、2025年9月のマイナーチェンジ以降の2列シート車の荷室寸法を公開しています。最終更新は2026年9月1日です。

測る場所寸法
2列目を倒したときの、前席の背もたれの後ろ〜バックドア約1,820mm
2列目の背もたれの後ろ〜バックドア(2列目をいちばん前にスライド)約1,175mm
2列目の背もたれの後ろ〜バックドア(2列目をいちばん後ろにスライド)約950mm
荷室幅(最小)約1,095mm
荷室幅(最大)約1,325mm
荷室高(標準時)約840mm

1,820mmは、前席をいちばん後ろまでスライドさせ、背もたれを垂直に立てたときの長さです。同じFAQの2022年7月〜のモデルの表に、この条件が注記されています。
運転席を普段の位置に戻しても、長さが縮むことはありません。前へ出せば、そのぶん寝床は長くなります。

この長さは前席の背もたれから測っているので、倒した2列目の背もたれの先と前席のあいだにすき間があれば、それも含んだ数字です。
すき間の幅、倒した背もたれの傾き、荷室の床との段差は公表されていません※1。展示車で2列目を倒し、背もたれの先にどれだけすき間ができるか、床とつないだ面がどれだけ傾くかを見ておくと、マットの厚みを決めやすくなります。

ミドルサイズSUVの車内を真横から見たカットモデル風の図。2列目の背もたれが前に倒れて荷室の床とつながり、その先の前席とのあいだのすき間に収納ボックスが置かれ、その上までマットが1枚続いている。前席の背もたれは起きたまま(イメージ画像(AI生成。実際の施設・商品の写真ではありません))
倒した2列目の先に残るすき間を荷物で埋め、マットを前席の背もたれまで通す(イメージ画像(AI生成。実際の施設・商品の写真ではありません))

取扱説明書(2025年9月版)には、2列目を折りたたんだときの注意として「折りたたんだ背もたれの上に乗らない」とあります。シートの損傷や転倒を防ぐためです。
日産は、倒した2列目の上で寝る使い方を案内していません。寝床にするときは背もたれの上に体重を一点でかけないよう、膝立ちや立ち上がりは荷室の床側で行います。

2列目は4:2:4分割です。
片側の4だけを倒せば、反対側の席を荷物置きに残せます。ただし4の部分の幅は2列目全体の4割ほどで、1人分の寝床としてはかなり細くなります。前席に当たって2列目が倒れないときは、ヘッドレストを下げるか前席の位置を調節するよう、取扱説明書が案内しています。

幅は最小約1,095mm|2人で寝るなら1人あたり約55cm

荷室の幅がいちばん狭いところで約1,095mmです。
大人2人が並ぶと1人あたり約55cmで、シングル布団の幅(100cm前後)の半分ほど。肩幅の広い大人どうしだと、寝返りで相手に当たります。

ゆったり寝られるのは大人1人、大人1人と子ども1人までと考えておくのが現実的です。
同じ日産のキックス(2WDで最小約1,025mm)より約70mm、トヨタのRAV4(最小約1,002mm)より約90mm広い幅です。どちらもメーカー公表の最小幅で、寝床の作り方はキックスで車中泊、RAV4で車中泊にまとめています。

荷室高の約840mmは、荷室の床から天井までの高さです。マットを敷けばその厚みのぶん天井は近くなります。
2列シート車は床下にラゲッジアンダースペースがあるので、寝床を作るときは靴や濡れた物をここへ逃がせます。

3列シート車を選ぶと、1500Wコンセントは付けられない

主要装備一覧(2026年9月版)で見ると、100V AC電源(1500W)の設定は次のとおりです。

グレードシート価格(消費税込み)100V AC電源(1500W)
X(2WD)2列・5人乗り4,092,000円セットオプション
G(2WD)2列・5人乗り4,653,000円単独のメーカーオプション
X e-4ORCE2列・5人乗り4,389,000円セットオプション
G e-4ORCE2列・5人乗り4,950,000円単独のメーカーオプション
X e-4ORCE3列・7人乗り4,521,000円設定なし
ROCK CREEK e-4ORCE2列・5人乗り4,757,500円セットオプション
ROCK CREEK e-4ORCE3列・7人乗り4,889,500円設定なし

価格は2026年9月3日の一部仕様変更時の全国希望小売価格で、リサイクル料金は含みません。
セットオプションは、インテリジェント アラウンドビューモニター、NissanConnectインフォテインメントシステム、ETC2.0ユニット、USB Type-C(前後2個ずつ)などと組み合わせた設定です。

メーカーオプションは工場で付けるので、買ったあとから追加できません。
車でコンセントを使いたいなら、2列シート車を選び、注文の時点でオプションを付けておく必要があります。3列シート車は、2列目と3列目を倒したときの長さも約1,820mmですが(2022年7月〜2025年8月のモデルの値)、AC電源は付けられません※2。

電源ソケット(DC12V)はフロントと荷室に1個ずつ、全車標準です。USB Type-Cは前後1個ずつが標準で、G系だけ前後2個ずつ。

1500Wコンセントは「起きているあいだ」の電源

荷室のコンセントを使うには、ブレーキを踏んでパワースイッチを押し、メーター内の走行可能表示灯が点いた状態にしてから、AC電源のメインスイッチを入れます。
パワースイッチを切ると、コンセントも切れます。再始動しても自動では戻りません。

e-POWERは、ガソリンで発電してモーターで走る仕組みです。
停車中でもバッテリーの残量が減れば発電が始まり、排気ガスが出ます。取扱説明書は、駐停車中にコンセントを使っていて発電が始まると、アイドリングストップ条例の違反として罰則の対象になる場合があると書き、自治体の条例を確認するよう求めています。

寝るときの扱いをはっきり決めているのは、取扱説明書の警告です。
「e-POWERシステムを作動したまま仮眠をしない」。さらに、仮眠や長時間の駐車をするとき、雪が積もった場所や降雪時に駐停車するとき、車庫や壁に囲まれた換気の悪い場所では、e-POWERシステムを長時間作動したままにしないよう求めています。排気ガスが車のまわりにたまり、車内に入り込んで一酸化炭素中毒になるためです。

コンセントの注意書きにも、車中泊に関わる項目が並びます。

  • 換気の悪い場所では使わない(取扱説明書・警告)
  • 「100V AC電源(1500W)を使用するときは、車両から離れない。」(取扱説明書・注意)
  • 延長コードは使わない(日産公式サイトの注意事項)
  • 「車室内に人やペットを残したまま長時間使用しないでください。」給電システムが自動で止まり、冷暖房機器が働かなくなることがあるため(日産公式サイトの注意事項)

つまり、エクストレイルの1500Wは、車外で電気ケトルを使って湯を沸かしたり、ポータブル電源を充電したりする「起きていて、車のそばにいるあいだ」の電源です。
日産公式サイトはこのコンセントで使える例に電気毛布(75W)を挙げていますが、夜通し使うならコンセントからではなく、あらかじめ充電しておいたポータブル電源から取ります。

冬に寝るなら、e-POWERを切っても朝まで持つ装備を

e-POWERを切って眠る前提なので、冬の寒さへの備えは寝具が中心です。
寝袋は使う夜の最低気温に合わせて選び、底冷えを防ぐために荷室の床とマットのあいだに断熱材を1枚足します。
冷え込みと結露を和らげるのが、窓を内側からふさぐシェードです。窓の選び方は車中泊の窓の断熱は隙間で選ぶにまとめています。

日産の純正アクセサリーには、窓をすべて覆うシェードや車中泊用のマットはありません(2026年10月29日時点)。
サンシェード「ラディクール タイプB」(14,410円)は、車の外側に吸盤とサイドミラーへのひもで留める日よけです。日産は、駐車中の車内温度を下げて夏場のエアコンを早く効かせる商品として案内しています。

雪の降る夜は、車のまわりの雪にも目を配ります。
夜中に寒くても、暖を取るためにe-POWERを起動し直さないでください。取扱説明書は、仮眠のとき、降雪時、雪の積もった場所では、e-POWERシステムを長時間作動させないよう警告しています。
マフラーのまわりが雪でふさがると、排気ガスが車内に入り込むためです。車を動かすために起動するときは、先にマフラーまわりの雪を取り除きます。万一に備えて一酸化炭素警報器を置くなら、車中泊の一酸化炭素警報器は「何ppmで何分」で選ぶを参考にしてください。

夜、雪がうっすら積もったオートキャンプ場に停まったミドルサイズSUVを斜め後ろから見た様子。すべての窓が内側から黒いシェードで覆われ、隙間からわずかに暖色の光が漏れている。車のまわりの雪は踏み固められ、マフラーのまわりに雪はない(イメージ画像(AI生成。実際の施設・商品の写真ではありません))
寝るときはe-POWERを切り、窓を内側からふさぐ。暖かさは寝袋とポータブル電源で用意する(イメージ画像(AI生成。実際の施設・商品の写真ではありません))

純正の車中泊仕様「マルチベッド」という選択肢

日産グループの日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)は、エクストレイルの車中泊仕様車「マルチベッド」を販売しています。
2026年9月3日の一部仕様変更で、それまでのROCK CREEKベースに加え、G e-4ORCEベースが追加されました。

車種ベース車価格(消費税込み)100V AC電源(1500W)
ROCK CREEK マルチベッドROCK CREEK e-4ORCE(2列・5人乗り)5,362,500円セットオプション
G e-4ORCE マルチベッドG e-4ORCE(2列・5人乗り)5,635,300円標準装備

荷室に硬いフロアパネルを敷き、脚の付いたベッドフレームとマットを2列目の位置から荷室全体に渡す構造です。
日産モータースポーツ&カスタマイズ(カスタマイズ事業部)のWebカタログに載っているベッド寸法は次のとおりです。

  • 長さ1,800mm、幅1,150mm(前側)
  • マットの厚さ60mm、ベッドの下の空間の高さ170mm
  • ベッドの上面から天井まで650mm
  • 許容荷重150kg。マットの表地はCORDURA生地

ベッドを広げたまま走ることはできません。カタログに「ベッド展開状態での走行はしないでください」とあります。
畳んだマットは重ねて収納でき、前側の2枚はベッドの下にも入ります。

自分でマットを敷く場合との違いは、倒した背もたれの傾きや段差に関係なく、フレームの上に平らな寝床ができることです。
そのかわり、ベース車との価格差は、ROCK CREEK同士で605,000円、G e-4ORCE同士で685,300円になります。主要装備一覧の注記によると、ETCユニットや一部のディーラーオプションを取り付けるときは、ベッドシステムの脱着が必要です。

NMCのマルチベッドはミニバンのセレナにも設定があります。
2列目のシートアレンジや寝床の広さを比べたいときは、セレナで車中泊も見てください。

ミドルサイズSUVの車内を真横から見たカットモデル風の図。倒した2列目の上から荷室の後端まで、短い脚で支えられた平らな板と厚さ6cmほどのマットが続き、その下に薄い収納スペースがある。前席の背もたれは起きたまま(イメージ画像(AI生成。実際の施設・商品の写真ではありません))
フレームでマットを支えると、背もたれの傾きや段差の上に平らな面ができる(イメージ画像(AI生成。実際の施設・商品の写真ではありません))

泊まる場所は道の駅ではなくRVパークかキャンプ場

国土交通省は、道の駅について「運転の途中で疲労回復のために車内で仮眠をとるなどしていただくことはかまいません」としたうえで、「駐車場など公共空間における宿泊利用は基本的にご遠慮いただいています」と案内しています。

エクストレイルで寝床を作ってひと晩過ごすなら、行き先は泊まる前提で受け付けているRVパークかオートキャンプ場です。
宿泊用の駐車スペースを設けている道の駅もあるので、その場合は各道の駅のホームページで条件を確かめます。仮眠と宿泊の境目は道の駅で車中泊は禁止か|仮眠と宿泊の境界線で整理しています。

車中泊目線のグレードの選び方

寝床の長さと幅は、2列シート車ならグレードで変わりません。
選ぶときに効いてくるのは、電源と雪道です。

  • 車のコンセントからポータブル電源を充電したり、車外で家電を使ったりしたいなら、2列シート車にAC電源のオプションを付ける。GとG e-4ORCEは単独で、XとROCK CREEKはナビなどとのセットで選ぶ
  • 冬に雪の多い地域へ出かけるなら、e-4ORCE(4WD)。2WDとe-4ORCEで荷室寸法の違いはFAQに示されていない
  • フレーム式の平らなベッドを最初から付けたいなら、マルチベッド。G e-4ORCE マルチベッドはAC電源が標準
  • 7人乗りが必要なら3列シート車。ただしAC電源は付けられない

更新日:2026年10月29日(寸法・価格・装備は2026年10月29日時点の日産・日産モータースポーツ&カスタマイズの公式掲載。荷室寸法は日産FAQ(2026年9月1日更新)、主要装備一覧は2026年9月版、取扱説明書は2025年9月版、価格は2026年9月3日の発表時のもの)

出典

  • 日産自動車ニュースルーム「「エクストレイル」を一部仕様変更」(2026年9月3日):https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/260903-01-j
  • 日産 FAQ「エクストレイル(2022/07~・T33型) 荷室の寸法・容量・積載能力を教えて。」:https://faq2.nissan.co.jp/faq/show/57852
  • 日産「エクストレイル 主要装備一覧・主要諸元」(PDF・2026年9月版):https://www-asia.nissan-cdn.net/content/dam/Nissan/jp/vehicles/x-trail/2609/pdf/x-trail_2609_specsheet.pdf
  • 日産「エクストレイル ラゲッジ・収納」:https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/x-trail/interior/luggage_storage.html
  • 日産「エクストレイル 取扱説明書」(PDF・2025年9月版):https://www2.nissan.co.jp/SP/OM/X-TRAIL/2509/manual_t00um6ra4a.pdf
  • 日産「エクストレイル 荷室アイテム」:https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/x-trail/accessories/luggage_items.html
  • 日産「エクストレイル 外装アイテム」:https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/x-trail/accessories/exterior.html
  • 日産モータースポーツ&カスタマイズ「エクストレイル マルチベッド」:https://www.autech.co.jp/sv/xtrail_rockcreek_multibed/index.html
  • 日産モータースポーツ&カスタマイズ「エクストレイル マルチベッド 主要装備一覧」(PDF):https://www.autech.co.jp/sv/sf7590000002aq74-att/t33_multibed_equipment.pdf
  • 国土交通省 道の相談室「休憩施設「道の駅」」:https://www.mlit.go.jp/road/soudan/soudan_03_04.html

注釈

※1 日産の公式サイト・FAQ・取扱説明書には、2列目を倒した背もたれの角度、前席とのすき間の幅、荷室の床との段差の寸法が、2026年10月29日時点で掲載されていません。

※2 日産FAQは、2025年9月のマイナーチェンジ以降の3列シート車の荷室寸法を「確認中」としています(2026年10月29日時点)。本文の約1,820mmは、同じFAQにある2022年7月〜のモデルの値です。

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制作・構成:篠原徹

キャンピングカー・RVパーク・制度の情報を扱う制作・構成名義です。公式資料や公的情報をもとに記事を作成します。