【インタビュー】ANA国内線航空×キャンピングカー・車中泊
日本を代表する航空会社、全日本空輸株式会社(ANA)が九州周遊キャンピングカー車中泊のモニターを行なっているとの噂を聞きつけて早速ANAさんにインタビューをさせて頂きました!
インタビューにお応え頂いたのは
ANAホールディングス株式会社 デジタル・デザイン・ラボの野島氏。
ANAホールディングス社長直下のプロジェクトの主担当者にお伺い致しました。
日本を代表する航空会社、全日本空輸(ANA)さんが掲げている
LOOK for your STYLEについて早速インタビュー!!
LOOK for your STYLEについて
Q.LOOK for your STYLEについてどんな取り組みなのか、なぜ取り組んでいらっしゃるのかをお教えください。
ANAの経営課題の中でも特に2つの課題に着目しました。
一つはこれまで40代〜50代のお客様が多く、若い方との接点が少ないんですね。
そこでANAとして若い人たちとの接点を作っていかなきゃいけないなっていうのが経営課題の一つでもあります。
若い人たちにヒアリングをする中で、物を買うというより「共有する」「シェアしていく」という感覚を持っていると方が多いと
強く感じています。
そこでシェアリングエコノミーはANAと若い方達と接点として親和性が高いと思っています。
若い人たちにアプローチしたいときにシェアリングエコノミーというのは一つのフックになり、何かしら影響があるだろうと考えており、何か出来ないかと考えていました。
もう一つの経営課題ですが今、日本の人口分布もそうですが、首都圏に人が集まっていて、20年前から比べると7割位ローカルの方々が減っている現状があります。
これが2020年、2030年続いていくと「人」が流動しなくなり、飛行機を生活路線として使っている方々もいっぱいいる中でも航空会社として減便や機材小型化で生産量を下げざるを得ない状況です。
この状況をなんとかする為、ANAとして地方創生をしないしていかなければならないと考えています。
地方創生といっても様々なあり、インバウンド誘致やふるさと納税などをすでにANAとして実施しはしています。
ただ、これだけでは人の流動化には足りていないと思っています。
「人」を流動させる為に、これもシェアリングエコノミーと親和性が高いと思ったのがきっかけです。
なぜシェアリングエコノミーが親和性が高いかというと、そもそもシェアリングエコノミーって、空いているスペースだったり、空いている人のリソースだったりを有効的に活用しようということなのですが、例えば、Airbnbさんのような民泊もあります。
ANAの航空会社も同じで国内の利用率は延べで考えると3割くらいは空席になっています。
私たちの空いている席、地方の空いている車、空いているスペース、空いている部屋これらをかけ合わせて行くことで、何か新しいことを生み出していければ人口流動も上がって行くだろうし、交流人口も増えて行くと思うんです。
そうすると、他拠点生活につながったり、移住につながったり、第二の故郷になったりという考え方で地域は活性化して行くんではないか。という事でシェアリングエコノミーを運営している各社と連携させていただく事で、実現ができるんじゃないかと考えています。
同時にANAとして経営課題でもある「地方創生」と「若者への接点の創出」にもつながると考えています。
まずは、ポータル的にサービスを集約して提供してく事を始めてみようという事でスタートしたのがLOOK for your STYLEなんです。
LOOK for your STYLEは現在、訪日版も制作予定となっています。
車中泊とANA、そのモニターの内容とは?
こう言った様々なシェアリングサービスと連携し拡大していこうという中、今回の車泊も提携先として実施しようと考えモニターを募集いたしました。
実際、飛行機で移動して、キャンピングカーを借りて車泊というのが、どのくらい需要があるのかを今回のもモニターを通じて知りたいと思っています。
Q.今回のモニターについて具体的に教えてください。
今回は4組の方にモニターをお願いしております。
現在、4組の方には私の方で航空券を手配して、いついつに博多駅に来てくださいとアナウンスを始めた所です。
旅行日程を終えた所でどういう所が良かったとか、RVパークの場所は良かった、そもそも飛行機に乗ってまで車中泊をする価値があるのかなど後日アンケートをいただくという流れとなっております。
そのアンケートを元に今後(4月以降を想定)のサービスリリースに活かしていきたいと思っています。
Q.今後、車中泊に関してどのような展開を想定されていらっしゃいますか?
まず、グループとして新チャレンジ領域として考えた時に、旅行先でホテルに泊まるという事は、もう一般的でそれ以上の体験価値ってなかなかなかったと思うんです。
そこで現れたのがAirbnbのような民泊サービスが現れて、人と触れ合う機会が多くなる事で新しい体験価値が生まれている。
今はそれがすごく主流になってきていると感じている。
ただ、それ以上の価値やちょっと違った体験価値は、どういう所で生まれるのかということを考えました。
その一つとして車泊、車泊でキャンプをするというのは、確実に今までになかった体験価値なのでそれをANAのお客様に対して訴求していくというが、新しい価値体験の創造だと思っています。
今、キャンピングカーを所有されて、楽しんでいらっしゃる方って大勢いらっしゃると思うんですが、ほぼ、飛行に乗って移動されるということは無いかと思うんです。
その方々にも、飛行機に乗って、その後キャンピングカーで楽しむ方法もあるんだという価値体験もお伝えできればと思っています。
例えば、東京の方がキャンピングカーで移動される事を想定した場合、福岡まで車移動で丸1日、往復で丸2日をかかるところ、飛行機だったら乗るまでの移動も含め片道3時間位で行けるので、今ままで近くでキャンプをやっていたりキャンピングカーを借りたりしていた方も少しお金をかければ違う場所でキャンプ体験などができます。
こういった事をこのチャレンジ領域では伝えていきたいと思っています。
Q.今回のモニターの行程を教えてください
期間は
2019年1月19日(土)〜21日(月)の3日間
2019年1月26日(土)〜28日(月)の3日間
今回のモニターですが東京都内の方になりましたので、羽田から福岡まで飛行機で移動をしていただき、福岡からキャンピングカーでお向かいに行き、そこからキャンピングカーのレンタカーでスタートとなります。
そこから「車泊の旅の友 九州周遊観光ガイド」に掲載されているRVパークの中から事前にお選び頂いた場所で車中泊体験を頂きます。
キャンピングカーの車種は、ヨセミテ・ボレロ・ジョインエルの3台のうちどれかを予定しています。
Q.RVパークとの連携されるとの事ですが、なぜRVパークなのですか?
RVパークは、近くに温泉施設など入浴設備がありますしキャンプ場と違って、一箇所にとどまるというより、観光や食事など周辺施設の利用によって地域でお金を使うという事になり、その町の地域活性にもつながるので地方創生としては一役買うんじゃないかと思っています。
シェアリングエコノミー、例えば駐車場の空きスペース、宿泊スペースなどの提供であればキャンピングカーじゃなく、乗用車のレンタカーでも事足りてしまうんじゃないかと思うのですが、なぜキャンピングカーでの周遊を選んだのですか?
これは社内でも色々と議論が出たのです。
すごい個人的ですが、私が利用するとなればキャンピングカーの方が圧倒的によいと思ったのが一つです。
そして、もう一つですが、私は元々ANAの中でも旅行系の業務をずっと行なってきたので、いわゆる旅行商品、パンフレットでキャンピングカーって借りれないと言いますか旅行パックとして無いのが現状でした。
今後、様々なハードルはありますが、旅作でのキャンピングカーの導入や旅行商品のパッケージ化の一つにもできるキッカケにしたいというのも理由の一つです。
-旅作とは?
「旅作」は、予算やニーズに合わせて自由に航空券や宿泊を組み合わせる、いわば自分自身で
旅行パックをつくるプランメーカー。
ANAのインターネットで予約から支払いまで簡単に行え
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LOOK for your STYLEの今後の展望を教えてください
キャンピングカーの話で言えば、キャンピングカーを所有したい方はたくさんいらっしゃると思うんですが、値段も高いですし、マイカーもある中キャンピングカーも所有となると維持費も高くなってくるので、なかなか手が出しづらいとおもうんです。
ですが、シェアリングエコノミーがもっともっと浸透すると、シェアリングエコノミーでキャンピングカーを貸し出す事で維持費を確保するができればもっとキャンピングカーを購入したいという意欲が出てくんじゃ無いかと思っているんです。
LOOK for your STYLEは、こういったシャアリングエコノミーのポータルを作る事ではありますが、実は本当の完成形として考えているのは様々な仕掛けをしていきますが自分が旅行にいっている間に自身の遊休資産を貸し出すというムーブメントを作りたいと思っています。
そして、約3300万人いるANAマイレージカード会員の皆様に新たなサービスや体験価値を提供していきたいと思っています。
インタビューを終えて
今回、長時間にわたり、インタビューをお受けいただきましたANAホールディングス株式会社の野島様にはまずお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
今回、このインタビューでキャンピングカーの魅力、楽しみ方に新たな一ページが生まれる気が致しました。
なにより野島様の価値の体験を本気で提供していきたいという
サービスに対する熱意をとても感じられ、我々編集部も非常に感銘を受けました。
キャンピングカーの所有者は、その起点、例えば東京に住んでいる方でキャンピングカーを保有されている方であれば
北海道に自身のキャンピングカーで行こうと思うと
陸路でフェリー乗り場まで移動し、そこからフェリーで移動、やっとついたと思った北海道。
ここからスタート。という状況になる。
もちろん、長期休暇があればこの工程も楽しむことができます。
しかし、そこまで長期の休暇が取れない、移動で日程を取られてしまう。そして運転は1人だから移動だけでも疲れてしまう。など
北海道を満喫出来ないで終わってしまう事も考えられます。
そんな時に、選択肢の一つとして
飛行機で移動して、そこからレンタルキャンピングカーを使うことで存分に北海道を満喫する。というのも一つの選択肢になると思いました。
今後のANAさんの旅作や旅行パッケージでキャンピングカーが組み込まれる日が今から楽しみです。
実際にリリースされたらキャンピングカージャーナルとして
ぜひレポートしていきたいと感じました。
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